光山鉄道管理局・アーカイブス

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「TEZMO SYNDOROME」とクモルのはなし

2024-05-01 05:13:51 | 車輌・電車
 WEBコミックの「TEZMO SYNDOROME」の今月分が更新されたので今回はその関連の思い出ばなしなどを。

 例によって今回のはなしは本編をお読みになってから、こちらを読んだ方が良いと思いますので以下のリンクをご参照ください。
配給電車に「沼る」!TEZMO SYNDROME(テツモ・シンドローム)38話
 (それにしても、ついこの間始まったように思っていたこのマンガも38回目だったとは。ぜひ単行本を出して頂きたいと思います)

 今回題材となっているGMのキット改造品のクモル〈24)ですが、この種の配給電車はGMの改造パーツが普通の電車のキットに「その気があるならやってみてください」と言ったノリで付属していましたし、1980年代のTMSなんかでも自作やキットバッシュの作例が掲載されていたものです。

 わたしの手持ちにも配給電車に挑戦したと思しき中古モデルがあったりするのですが、あの当時のこの種の電車の一番の難関は「自走できるようにする事」だったと思います。
 運転台から後ろがフラットな荷台になっている独特の構造は、当時の動力ユニットの転用ではどうしても「荷台にモータやギアが(それも盛大に)はみ出さざるを得ず」それをどう処理するかが難題でした。上記のTMSなんかの作例ではKATOの旧式動力(103系やキハ20系に使われていた凸型形状のダイカストのユニット)を用い、上からカバーをかぶせて大荷物の運搬中に見せかける」なんていう奇策を使ったものが印象に残っています。

 そんな具合ですから読者のわたしも「Nゲージで自走できる配給電車が市販されるなど永久に来ないだろうな」とすら思っていました(汗)

 それからずっと経ってこの趣味を再開したくらいのタイミングでワールド工芸から「自走できるクモルが製品化されていた」のを知った時は驚いたのなんのって(大袈裟)

 さらに何年かして偶然から中古モデルを入手できましたが、狭いキャブの中に片側2軸のユニットをキチキチに詰め込んだ構造はプラよりも肉の薄いボディが可能なブラスモデルならではのモデル化と思ったものです(ただ、その余裕のない構造のおかげで急カーブには弱かったですが)

 さらに時代が下ってあの鉄コレからもクモルが製品化されたのにはやっぱり驚かされたものです。
 ワールドのそれよりもキャブが長いせいか動力ユニットも余裕のある構造でこちらはきちんとミニカーブが曲がれるのが有難かったですし、当時は動力ユニットが手軽に買えたので「これなら他に何かできそうだ」というイマジネーションを刺激してくれたアイテムでもありました。


 ですがそれくらいで驚くのはまだ早かった。
 その数年後に入手したワールド工芸のプラ製クモヤ22001に至っては「コンテナ3個積みが可能なフルフラット構造の電車が自走できる」レベルまで行っています。

 小型のコアレスモータを縦置きした2軸動力はNゲージとしては最小レベル(実際には同じワールドから「台車の中にモータを組み込んだN版パワートラックみたいなのまで出ており、実質それが最小と言えますが)ここまで小さいなら(牽引力を気にしなければ)クモヤやクモルの無蓋電車の製品化や製作のハードルはだいぶ低くなった事になります。

 思えば電車としては相当に曲者と言える無蓋の配給電車ですが、その動力化の軌跡はそのまんまNゲージの動力の進化の歴史と言えます。
 というか「まさかここまで進化するとは思わなかった」というのが正直なところですね(汗)

 さて、クモルについてはそんなところですが、今回のコミックでは風奈と高嶋先輩が「スマホで通話(つまりおしゃべり)しながらモデルを組み立てている」リモートの描写に時代を感じました。インドア趣味の極北ともいえる鉄道模型の車両工作を「おしゃべりしながらやっている」というのは一面でかつてのモデラーの夢のひとつの実現かもしれません。

 尤も、わたし個人はこういうのは面白いと思いつつも「気が散りそうだから実行できない」とは思うのですが。


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