ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

中国紀行 その3

2008-10-30 18:33:11 | 旅行(海外)
中国、最後の目的地は、山西省の平遥(ピンヤオ)というところ。
再び列車の切符を買いに北京駅へ。しかし、今回2度目の没有
(ないよ)であった。硬臥も軟臥もである。やはり、まだ中国は
そこまで楽をさせてはくれないのであった。
そこで、まず山西省の省都、太原(タイユアン)まで列車で行き、
そこからバスでアクセスすることにする。太原(タイユアン)は
西安など、西へ行く列車の通過点なので列車の本数も多い。
案の定、翌日の硬臥下段149元(約2,080円)を見事ゲット。

そして翌朝、山西省、太原に到着。
すぐに駅前から路線バスに乗り長距離バスターミナルへ…。今、振り返ると
我ながらセコイと思ってしまうのだが、北京ダックなんぞを食べている
くせに、こういうところを未だタクシーに乗れないのである。昔取った杵柄
というのは、案外、根が深いのかもしれない…。
長距離バスターミナルからバスに乗り、およそ2時間。目的地、平遥
(ピンヤオ)に到着である。

山西省の平遥(ピンヤオ)。ここは平遥古城とも呼ばれ14世紀、明代始めに
造営された町が城壁の中にそのまま残っていて、修復しながら未だ人々が
普通に暮らしている場所である。世界遺産に登録されながらも、朽ち果てている
建物も多くもったいない気もするが、それがまた、作られたテーマパークとは
異なりリアルな趣が感じられて素晴しかった。

街の人々は、主に観光業で生活の糧を得ており、城壁内には土産屋や食堂、
カフェ、そして宿が溢れている。しかし、中国人観光客が連日大量に訪れるため、
かなり騒々しいのが難点である。おそらく今、中国国内の観光地は、どこも
同じようなものなのだろうが…。これも経済成長がもたらしたひとつの現象である。

周囲6キロにも及ぶ城壁内は、思いのほか広いのでここでもレンタルサイクル
が大活躍である。600年以上前の街並みを自転車で走るのは、何ともいえない
気分であった。肥溜めの汚物を運ぶロバや練炭を運ぶ荷馬車が、街の風景に
これほどマッチしたところもなかなかないような気がする。これで、騒々しい
中国人さえいなければ…と何度思ったことだろう。
(よその国からやって来て、大変失礼な話しだが…)

またこの街の公衆トイレは、さすがに世界遺産に登録されているだけ
あって北京のそれよりもきれいであった。扉もちゃんと付いていた。
トイレと言えば、ここに来る途中の太原のバスターミナルでのこと。
「ここもきっと改善されて、きれいなんだろう…」と高を括って入ると、
そこにあった光景は、5人がしゃがみ込み、顔をこちらに向けて
一列に大をしている姿が…そこには、扉も壁もさえぎる物は何もなく、
ただ穴だけがある中国伝統のトイレであった。

やはり、まだまだ地方では健在なのであった。

沿岸部と内陸の格差などと言われて、すでに10年以上が経っている。
現在、その格差は広がる一方で、都市部ではすでに先進国並みの収入を
得ている人々も多い。今回、とあるハルピンの理容店の求人広告には、
理容助手、月額500元+実績というような張り紙があった。また、
山西省の太原では、地元資本の大きなホテルの求人に、服務員月額
980元、技術工員1300元、副経理1800元~などというものもあった。

ちなみにこの時、1万円がおよそ700元である。

どこの国にも格差は存在する。と言ってしまえばそれまでだが、
中国のそれは、他の途上国と比べても、やはりちょっと深刻なようである。
しかし数字での格差は、案外実感が持てないものである。本来は生活自体
(物質的なものや人々の持つ情報量など)を見比べて考えれば、そこには
さらに大きな格差が存在するはずである。

まあ、そんなことより、8日間という短い日程でしかも、そのうち3泊が
車中泊というちょっと大人気ない旅行だったが、楽しかったな。

やっぱり旅はいいなー。夜行列車での移動は、特に昔を思い出させてくれる。
今では、どこでも熟睡できるようになったが、旅を始めたばかりの10代
後半の頃は、不安で怖くてほとんど寝れなかったな。

旅はやはり移動することだと思っている。ひとつの街に長期滞在して
どんなに、他の旅行者とつるもうが、移動だけは絶対にひとりですべきである。
言葉の通じない国で、切符を買い乗り物に乗る。現地人に囲まれて移動し、
目的地に着くと、道に迷いながら、時には人に道を聞きながらホテルを探す。
この間に、親切を受けたり、ボラれたり様々なトラブルに合うものである。

しかし、この時の不安や恐怖感や心細さを乗り超えた時、少しだけ
自分自身が強くなれたような気がするのである。だからひとりで日本を
出たら、一人で行けと言いたい。だからといって複数で旅をすることを
否定するわけではないけれど。あくまでもひとり旅の話だ。

話しがそれたが、さて次回は何処へ行こう?

やっぱり北朝鮮かな…?

おわり…




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