べんりや日記

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新年 明けましておめでとうございます

2009-01-05 17:59:52 | 長岡市中島 バリアフリー住宅(越後杉)


新年、明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

昨年も、色々な家、木組みにチャレンジすることができました。

この完全バリアフリーの家もそのひとつです。

2002年に竣工した旧吉田町T邸は、円形屋根で大黒柱が象徴的な家でしたが、さらにバリアフリーの家としても、先端を行っていた。

今回の中島町H邸は、更にそれを上回る重度のバリアフリー住宅となりました。
考えられる、工夫を注ぎ込んだ代表作ともなりました。
バリアフリーとなると、医療機関の箱物のように、真四角で何の味もない建物になるのが普通なのですが、「住宅」という面を強調し、そこに癒しともいえる空間を実現するのが、両者(吉田町T邸、中島町H邸)のメインテーマでした。

普通の人が普通に暮らせなければ、住宅ではない。
特殊な人も、普通の生活が出来る住宅が、バリアフリー住宅と考えます。

県産杉材をふんだんに使用した、伝統構法の家でもある。
「癒しの空間」を実現するには、やはりこのやりかたが一番であると考えます。
訪れた人が、ついつい長居してしまう家。
そういう家が、さりげなくバリアフリーという・・

しかも、耐震、耐雪に優れている。耐久性も在来木造を軽く凌駕する。
そういう家に守られながらの安心した生活。
そういう家を、もっと作り続けたいところです。



中島H邸の外観


昨年の、旧吉田町T様への年末の挨拶の折、中島H邸の完成の報告をしました。

「バリアフリーで一番大切なことはなんですか?」

というお客さんの問いに対して、

「その人の重度によって、それに合わせたバリアフリーを考えなければならない」

と答えました。

「えらい」

との一言を頂きました。
障害の度合は人によって、様々。一つの雛形があって、それに沿っていては、人それぞれに合ったバリアフリーは実現できません。
それは、健常者の場合もそうなのですが、人それぞれの生活の仕方があって、間取りに大きく影響します。
バリアフリー住宅にしても、間取りや装置はその人その人によって変わる。
1からつくりあげていく姿勢が必要だと思います。
旧吉田町T邸の場合はネットコンペで、こちらの提案にお客さんが賛同された形となりましたが、今回の中島町H邸に関しては、更にリハビリの先生を交えての3者による会議が月に1度のペースで開かれ、綿密に打ち合わせしながらの設計、施工。

全てのケースがこのように時間をかけれれば良いのですが、そうはいかないのでしょう。
今回の中島H邸に、リハビリの人達が見学に来たいとお客さんが言っていましたが、形にこだわらず、それぞれに合った形を模索、考えて頂きたい。そして、そのデータが集まれば、今後のバリアフリー住宅の新築、リフォームに役立つこととなるでしょう。
また、介護用品や器具の使い勝手の発展も考えられます。

何時までも、
「これでいい」
というものはなく、常に新しい最善の方法を模索する。

我が社の建物に関しても中島H邸にて試した技術は、さらに次の物件では発展しています。
「じゃあ、いままでのはしょーもないのか?」
と言われても、その時、その時、持てる、考えうる技術を駆使しています。
(どっちにしろ、在来木造は軽く凌駕してるし・・)


「百年に1度の大不況」

と言われています。
前の不況の時もそうでしたが、そのほうが地元に目が行きます。
どうすれば今もてる技術で、道具で、乗り切れるのか、みんなが工夫するようになる。知恵を出し合う。
節約、資源を大切に使うようになる。
環境問題をもっと考えるようになる。
地元の資源や、自然を有効に活用するようになる。

不況は、人を鍛える。試される。

前の不況時は、地元木材で家を作ろうといっても、流通経路がなかったけれど、今回は全く状況が違います。
山の木で作ろうと思えば、どんな木でも使えるし、山から出す術もある。
楽しい形の家だって実現できる。耐久性も向上している。

国をあげても、「国産材を使おう」という法整備が着々と進んでいる。
「温暖化防止、CO2排出削減」のスローガンをかかげている。
減反政策を推し進めてきた政府も、食料自給率の上昇を唱え始めています。

石油下落とアメリカの不況により、外材が安く入る気配がありますが、どこまで「自給自足」「地産地消」が世に浸透するか・・

また、伝統構法は生き残ることができるのか?
日本の文化は継承できるのか?

波乱な1年の幕が開け、また、楽しみな年が始まったと思っています。
コメント
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