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光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
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趣味の原点を振り返る 江ノ電300とリファレンスのはなし

2019-12-21 05:27:54 | 趣味の原点をふり返る
 前回の宮沢模型のBタンクは16番モデルや小型機関車のリファレンスとなったモデルですが、今回紹介するのは15年前に鉄道模型の趣味を再開した時のリファレンスのはなしです。

 15年前、ちょっとしたきっかけから鉄道模型の趣味を再開することになった時は中断前と異なり最初からレイアウトを自分で作る事を目標に据えていました。
 ただ、今とは異なり目標としていたのはNゲージでも「ごく小型の電車が主体のレイアウト」というもので最急曲線は当時最も小径だったユニトラックの216R。それらに対応できる小型車両のラインアップはKATOやTOMIXでもそう多くはなく、作る前から不安を感じていたのも確かです。

 ましてやその前の20年のブランクの間にNゲージの動力がどの程度進歩していたかは全くの未知数。
 中断前に持っていた車両は幹線級の20M級編成でも当時の16番に比べると「とりあえず走ります」といったレベルにとどまっていましたし、ましてや小型車両のナインスケールのDCやアーノルドのT2はスローの性能が今ひとつどころかいま三つくらいでした。
(実はこの点も20年の中断の遠因になっていたのですが)

 ですから21世紀のモデルの走行性がどれだけのレベルなのか、とにかくひと編成入手して確かめる必要がありました。
 そんな折にショップに入荷していたのがMODEMOの江ノ電300、いわゆる「チョコ電」仕様でした。

 MODEMO、すなわち「長谷川製作所の鉄道模型」は趣味の中断前にはまだなかったブランドでしたが「小型車両で2車体の連接車」と言うのは当時のメジャーどころでも製品化されていない変わり種中の変わり種に映りました。
 ですがこれの走りが実用に耐えるものだったら、レイアウトの先行きはかなり明るくなります。

 当時の乏しい予算を割いていわばサンプルの積りでひと編成入手。急カーブや勾配などを試してみました。線路もパワーパックも中古品とはいえ21世紀の水準品でしたからチェック自体は可能です。

 で、走行させてみて驚いたのがスローの性能の良さ!流石に人が歩く位のレベルは難しくとも小走りくらいのスローが実にスムーズだったのには驚かされました。しかも連接車ゆえにカーブに強く、離れた二つの台車から集電するため安定性も予想以上だったのです。
 これならレイアウトも行ける!

 この車両が呼び水となりレイアウトの着工にGOサインが出せた訳です。
 以後もMODEMOを始め直後に登場した鉄コレの小型車両などが順次増備され私の第一号のレイアウトは完成、小型車が行き交う運転を楽しむ事が出来るようになりました。

 ですからもしこの300の走りが悪かったら最初のレイアウトの着工自体が無かったかもしれません。そればかりか、江ノ電300は以後入線する車両の走りを判断する基準(リファレンス)として私の中で地位を占める事になりました。

 それにしても驚かされたのは中断中の20年の間にNゲージはこんな小型車両ですらスローを語れるレベルまで腕を上げていた事です。
 この事が以後、幹線級の編成物の導入もNゲージで行く事の原動力になったのは間違いありません。

 そういう意味ではMODEMOの江ノ電300は私の趣味の中で大きな意味を持っていたと言えます。