亀の歩み…

今日の名古屋は完全に夏だった。

家の中はすべての窓を開けても28度まで上がった。陽当たりの良い場所では30度以上の体感温度のところもあったと思う。週明けからは気温も下がり、徐々に例年に近づいていく予想だが、今後これが標準化した陽気になるんだろうなという気もする。消費で言えば、冷夏と暖冬は低迷につながる。生活するには過ごしやすくてありがたいけれど、商売している身からすると、やはり冬は冷えてもらわないと困る。可能な限りの工夫をして備えるくらしかできないが、やれることはやり、後はなるようにしかならないだろう…。

思えばコロナが終わると同時にいろんなものがやってきた。一時はリベンジ特需があるのではないかと期待もしたが、蓋を開けてみればロシアが戦争を始め、ガソリンや電気やガスなどのエネルギーが値上がり始めた。同時に円安に向かい、その後は食品を始め、様々なものが値上がり続けた。そんな危機感からか、一部の富裕層が一時的に高級品に群がっただけで消費が活発になることはなかった。移動規制が無くなったので、国の支援の後押しもあり国内旅行は盛況を迎えたが、円安や航空券の高止まりで海外旅行はコロナ前の半分程度しか戻っていない。今後は物価上昇の長いトンネルに入り、消費が上向きになるのは難しいだろうと思う。

そんな中で、残りまだ2か月があるけれど、コロナ前と比べての売り上げ率を算出してみた。

79,4％。

８割を切っていた。落胆…。
このままいくと暖冬傾向で低迷するだろうから、75％で止まれば御の字かもしれない。いや70くらいか…。

先日話をしたデキる同業者の知人は催事を手広く広げて、すでに125％とコロナ禍前を上回っているとか…。やはり努力家は違うなと思う。5つ年上だが常に前向きでフットワークも軽い。いつ休んでいるのかわからないくらい仕事していて、でも年初めに定めた数字は何としてでもクリアしていくそうで、その意気込みには尻込みしてしまうほど…。決して悪い人ではないが、こういう超ポジティブな人と話をすると、自分の至らなさや無力さを再確認させられるようで落ち込んでくる。「お前はまだ若いんだからもっと頭を使え、体を動かせ！でないと、うちらみたいなのは生き残っていけないんだよ…」と無言の圧力で迫ってくる、ような感じがする。こういう人はDNAの中に、なにか麻薬成分のようなものが含まれていて動いていないと死んじゃうのではないかと思ったり…。だから無意識のうちに避けてしまう。決して悪い人ではないんだけれど、ただ人間性が大きく違うんだと思う。

出来ないものは、仕方がない…。

亀の歩みで行くしかない。