goo blog サービス終了のお知らせ 

光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

「テツドウモケイの買い物」で思うこと

2012-07-25 06:47:48 | 思いつくままに・考察
<body bgcolor="#F1FCDA">






 






トップページ レイアウト・モジュール 車両紹介リンク
思い出の書籍 ふと思うこと 趣味の思い出 更新履歴




 今回は買い物をしていてふと思ったことから。

 「鉄道模型を買う」といえば私がこの趣味に入った昭和50年前後の頃は99パーセントが「町内の模型屋さん」での購入を指していました。
 あの当時は科学教材社が「工作ガイドブック」という「有料の通販カタログ」みたいなのを出していたので「通販」という概念はあったのですが、在庫検索に手間がかかること(全てが郵便でのやり取りですから無理はないのですが)商品代のほかに送料がかかることなどの問題があり(当時は安売り店というものはありませんでした)あまり一般的な購入法とは言えなかったと思います。

 今は通販も花盛りで昔の製品などもオクを使う事であの頃に比べると飛躍的に鉄道模型の入手はしやすくなっていると思います。
 ですが私の場合、不思議なことにこれらの入手法は「どうしてもという場合の最終手段」という位置づけになってしまっています。

 私の現住地は模型店は一軒だけ。専門店はクルマで片道30分はかかる(しかも田舎の信号もそんなにないルートで)という環境にあります。
 中古ショップは比率から言えば他の地域より多い方なので救われていますが、それでも秋葉並みというわけにはいきません。

 これほど不便な環境ならば通販をもっと活用しそうなものですが、なかなかそうしないのが不思議なところです。

 更に不思議なのはたとえば、これが子供の玩具とか家族の聴きたがっているCDとかなら実にためらわずに通販を使っていることです。
 自分にそれほど興味のないものならあっさりとネット通販にしてしまう訳ですからやり方が分からないとか利便性を理解していないという訳でもないようです。

 これは思うにいつのまにか「趣味の品は足で買う」という習慣がいつの間にか染み付いてしまっている事と関係ありそうです。

 鉄道模型とはかつては家から出ないインドア趣味の極北とされてきました。それがNゲージの普及による一般化をきっかけに安売り店の出現、中古おショップの全国展開化などがすすみ、買い物ひとつとっても「外へ飛び出したほうが実りが多い」状態になってきたように思います。
 もちろん同じ事はネット通販でも可能ですがそこに感じるのは「情報で買う」という感覚であり、外で買う場合の「出会いを買う」「手にとって買う」というアナログな要素が著しく不足しているように感じます。
 新製品の場合もこれは同じ事で写真やスペックという情報だけに頼って高額なモデルを盲買いするのには幾分不安を感じることもあります。
 
 そこで思い出したのが寺田寅彦が「丸善と三越」という随筆で三越での買い物について書いていた以下の一節です。

「~食堂のほかには食品を販売する部が階下にある。人によると近所の店屋で得られると同じかんづめなどを、わざわざここまで買いに来るということである。買い物という行為を単に物質的にのみ解釈して、こういう人を一概に愚弄する人があるが、自分はそれは少し無理だと思っている」

 なんとなくこの心理は私にも少し当てはまりそうです。
 趣味の買い物という行為には「探索」「探検」という側面もあると思います。これは自分の足を駆使して得られる快感ではないかと思います。
 最近新設されている郊外型のショッピングモールの大半が「客を歩かせる・回遊させる」ことでその楽しみを味わわせる演出をしている事でもこの仮説は裏書きされます。

 古くから存在する銀座のような繁華街では「銀ブラ」という趣味が成立する程にそうした「探索性」が維持されている事で一層栄えてきたのではないかと思えます。

 ましてや秋葉原のようにジャンルの専門性が高いところに「歩き回ることで掘り出し物を見つける楽しみ」がある一角ではこれはなお更でしょう。



 これは家から一歩も出ずにネット上での情報のやり取りだけで行うネットサーフィンでは不可能な事だと思います。
 あくまで肉体を使った探索であることが重要ですから

 この心理は中古ショップなどに見え始めている「鉄道模型の骨董化」も関係あると思います。骨董品ほどネット通販やネットオクに向いていないジャンルはありません。
(写真は本題とは関係ありません)

2


 今住んでいる所や故郷が田舎という事もあるのですが、うちの近所で鉄道模型を買える店というのは未だに個人経営の小売店が中心です。
 それぞれの店にご店主の個性や知識が反映した良い意味での「市井の店」という感じが残っていて懐かしい感じすらします。
 実際、他の業種ではこういう感じは急速に希薄になりました。特に郊外型のショッピングセンターやコンビニが普及してからはそうです。

 模型やホビー系の店では売る側に要求される知識も半端ではありませんし、それらの教育にかかる人件コストも照らし合わせると量販店がなかなか普及しないのも少しわかる気もします。

 ですが私がこの趣味に入った前後数年間の期間ですが鉄道模型はそうした店とは別に買う事ができる所がありました。

 それは地元の老舗デパートです。

 あの頃は鉄道模型も切手やコインと同様の「高級ホビー」のひとつと看做されていましたし、実際古切手やコインなどのコーナーが存在していましたからそれらの延長で鉄道模型、それも扱いがしやすいNゲージがデパートに並ぶという事が今ほど不自然ではなかったと言えます。
 今思い出しましたが(汗)最初の頃のナインスケール=BACHMANNのストラクチャーやアクセサリは殆どデパートで買った記憶があります。
 (それらの大半が今になってうちのレイアウトで街並みの一部になっているのですから何事も続けてみる物ですねw)

 そういえば折に触れて取り上げている「エンドウのNゲージのEF58」も購入したのは名古屋の三越でした。
 あるいはファーラーのカタログが高崎の高島屋で買えたり、GMの80年版カタログが山形の酒田の駅前デパートで買えたというのもこの頃の特徴だったと思います。

 その後、東京近辺では例えば西武池袋店の「しぐなるはうす」なんかの様に昭和60年代になっても鉄道模型のコーナーが存続していた(ここ10年位池袋にご無沙汰していますが今でもありますか?)所もありますし今でも私鉄系のデパートでは自社のモデルを中心に鉄道模型を扱う所もあると思います。
 ですが地方の百貨店ではそれ以前に殆どの店が鉄道模型の扱いをやめてしまいました。
 ほぼ同じタイミングで切手やコインのコーナーもなくなった筈なので一人鉄道模型に留まらず「高級ホビーをデパートで買う」という習慣自体がこの頃に消滅した気がします。
 それは同時に、地方に於いてデパートとスーパーの境目が曖昧になり、結果として「見た目だけが華やかでその実全ての商品が画一化した郊外型のショッピングモール」に客の大半が流れ込み古くからの商店街が壊滅するという現象と表裏一体をなしている気がします。

 因みに今の私の生活圏では未だにホビー系の量販店と言う物がありません。
 ヤマダ電機はあってもそこらの模型屋より品揃えが薄かったりしますしトイザラスも先頃撤退してしまいましたので現住地は鉄道模型を別とすればホビーの不毛地帯となりつつあります。
 まあ、こんな田舎で量販店がペイできるとは(この地域の県民性と併せて考えると)思えないのも確かですが。



3

 鉄道模型の買い物に絡んで思うことから。
 秋葉原や新宿西口はモデルの新品や中古を問わず買い出しの定番となっている地域であります(実はここの他にもいくつかそれに近い性格の街が出てきているのですが)

 大都会のメリットと言いますか、マニアや変態(笑)の数が田舎に比べて多いのに加えて都会の特徴である「異質な趣味に対する許容度の高さ」が高いのでここへ出かければ何かしら見つけものや発見があるというモチベーションを与えてくれる事で遠いにもかかわらず年に何回かそこを覗きに行く事になります。

(この点、ジャンルは違うのですが過去に折角企画されていたコスプレイベントをたった一通のクレームで急遽中止してしまった何処かの県とは大きな体質の違いと「差」を感じてしまいます)

 実際、鉄道模型に限定しても安価な買い物のできる量販店と掘り出し物の確率の高い中古ショップ、外国製品の専門店や、専門書の漁れる古書店がひとつの街に複数あるポイントと言うのはそう多くはないですし、それゆえに多少遠くても確実に客を集めている側面もあると思えます。
 してみるとこうした街はそれ自体が聖地というか聖域みたいなもので相互の店の競争と個性の発露の積み重ねで聖性を身に着けているとも言えます。

 尤も同じ聖地でも天●堂のある銀座、ホビセンのあった落合南長崎は多少様相が異なりますが。

 私の故郷にある某中古ショップなどはこの種のショップとしては異例な事に周囲の商店街との一体感と共に成り立っていると感じられる点で「銀座の一部」として機能している天賞堂のそれに近い物を感じます。

 その点で落合南長崎の場合は聖地としての性質は高いものの周囲は住宅地で商店街とのつながりが薄く、どうかすると隣のアパートに住んでいる人間でもここが何の店かわからない可能性もありそうです(笑)尤も今の歌舞伎町の仮店舗ではさすがにそんなこともないでしょうが。

 さて、そういうのとは別個に地方には地方なりの「聖地」に相当する店があるケースもあります。

 私の行きつけのショップなんかもそういうのに該当しそうですが、都会の店に負けない品揃えと新製品の予約のしやすさを持ち(大概その地域唯一の)レンタルレイアウトが併設されている。また、地元のクラブなどとの連携も図っていたり一般人も集まるイベントなどでも積極的に鉄道模型をアピールする姿勢を持っているという特徴があると思います。

 更に不思議なことにこういう店は街の中心街にドンど構えているケースは少なく、むしろ田んぼの真ん中とか線路も通っていない山の中(笑)などにあるケースも多いように見受けられます。見様によっては地理的なハンデを積極的な努力とアピールをすることで聖地としての地位を掴み取っている印象すら受けます。

 こういう聖地の存在は田舎暮らしには非常に頼もしいものがあります。

 性質こそ違うもののこうした二通りの聖地が存在しうるというのは趣味の上では非常にありがたい事には相違ありません。どちらを覗いても何かしらの発見があり見つけ物があり、充実感を与えてくれる存在(たとえ何も買えなくとも)であるという点でかけがえのないものでもあるといえます。

 最近は地方でもネットの普及でこうした店や地域に行かなくともそれに近い買い物や情報収集、交流は可能になってきました。
 ですがネットだけの間接的なアプローチでは「空気」を「肌で感じる」事が出来ません。
 私にしてからが、秋葉原や地元の聖地に行ってみて初めてそれを感じたくらいですから。その意味では田舎暮らしのファンでもできれば一度はこの手の聖地巡りをしてみるというのは結構有意義なことではないかと思います(尤も、ジャンルのネガティブな部分を見させられてしまうリスクも大きかったりしますが)

 もちろん、逆に都会のファンが上述の「田舎の聖地」を覗いてみるのも新鮮な発見が得られるものと思います。


 HPです。レイアウトの項で「モジュール」をオープンしました。
光山鉄道管理局

にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道模型へにほんブログ村
にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道模型 レイアウト製作へにほんブログ村

現在参加中です。気に入ったり参考になったらクリックをお願いします。

【11/18】goo blogサービス終了のお知らせ
【PR】ドコモのサブスク【GOLF me!】初月無料
【コメント募集中】goo blogでの思い出は?
「#gooblog引越し」で体験談を募集中

アクセス状況

アクセスアクセス
閲覧 876 PV UP!
訪問者 311 IP UP!
トータルトータル
閲覧 4,976,162 PV 
訪問者 1,393,206 IP 
ランキングランキング
日別 1,534 UP!
週別 1,564 UP!

プロフィール

プロフィール画像
自己紹介
 鉄道模型レイアウト、光山市とは作者の故郷や現住地、憧れの場所等のイメージごった煮に作り上げた架空の都市名であります。
 レイアウトも基本的には「光山市内のどこか」のモデル化としています。

カレンダー

2012年7月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

バックナンバー