2010年冬・アニメ最終回の感想文その1

2009-12-26 00:57:43 | 2009年秋アニメ関連

 さて皆様、いよいよ年末になり秋に始まったアニメも最終回を迎えるに至りました。視聴が終わっていないアニメも多いですが最終回ラッシュは止まりません。今回は「けんぷファー」「にゃんこい!」の最終回を視聴したのでそちらの感想を書いてみたいと思います。

Kenpufa3 Kenpufa4 「けんぷファー」…メディアファクトリー・MF文庫Jで刊行されている、築地俊彦のライトノベル「けんぷファー」のアニメ化作品で、アニメ制作はNOMADです。この作品からTBSが地上波放映のサイドカットをやめたため16:9のワイドで放映されています。秋に放映が開始された深夜アニメで一番最初に始まったこの作品の第1話は、いきなり美少女が銃を撃ってきて地雷な雰囲気を出しつつ、「ドラえもん」のしずかちゃんや「サザエさん」でワカメちゃんを演じていた声優野沢道子が出演していたりして話題になっていました。

 第1話からかなり視聴者おいてきぼり展開だったため危険かと思っていましたが案の定2話以降も支離滅裂な展開で、しかも戦ったのは最初だけで中盤以降はあまり戦わずにラブコメ要素が強くなっていました。しかしバトルがあるアニメなのに戦わない話のほうが面白かったです。

 作画に関しては最初から最後まで安定していたと思います。しかしバトル演出に関しては非常にショボかったので純粋にキャラ萌えアニメとして視聴したほうがいいと思いました。

Kenpufa5 キャラクターに関してはヒロインの沙倉楓が一番評判が悪く、主人公が男と女のときで性格が180°変わるためさらに拍車をかけていました。代わりに1話で出てきたときはあまり人気が無かった黒髪ロングの生徒会長三郷雫が学園祭以降人気が急上昇して最後にはメインヒロインとまで呼ばれていて、自分も正直なところ生徒会長がいなかったら3話で切っていました。

 あと声優に関してこの作品はなかなか印象的で、特に臓物アニマルの声が前述の野沢道子に加え、夫の内海賢二、他にも田村ゆかりに水樹奈々、能登麻美子と異様に豪華でした。

Kenpufa6 結局のところキャラクターはそれなりに良かったんですが、シナリオが猛烈に悪く最後の最後でけんぷファー同士が戦う理由は明かされましたが、謎の第3勢力白のけんぷファーはあれだけ存在を引っ張っておいて最後の30秒たらずでいきなり負けてその後何事も無く撤退して終わり、BGMに臓物アニマル達の「喜びの歌」が流れるという意味不明投げっぱなしENDでもう不評とか以前に飽きられていました。しかし思ったほど実況などが荒れなかったのは最初から期待されていなかったからとまで言われていて涙目。実際自分も期待していませんでしたが、最終話の番外編は本編を上回るさらにメチャクチャな話で面白いとかそういうのを超越していたので見ていて頭が痛くなりました。

 エンディングの超絶腰振りで毎週腰をおかしくしつつ、会長だけ目当てで結局最初から最後まで視聴してしまいました。作品としてはどうしようもないレベルでしたが生徒会長のキスシーンのエロさだけはハンパでは無かったためそこだけ録画して保存しときました。不作が多い秋アニメの中でもワースト1位を取りかねない恐ろしい作品だったと思います。

Nyankoi5 Nyankoi6 「にゃんこい!」…ウェブコミック誌FlexComicsブラッドで連載されている、藤原里の漫画「にゃんこい!」のアニメ化作品で、アニメ制作はAICです。「ヒャッコ」のヒット以来2作目となるFlexComicsのアニメ化作品ということで期待されていたこの作品の第1話は、よく動いていたし話のテンポも良くて面白く、最後に小林ゆう画伯が描いた猫のインパクトが絶大でした。

 2話以降は新キャラクターが出つつ主人公が色々な猫の悩みを解決していく話が続いていましたが、やはり面白い!変に難しい設定も無いため何も考えずに見ることができ、話のテンポもキャラクターもいいしオープニングとエンディングも作品に合っていたし素晴らしかったです。ネットとかでも評判は良く秋アニメの中でも5本の指に入ると言われていました。そして6話でついにツインテール姉妹が出てきてここで人気は最高潮に達した気がします。戸松遥の2役もすごい合っていたしオープニングの可愛さ通りでした。

 このノリで行けば秋はもちろん今年のアニメでもいいところまで行きそうだったんですがそこで水を差す出来事があり、絵コンテ・演出にワタナベシンイチが関わった回で本人が登場したオリジナル回以降、オリジナルの話はほぼ全て評判が悪く、特に魔法少女の話ではてっきり夢オチかと思うほど原作改変してしまっていてお世辞にも面白いとは言い難かったので非常に残念でした。

Nyankoi7 最終話ではCMのアイキャッチで「2期…無い」と言って、最後に手紙で「2期おめでとう」と言い、終わる寸前にタマが「2期はあるのか?」と言って終わってしまったため思いっきり視聴者は困惑したままでした。あれはちょっとひどいと思います。そしてツイッターに載っていた某関係者からの話によるとBDとDVDの売り上げが良ければ2期を作り、売れなければそのまま終わりだそうで、まさに現在のアニメ事情を象徴するような中途半端な終わりでした。

 全体的に見れば作画も最初から最後まで、特に最後は良かったし、オリジナル回以外は面白かったし主題歌も良かったです。不作が多い秋アニメの中で数少ない良作でした。