忘却への扉

 日記? 気づいたこと 何気ないひとこま 明日への伝言 願い 子供たちに 孫たちに そしてあなたに・・ 

ひゃっぱつひゃくちゅう

2013-01-18 | 平和を
 地域の集会所で年に1回ある仏教行事に参加した。行事そのものは何のためかも忘れられ、各組毎に家々順回りする年2回だったのを1ヶ所にまとめて形式だけだが続いている。
 平日の昼間になったが、思っていたより参加人数は多かった。行事そのものよりみんなで話をするのも楽しみの1つ。
 行事開始の予定時刻に余裕をもって集まる人たちの中で、誰かに戦争か原発事故の話を聞ければと私は思っていた。めったに顔をあわす機会のない人を見つけ話しかける。
 「○○さんは 戦争に行ったが?」 『おう わしか、わしも軍隊に志願したぞ』 『公会堂で前もって 訓練受けての それから試験よ』
 『素っ裸になって 身体検査も受けたぞ 梅毒なんかの性病じゃないかを 細こう調べるがよ』 『その途中で ○○いうて名前呼ばれて出よ言われたけん 何じゃろ思たら 試験に落ちとった』
 学校は勉強をする場所ではなくなり、人殺しの教練や食糧増産の応援をする毎日だった。『国語だけは でけた思とったら 百発百中を間違えとった 外に出たとこに大きな石の記念碑があって 見たら百発百中と彫り込んであるがせよ』
 そこで年齢を聞くと『15歳』 「学校の先生に軍隊志願をせよ 言われたけんやろ」 学校や先生が教え子を数多く志願させればほめられた時代、彼の返事もそうだった。
 合格は死を意味していた時期、彼の兄は傷痍軍人で帰れたが家族には戦死者も居た。今でいう中学生だったから翌年に回されその間に敗戦を迎えたこその命びろい。