高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

見学、研修、相談

2007年05月15日 02時57分45秒 | 後継者育成

ゴールデンウィークを過ぎてから、毎日のように見学者や同業者の研修が遣ってくる。「萬相談申し込み所」と看板を掲げようか?と思うほどである。昨日も、今年、別府の竹の職業訓練校を卒業して、これから本格的な「竹細工の職人」を目指している、大分県の工芸試験所の研修生一行が見学にやって来た。

Cimg4204 私の所の経営形態は竹細工の中でも一種独特の経営形態をとっている。従業員というのはごく僅かしかいない。作品を作ってくれる職人さん達との関係は、師弟関係ではあるが、「独立した個人の仕入れ先」という言わば、協同組合的な経営形態である。

従業員では無いので、勤務時間もない。それぞれが自分の仕事の流れの中で工房にやってきては全員が別々の作業をしている。「分業してみんなで一つの作品を大量に生産する」という事はしない。私が一人、一人に技術指導していき職人として育てているのだ。将来独立するために私の所で技術を学んでいるものも居れば、ずーと、力が続く限り私の所に作品を納入していこうと考えている人も居れば、家庭の主婦だが、副業で竹細工をしている人も居る。実に多種多様な人たちが入れ替わり、出入りしているのである。

「昔の徒弟制度を現代に当てはまる様に再構築した師弟関係。」「労使の関係でなく、独立した職人同士の協同組合」なんとなく、こんなニュアンスなのだろうか?考えてみると30前に学生から初めて社会に出た時、「孫 時英」師匠から教え込まれた事だったのだ。レストランと竹細工と職種は違うのであるが、師匠から教わった事を自分なりに租借して、自分なりの表現で、新しい経営としてやっているが、根本はまったく同じである。

Cimg4206昨日見学に来た皆さんも、厳しい職人の世界を目指しているのですが、どの世界も一緒、自分で遣っただけのことしか戻ってこない。表面に現われる事には浮き沈みもあるが、蓄積されていく技術や感性は、本人が遣った分だけ 身になっていくし、いつか必ず芽を出してくれます。

頑張って下さい。

竹工房オンセ

コメント (1)
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親子三代のお付合い  4

2007年05月15日 02時05分30秒 | 友人

農業の副業として選んだのが竹細工である。陶芸でも、木工でも何でも良かった。たまたま、農業をしようと購入した土地が大分県の安心院町であり、近くに別府竹細工の職業訓練校があっただけの事だ。竹の学校に通いながら今すんでいる家を建てはじめた。これは以前の私のブログでhttp://once.blog.ocn.ne.jp/ajimu/cat5425737/index.html 紹介している。

20070513122738 話がドンドンそれていくが、5年ほど前、私の家の前にトラピストの修道院ができた。その修道院の顧問の神父様に岡神父様という方が住み込んでこられた。内観道場を教える方で、神父様なんだがとても庶民的、たまに私の家に来ては一緒にお酒を飲む。何と、その岡神父様が恵文さんの尊敬する人だったのだ。岡神父様に連れられて一緒にイスラエルの巡礼にも行ったそうだ。

退職して、10数年会うことはめったになく、(結婚式の時に来て貰ったくらい)初めて、恵文さんに大分県の山の中の私の家に来て貰った。岡神父様との偶然の出会い、彼と神父様と私の不思議なご縁を感じずにはいられない。「世の中、偶然はない、起きてしまった事は必ず必要だったのだ」と、いつも思う。

また、今度世代を超えて、彼の娘の「楓子」ちゃんからイタリア行きの通訳の申し入れ、この子とも、これからどんな形で関わっていくのか30年後を楽しみにしたい。      

しかし、今回のシリーズはどこへ話が行くのか判らないシリーズになってしまった。

竹工房オンセ

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