鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第1107回】 余裕があるから長期的な視点で戦略を考え、手が打てる

2014年01月11日 | 住宅コンサルタントとして
昨日は経営状態が非常に良く、ここ数年の決算も絶好調なクライアント様でのコンサルティング。

いつもそうなのですが、「目先の問題をどうするか?」ということについて、
お話をする時間は全体の30%も無いと思います。

それよりも3年、5年先の市場を予測し、その予測と自社がなりたい姿との差を確認し、
その差を埋めるために年単位でどんなことをやっていかなくてはならないか、
ということの打合せの時間が圧倒的に長いのです。

どの市場に進出するか?
どの事業に力を入れるのか?
スタッフの数はどうか?
採用を来年、再来年とどうするか?
M&Aは出来ないものか?
良い企業は無いか?

こんなことを毎回、擦り合わせをしながら、
前回、決定したことの進捗を確認し、軌道修正をするなどしています。

こうした思考で経営出来る企業は、本当に強いなぁ~、と思うのです。

住宅業界は今、衰退期真っ最中で、
街中のお肉屋さん、米屋さん、八百屋さん、服屋さんが昭和60年代に入って一気に無くなり、
大手チェーン店が市場を独占していった、あの当時と同じ現象が起こっています。

市場が大きく変わるので、これまでの発想で商売をやっていてはうまくいきません。

このクライアント様の市場では、後3年間猶予があります。
3年間は、盛況な市場のままでいると思われます。
ただ、その後は一気に市場は縮小し、ペンペン草も生えていないくらいの状況になると思われます。
ですからこの3年の中で、業態転換したり、新規出店をしたりして
経営が成り立つだけの粗利益を稼ぐ構造を変えないといけない、ということです。

4年先のことを考えて、今から手を打てているからうまく乗り越えられるのであって、
4年後の不況になってからハンドルを切ったり、アクセルを踏んでも間に合わないのです。

このお仕事をさせていただいて、9年近くになりますが、
余裕がある間に次々と手を打てる企業が乗り越えられるのだと思います。
(ここで言う余裕とは、資金的な余裕ということです。
資金的余裕がある企業が、時間的余裕を持って、全力で準備をするイメージです。
ですから、鼻歌を歌いながらラクラク仕事をするというイメージではありません)

経営とは病気と同じで、かかってからどう治すかではなく、いかに予防するかが重要なのです。

皆さんの会社は、余裕がある間に次の一手が打てていますか?
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