忘却への扉

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声なき声を聴く夏が

2017-08-07 | 平和を

 【 地軸 】 2017.8.1 地方紙1面下段コラムより

[ あの日に立ち返る8月が訪れた。焼けつく日差しと体にまとわりつく暑さに、戦争をくぐりぬけてきた人々や無念を抱えて逝ったあの人この人の、声なき声を聴く。
 ▲静かに平和を祈りたい季節、次々飛び込んでくるニュースに胸がざわつく。北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBМ)発射を強行。米空軍と航空自衛隊が朝鮮半島沖で共同訓練を実施し、けん制した。
 ▲米大統領と電話で会談、圧力強化へさらなる行動を確認した首相。北朝鮮の行為は許されないが、「平和的に解決するための努力を積み重ねてきた。しかし、北朝鮮はそれらをことごとく踏みにじり一方的にエスカレーション(激化)させてきた」との高揚した口調には、うすら寒いものを感じる。
 ▲こうした政治外交情勢が社会の差別を助長しないよう願う。松山の四国朝鮮初中級学校の交流イベントで出会った児童生徒の、澄んだ歌声や屈託のない笑顔を思い出す。心通わせた日本の子の目の輝きも。民族は違っても共に生きる同じ人間。
 ▲朝鮮学校を巡っては大阪地裁が先日、国が北朝鮮への国民感情を理由に高校無償化の対象外としたことを違憲と判断した。政治情勢がどうであれ、教育を受ける権利は誰にも平等にある。当たり前の権利がやっと認められた。
 ▲揺らぐ時代だからこそ、同じ人間としての交流を大切に育てたい。緊張を和らげる困難な道のりも、互いの尊厳を認めることから一歩が生まれる。]

 ( 忘却への扉 ) 北朝鮮によるミサイル攻撃の不安が、話題になった。「核兵器で攻撃するなど、自国を壊滅させる覚悟無しではできないだろう」。
 「それも米本土攻撃ではなく、やるとすれば、日本の米軍基地、それよりも日本各地の原発攻撃目標となる可能性が強い、効果的」。自民支持者も同じ見方。
 米国の核の傘に守られていると、安倍首相は北朝鮮を煽るが隣国であるだけに、死に物狂いで核ミサイルのボタンが押された際に、多大な被害を被るのは韓国、中国に次いで日本で、米国ではない。
 「一億総玉砕」とまで日本国民を侵略戦争に巻き込んだ軍国主義日本。8月6日の広島原爆投下、9日の長崎原爆投下の多大な犠牲の後、ようやく敗戦に辿りつく。北朝鮮にあの「一億総玉砕」の暴走を停めさせるのは外交努力だけかも。先輩日本、導く術を持つのでは…。


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