何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

OTCをもっと「薬」として扱おう

2006-11-19 14:55:40 | よくわからないこと
 「●●●●●は使用上の注意をよく読み用法・用量を守って正しくお使いください」
 多くの人がTVで耳にしたことがあるだろう。
 一般用医薬品の規制緩和や、来年度からの新たな販売態勢が少しずつ明らかになる中、薬の安全性を考えると、前々からこの言い方のどこかに違和感を覚えるのだ。俳優が笑顔で明るく元気よくそう叫ぶだけに、余計にすっきりしない。

 ここで言う使用上の注意とは、添付文書のことだと思ってよい。添付文書中の「使用上の注意」の項をさすのではない。消費者に対し、使用にあたり「使用上の注意」に目を通してもらいたいのは当然としても、「よく」読まなきゃいけないのか。“普通に”読んではダメか。熟読しなきゃいけないのか。読んだ結果、理解が足りなければ、違ったとらえかたをしていれば、読み方が浅いと、「よく」読まなかった消費者の責任だとでもいうのだろうか。「読んでお使いください」でなく、「よく」読め」とダメ押しする意味は何なのか。よく読めばたいていのことは理解されて当然だというのだろうか。

 またOTCを正しく使うにあたり守るべきは「用法・用量」だけではないと思う。ここで「用法・用量」を持ち出すのはなぜか。副作用や体調変化が見られたときのほうが、何かおかしいと思ったときはただちに医師や薬剤師に相談するか、受診を促すほうが、消費者にとって安全を守るうえで重要であって、「副作用」の項目をなぜ強調しないのだろうか

 「用法・用量」さえ守れば、必要以上に多く服用しさえしなければ、正しく使っている限りは問題が起こることは心配ありませんよ、正しく使わなければ何が起きても知りませんよと、どこか消費者側をつきはなしているようにも思えるのだ。

 薬という健康支援のためとはいえ、体にとって異物であるにもかかわらず、外れた使い方だけは避けてもらうとして、使用を促しているように思われるのだ。CMを通じてより安全に適切に必要な人だけに使ってもらおうという雰囲気がいまひとつ感じられない。消費者へのおもいやりや、国民の健康を守る気持ちが薄いような、守ることさえ守ってもらえば、あとは一般の商品と同じように販売促進や売上げ拡大が意図されているような印象を受ける。それが違和感の正体なのだろう。

 薬害の背景には、薬を一般の商品と同じように経済性を追求してきた側面がある。人間にとって健康を維持するために必要な「薬」だから、安全が確保された中で適切に使われるよう、単に消費者に責任を負わせることがないよう、視点を消費者の安全においたコマーシャルであって欲しいと思う 

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