はぐれ遍路のひとりごと

観ながら歩く年寄りのグダグダ紀行

遠州三山初詣ウォーク

2012-02-07 11:26:38 | 寺社遍路
場   所:静岡県袋井市
歩行月日:2012/01/05
歩行データ: コースタイム
  愛野駅-0:50-法多山-0:55-愛野公園-1:00-油山寺-0:20-千鳥池-0:50-可睡斎-1:00-袋井駅-0:45-愛野駅

 歩行時間:5時間40分 休憩時間:1時間30分 延時間:7時間10分
 出発時間:7時50分  到着時間:15時00分
 歩数:37,500歩 歩幅推測:0,77m 距離推測:28.9km (GPS距離 27.9km)

愛野駅~油山寺
 遠州三山とは、静岡県袋井市の郊外にある遠江国(遠州)の三古刹、法多山、油山寺、可睡斎を指します。この遠州三山は静岡県の中でも人気の寺で初詣ともなると地元袋井は勿論、静岡県西部地方や中部地方からも参詣客が集まることで有名です。
今年の初詣ウォークはこの遠州三山を巡ることにしました。

 正月の三日間は酒浸りの日を過ごしたが、昨日の4日は酒を断ち今日に備えました。
朝まだ暗いうちに家を出て自転車で駅に向かう。今年もこんな事を何回繰り返すことやら、自分でも呆れてしまいます。

 小さな町(袋井市愛野)の大きな愛埜駅に降りたのは数人だった。2回もエスカレータに乗り南口に出るのだが、こんな長いエスカレータは静岡県の駅では他に無いだろう。それなのにこの愛野駅に人が溢れるほど集まるのは年何回あるのか、きっと数えるほどしかないだろう。
月の平均乗降客が2500人程度なのに何故こんな立派な駅があるか。それはこの駅から歩いて15分の高台に「静岡県小笠山総合運動場公園エコパ」があるからです。
2002 FIFAワールドカップの試合会場として手を挙げ、2011年に完成したエコパは、ワールドカップでは3試合が行われたが、その後のサーカー熱の低迷もあり毎年巨大な赤字を生んでいるようです。
オッと正月早々には適さない話題でした。止めましょう。

  
  愛野駅                             動く歩道

 愛野駅を南口を降りて高台に見えるエコパスタジアムを目指して歩く。途中にエスカレータのような乗り物がある。近づいてみるとエスカレターのように階段が動くのではなく、平らな面が動いていた。これは楽チンだと早速乗ってしまった。
これからウォーキングに行く人間が何という事だ。と反省しして乗り物の中を歩く私でした。
 さすがエコパスタジアムは大きい。少し高台にあるので余計他を圧倒しているように見えた。中を覗くことができるかと階段を登り入り口まで行ったが、まだ閉まっていて中を見ることは出来なかった。

  
  エコパスタジアム(正面)                   エコパスタジアム南側より

 最初の目的地法多山はこのエコパの南側の山中にある。道はエコパ正面から右手に回り山の上に伸びる階段を登るのだが、階段には表示は無かった。ただ途中にエコパの南駐車場があるのでそこに向かえばよく、階段を登りだしたら左へ左へと登って行けば南駐車場に出る。南駐車場の先には舗装された車道が走っているので、その道を左に下って行けばよい。
途中に1週間前歩き納めで歩いたとき確認した「ビオソープ」の標識の横を下って行くと左右に駐車場が出始めた。この辺りの駐車場は舗装もされていず臨時的に営業するような感じの駐車場だった。今は1年で一番の掻き入れ時の初詣なのに車は1台も止まっていない。時間が早すぎるのだろうか。

 参道の門前町に近づくと駐車場は舗装をされ常時営業の感がある。だが料金が先にあった駐車場は300円なのに、ここでは500円になっていた。だがすでに何台かの車が停まっていた。
遠州三山の中でも一番参拝客が多いのは法多山と言われているが、まだ時間も8時30分前で、しかも三が日も過ぎているせいか参拝者は少なかった。


  
  法多山山門                          法多山本堂

 本堂前の境内の広場にも参拝客はチラホラ程度で、その中に一人リュック姿の如何にもウォーキングといった格好は私一人だった。
本堂にお参りしたあと、法多山名物の「厄除け団子」を購入。1箱500円で箱の中には細長い白い餅を5本並べ、1本づつ楊枝より少し長い棒で挿してある。その餅の上に赤茶色の餡子がべったりついていて、その塊が4ッ(?)入っていた。(写真を撮ればよかった) 餡の甘さはサッパリしていて左党の私でも何本も食べれた。
 この団子の買い方も一風変わっていて、最初券売機で券を買い、次に場所を変え券と団子を交換するシステムになっている。券も1箱1枚買うのではなく1枚の券に「〇箱」と書いてあり、それを受け取った店員はすでに袋に入れてある団子をサッと渡してくれる。
今は空いているのでその効力は発揮していないが、混んでいるときはきっと効果が出るだろう。味気ないが行列で待つよりはいい。

 法多山を後にして本来の参詣道と思われる県道251号を西に向かう。参詣客の車も多くなり駐車場の人が盛んに手招きをしていた。そんな駐車場は料金が500円で、50m歩く気なれば200円安くなるよ。と教えてやりたかった。

 県道を西に向かい法多山の交差点を直進する。右に静岡理工科大学の正門まで来たら、そこを右折する。50mほど北に行くと西に向かう道があるので、その道に入り道なりに西に歩く。
 コンビニや動物病院のあるT字路に出たら右折して太い坂道を登る。右にある袋井南中学の校門を過ぎた辺りに、左へ向かう上り坂の細めの道がある。この道が愛野公園の高台に出る道で、この道を行くと景色を眺められる。高台に行かないなら、そのまま車道を北に真っ直ぐ行けばよい。
何故こんな細かい道案内をするのかって? それはこのブログを見ている方に、是非来年の初詣は遠州三山にして欲しいからです。

                   
                    愛野公園から

 愛野公園の高台には写真の付いた案内板があるので、景色と実物と合わせて見る事が出来るのでよく分かる。ただ難点は写真は公園ができた当時のもので公園の木が小さく景色がよく見える。だが今は公園の木が成長してきてしまい景観を邪魔している。
高台から適宜な道を下って、下に見える交差点から大きな陸橋(?)を渡っていきます。
その先は只々真っ直ぐその道を北に行けば1時間ほどで油山寺に到着します。ただこの道は車がそこそこ走っているので、それが嫌な時は国道1号の地下道を潜ってから1本右(東)側にある東海物産横の道を行けば車には合いません。

 真っ直ぐな道というと、ここより少し西側の旧東海道には「木原畷(なわて)」という場所があった。畷とは田圃の中なの真っ直ぐな道を表すらしいが、ここの油山寺に行く道も言うなれば畷だろう。愛野公園から油山寺まで続くこの道は、名づけるなら「油山寺畷」となるかな。

     
   油山寺の山門                          山門横の御霊杉

 油山寺の正式名称は「医王山薬王院油山寺(いおうざんやくおういんゆさんじ)」といかにも病気に効き目がありそうな名前です。それもその筈で、昔寺の裏山から油が出たそうです。その油で眼病に苦しんでいた孝謙天皇が眼を洗浄したところ霊験あらたかに眼病が全快し、油山寺を勅願寺に定めたと案内してあった。

 油山寺の山門は掛川城の門を移築したとかで、見た目も山門より城門の方が相応しい感じがする。その山門の横には「御霊杉(みたますぎ)」と名付けれた杉の木が立っている。この杉の木は県の天然記念物に指定されていて幹が松、葉が杉という珍しい木だ。見てみると確かに幹は杉ではなく松に近い。なのに葉っぱは完全に杉だ。
なぜこんな木になったか植物的説明ではなく昔の言い伝えが書いてあった。
「当地で弘法大師が幼児の一命を救った。感謝した父親が松で、母親が杉で一膳の箸を大師に捧げた。大師が旅立つときその箸を地に挿していくと、あら不思議、幹が松、葉が杉の珍しい霊木になった」とある。

 弘法大師が出てきたからか、この油山寺は真言宗の寺だった。先ほどの法多山も遠州の高野山でやはり真言宗の寺だったが、同じ真言宗でも随分違いある。静岡県の真言宗のイメージは、寺は山深い所にあり墓地があまりなく檀家も少ない。由緒はあるが貧乏寺(失礼)といった感じだ。この油山寺も山門は場違いに立派だが、他はそんなイメージがある。
方や法多山は遠州の高野山という事だけあって、実際の高野山に建ち並ぶ真言宗の寺のように派手で立派な観光寺だ。初詣の参拝客も法多山の方が断然多く、ここの油山寺には私営の有料駐車場も門前のお店も無かった。

 そうそうここの油山寺は目の神様として有名だが足の神様でもあるらしい。この寺で祀ってある「軍善坊大権現」は、足腰の病に霊験あるとしてお守りを売っていた。一寸迷ったが買わなかった。「触らぬ神に祟り無し」だ。
ちなみに軍善坊大権現とはどのような神様かと調べてが油山寺の関連でしかヒットしなかった。油山寺独自の神様なのだろうか?

  
  油山寺本坊                          瑠璃の滝

 まずは本坊にお参りをして本堂に向かう。最初油山寺に来たときは本坊が本堂で、これから行く本堂は奥の院と思っていたがどうやら違うようだ。だが本堂には常時は人が居ないのを見ると実際には本坊と呼んでいる所が本堂なのだろう。
本堂に向かう途中に「瑠璃の滝」がある。この滝の水が天皇の眼病を直した御霊水といわれている。
山中の寺には似合わない低い階段を階段を登って行くと今度は三重塔がある。個人的には赤く塗られた三重塔はあまり好きではないが、この塔は国指定の重要文化財に指定されている。

     
  三重塔                            本堂
 
 本堂付近には参拝者がいなかったので声を出して般若心経を唱える。覚束ない発声だが声を出して唱えると気分が爽やかになる。
さて気分も爽やかになったところで昼飯にしよう。本堂の縁側の下に座り込むと、時折風に揺られた絵馬が鳴子のように鳴っていた。

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