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異文化共生 映画に願い 金沢の専門校教員ら制作

2010-04-29 21:44:10 | 多文化共生
(以下、中日新聞【石川】から転載)
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異文化共生 映画に願い 金沢の専門校教員ら制作

2010年4月29日

制作最終段階の編集作業に取り掛かる大谷内さん=金沢科学技術専門学校で
来月にも公開
射水のパキスタン人描く

 金沢科学技術専門学校の教員ら石川、富山両県の日本人とパキスタン人の有志が、富山県射水市の国道8号沿いを舞台に現地で働くパキスタン人をモデルにした自主制作映画「パキスタンストリート」を制作、ほぼ完成した。五月にも公開される。パキスタンでの上映も目指し、同国で話されるウルドゥー語版の準備を進めている。(中村真暁)

 同市の国道8号沿いでは一時、パキスタン人ら外国人による違法駐車や不法投棄が、地域住民との対立を生んだ。このため共生を願い、パキスタン人の子どもに勉強を教えるボランティアや同専門学校の教員らが映画制作を企画。映画は約九十分。さまざまな事例をもとにした創作で、中古車店で働くパキスタン人男性が日本人女性との恋愛や仕事に悩む日常の“素顔”を描き、異文化への理解を促す内容。配役も住民から募り、昨年七月に撮影を始めた。

 食事風景の撮影がイスラム教のラマダン(断食月)と重なり、イスラム教徒のパキスタン人出演者が食べるのを拒否。食べるそぶりだけで演じたり、パキスタン人スタッフがモスクへ礼拝に出払ったりしたことも。脚本の恋愛観でパキスタン側と対立したこともあった。

 助監督を務めた同専門学校マルチメディア学科副学科長の大谷内真郷(まさと)さん(30)は「文化の違いを体感しながらの制作現場は、まさに映画のテーマそのものだった」と振り返る。

 スタッフの同専門学校映像音響学科マスターコースの森瑶平さん(20)も「撮影中にパキスタン人スタッフが作ったカレーを食べた。異文化にかかわるうちに今まで知らなかった日本に暮らす外国人の問題に関心を持った」と話し、映画制作を通じて、日本側スタッフ自身もパキスタンへの理解を深めていった。

 射水市のパキスタン系中古車店は、主要取引先だったロシアの関税引き上げなどから激減しているが、大谷内さんは「この地域が経験した異文化とのかかわり合いを、映画として残すことに意味がある」と話している。