お愉しみはココからだ!!

映画・音楽・アート・おいしい料理・そして...  
好きなことを好きなだけ楽しみたい欲張り人間の雑記帖

「きみは、マクドナルドのプラスティックのスプーンをくわえて生まれてきた」

2005年03月19日 | パルプ小説を愉しむ
『完璧な殺人』(ジャック・ヒット編)の中で、殺人の仕方を依頼した男が、殺したい親友と比較されて言われた台詞 - 「きみの親友プレイセズは銀のスプーンをくわえて良家に生まれてきた。ところがきみは、マクドナルドのプラスティックのスプーンをくわえて生まれてきた。」

金持ちの女と結婚した男が、親友と妻の浮気を見つけ、妻と殺すとともに罪を親友になすりつけようと計画。その計画案を5名の著名なミステリー作家に依頼して、より完璧な殺人にすることにしたというお話。依頼された作家は、ローレンス・ブロック、ピーター・ラヴゼイ、トニイ・ヒラーマン、サラ・コードウェル、ドラルド・ウェストレイクといった食指をそそられる面々ばかり。しかも5名の作家が出した殺人方法案すべてを全員に見せて、互いの批評をさせるというおまけもあり。それぞれの作家らしい殺人案もおもしろいが、互いに他案をけなしあうのも楽しい。だが、実際に事件が起こるわけではなく、畳上の水練よろしく案を練っているだけだから、場面に感情移入が起こるわけでもなく、今ひとつ盛り上がりに欠けたな。これだけの作家がいるのにもったいない。

"born with a silver spoon in one's mouth"という英語表現は知っていましたが、それをもじってマクドナルドのスプーンとは、よくも分かりやすい身近な喩えに消化(昇華?)したものです。恐れ入りました。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「あなたを目の前にして、飯... | トップ | デジタル時代にこそアナログを »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

パルプ小説を愉しむ」カテゴリの最新記事