ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

近道…

2008-08-27 18:23:39 | 時事(海外)
ロシアがグルジア領内にあった南オセチアとアブハジアの独立を
承認した。到底、国連では承認されず、おそらく親ロシアの一部の国々
の間でしか認められないだろうが、この問題は、欧米諸国とロシアが
再び冷戦時代に逆戻りし始めた感じのする出来事である。

このところ自国の周辺をNATO加盟国に包囲されつつあったロシア
としては面白くなかったに違いない。国境の西側にあるバルト3国や
ポーランドにはすでに手出しができなくなっており、このうえ、
南にあるウクライナやグルジアまでとなっては、ロシアにとっては、
まさに八方塞がりである。

かつての大国としてのプライドなのか、国民のナショナリズムの
高まりに講じての政策転換なのか、このところのロシアはやけに
強気である。

「世の中にブスはいない、ウォッカが足りないだけだ」
「シベリアでは400キロは距離ではない、マイナス40度は
寒さではない、プラス40度は暑さではない、ウォッカ4本は
酒ではない」

ウォッカをこよなく愛し、ジョークに長け、人情に厚く、話好き、
上記のような面白おかしい小咄ネタならいくつも話せる。
ロシア語の同時通訳だった故米原麻里に言わせると、これが一般的な
ロシア人のイメージだという。

多くの日本人のイメージするロシア人像とは随分かけ離れている
ような気がする。逆に言えば、我々がいかにロシア人を知らない、
ということでもある。

物事の本質を見極めるのは案外難しいことである。今回のグルジア
との件も見方を変えればロシアの言い分にも一利あるようにも
理解できる。米国を筆頭とする西側諸国の言い分が、常に無条件に
正義であるとは限らない。それはどこの国々も基本的には自国の利益に
基づいて行動しているからに他ならないからである。

「歴史は繰り返される」というが、グルジアはかつて、ロシア革命後の
1918年にロシアから独立を宣言し、わずかな期間だがロシアから離脱した
経緯がある。その後、すぐに赤軍に包囲されソビエトに編入されたが…。
そして1991年にソビエト崩壊に伴い、再びグルジアは独立した。
17年後の今年、形は違うがやはりロシアに2つの地域を奪われる
こととなり、見事、歴史は繰り返されたのである。

この出来事で、我々日本人のロシア人に対するイメージはさらに
悪いものとなってしまったような気がする。ひとり一人は良い人
でも、それがひとつの集団となり組織や国家という枠組みになると
また、違った顔を持つようになるのは致し方ないのかもしれないが…。

ウォッカを飲みながら事態の打開を話し合う…

これがロシア人と分かり合える一番の近道なのかもしれない。


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