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┃ ★ ジェネリック de リ・スタート!
┃ -治療レベルを下げずに、支払いはリーズナブルに-
┠────────────────────────────
┃ 2010.10.24 Sun. 通巻70号
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
みたキタ企画、薬剤師のsukeです。
このメールマガジンは、ジェネリック医薬品(後発医薬品)が
適切に使用されることを目的として、話題を提供しています。
◆ジェネリックの使用をためらっている一般のかた
◆ジェネリックの適切な使用促進に悩んでいる薬剤師
◆ジェネリックについて興味や関心のあるあなた
といった皆さんにお読みいただきたいと思います。
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☆ ジェネリックに含まれる「不純物」について
──────────────────────────────
前回の予告通り、今回はジェネリックに含まれる「不純物」について
述べていくことにします。
ジェネリックの品質に関して、しばしば持ち出される話題です。
ジェネリックの主成分は同じであっても、それを合成するにあたり、
微量の生成物が生じ、バルクによってその種類や量が先発品と異なり、
それがジェネリックの品質におけるひとつの問題である、とする意見が
あります。
はたして、それが治療にどのような支障を及ぼすのか・・・
──────────────────────────────
医薬品の多くは、化学的に合成されます。薬品と薬品を反応させ、
それは部品を切り離したり、合体させるように、有効成分とされる化合物
を作っていくのです。
とはいっても、それは家電や車の製造のように、目に見える状況下で
行われるのではなく、大きな容器の中で化合物を混ぜ合わせるといった、
“目に見えない”レベルで進められます。
合成が行われる過程で、目的とする化合物とは異なる副産物のような
化合物も同時に生成されます。それが「不純物」です。
不純物は可能な限り取り除き、ある薬理作用を有する化合物を高純度
に集めたものが医薬品の原料(バルク)となります。
合成方法が異なれば、不純物の種類や量に差が見られても不思議では
ありません。
純度100%の物質が合成されることが理想なのですが、微量とはいえ、
不純物は合成の過程を通じて混入が不可避です。すなわち、医薬品の
原料(バルク)は純度100%、不純物0%ということはありません。
そして、これはジェネリックだけの話ではなく、すべての医薬品に共通する
といってもいいでしょう。そう、先発品についてもです。
先発品といえども、ごく微量の「不純物」が含まれるのです。
「不純物」の存在を気にするのなら、ジェネリックだけを問題視するのは
ナンセンスでしょう。
------------------------------------------------------------
「不純物」と言うと聞こえは悪いのですが、含まれる量は“ごく微量”です。
その量は、仮に体内に取り入れても、「臨床上は許容でき、安全性は
担保できる」量から、さらに少ない量を設定し(その幅を「安全域」という)、
それ以下でないと医薬品として認可されません。
そのくらい、問題視するような量ではないということです。
ある許容レベルからさらに「安全域」を設けて、念には念を入れたような、
ごく微量です。
------------------------------------------------------------
そんなごく微量であっても、不純物の正体を突き詰めて、安全性を評価
すべきではないかとする意見もあります。
しかし臨床上の使用状況を想定し、患者に使用した場合の曝露量(総量)
や従来からのデータをもとに、不純物について検討しなくてもよいレベルを
設定し、それ以上、時間や費用をかけて検討することを避けようというのが、
日欧米共通のガイドラインでの取り決めとなっています。
安全性の確認が必要とされる閾値を越えるようであれば、毒性試験が
必要とされますが、そうでなければ不純物の正体追求(構造決定)や
安全性試験は不要とする、というのがグローバルな合意とされている
ということです。
──────────────────────────────
よって、この基準のもとに承認されたジェネリックであれば、
さらにそれ以上、不純物について追求するのは不要といえます。
基準をクリアしているのに、さらに不純物の多寡を検討し、多い製剤は
問題であるとするような検討は、意味がないといえます。
基準(規格)を満たしているのに不適切であるというのであれば、
論理的におかしく聞こえるのではないでしょうか。
よって不純物の量が「ごく微量であっても、看過すべきではない」という
意見に惑わされることがないようでありたいと思います。
そして、患者さんが不純物に対して不安を抱えているようであれば、
だから「ジェネリックって先発品と品質が違うんでしょ」というのであれば、
微量成分に違いはあっても、グローバルな基準をクリアしたうえでの違い
に過ぎず、問題のないことを説明さるとよいと考えます。
============================================================
薬剤師のかたで、ジェネリックを勧めた患者さんから、
微量成分が違うことで安全性が懸念されるといった意見を聞かされた
ご経験はありませんでしょうか。
もしあれば、その時のエピソードを添えてお知らせください。
また取り上げてほしい話題、感想等、些細なことでも構いません。
お送り先は、 tamsuke@gmail.com です。
(@は小文字の「@」に変えてお送りください)
お待ちしています! それではまた次回! (^^)/
============================================================
☆☆☆【みたキタ企画よりお知らせ】
みたキタ企画では、ジェネリックについてご相談をお受けしています。
●個人的な疑問がある、相談したいという要望(一般のかた)
●ある集まりで、話をして欲しいという要望(一般のかた)
●どうやってジェネリックを進めていくとよいか悩んでいる(薬剤師)
ご要望があれば相談に応じますので、ご遠慮なくお知らせください。
現状から一歩前進できるよう、そのお手伝いができればと思います。
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☆☆☆ メールマガジン 【ジェネリック de リ・スタート!】
■発行 : みたキタ企画
■発行人: suke
■ご感想やご質問等の宛先 --> tamsuke@gmail.com
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■発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/
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前回の予告通り、今回はジェネリックに含まれる「不純物」について
述べていくことにします。
ジェネリックの品質に関して、しばしば持ち出される話題です。
ジェネリックの主成分は同じであっても、それを合成するにあたり、
微量の生成物が生じ、バルクによってその種類や量が先発品と異なり、
それがジェネリックの品質におけるひとつの問題である、とする意見が
あります。
はたして、それが治療にどのような支障を及ぼすのか・・・
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医薬品の多くは、化学的に合成されます。薬品と薬品を反応させ、
それは部品を切り離したり、合体させるように、有効成分とされる化合物
を作っていくのです。
とはいっても、それは家電や車の製造のように、目に見える状況下で
行われるのではなく、大きな容器の中で化合物を混ぜ合わせるといった、
“目に見えない”レベルで進められます。
合成が行われる過程で、目的とする化合物とは異なる副産物のような
化合物も同時に生成されます。それが「不純物」です。
不純物は可能な限り取り除き、ある薬理作用を有する化合物を高純度
に集めたものが医薬品の原料(バルク)となります。
合成方法が異なれば、不純物の種類や量に差が見られても不思議では
ありません。
純度100%の物質が合成されることが理想なのですが、微量とはいえ、
不純物は合成の過程を通じて混入が不可避です。すなわち、医薬品の
原料(バルク)は純度100%、不純物0%ということはありません。
そして、これはジェネリックだけの話ではなく、すべての医薬品に共通する
といってもいいでしょう。そう、先発品についてもです。
先発品といえども、ごく微量の「不純物」が含まれるのです。
「不純物」の存在を気にするのなら、ジェネリックだけを問題視するのは
ナンセンスでしょう。
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「不純物」と言うと聞こえは悪いのですが、含まれる量は“ごく微量”です。
その量は、仮に体内に取り入れても、「臨床上は許容でき、安全性は
担保できる」量から、さらに少ない量を設定し(その幅を「安全域」という)、
それ以下でないと医薬品として認可されません。
そのくらい、問題視するような量ではないということです。
ある許容レベルからさらに「安全域」を設けて、念には念を入れたような、
ごく微量です。
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そんなごく微量であっても、不純物の正体を突き詰めて、安全性を評価
すべきではないかとする意見もあります。
しかし臨床上の使用状況を想定し、患者に使用した場合の曝露量(総量)
や従来からのデータをもとに、不純物について検討しなくてもよいレベルを
設定し、それ以上、時間や費用をかけて検討することを避けようというのが、
日欧米共通のガイドラインでの取り決めとなっています。
安全性の確認が必要とされる閾値を越えるようであれば、毒性試験が
必要とされますが、そうでなければ不純物の正体追求(構造決定)や
安全性試験は不要とする、というのがグローバルな合意とされている
ということです。
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よって、この基準のもとに承認されたジェネリックであれば、
さらにそれ以上、不純物について追求するのは不要といえます。
基準をクリアしているのに、さらに不純物の多寡を検討し、多い製剤は
問題であるとするような検討は、意味がないといえます。
基準(規格)を満たしているのに不適切であるというのであれば、
論理的におかしく聞こえるのではないでしょうか。
よって不純物の量が「ごく微量であっても、看過すべきではない」という
意見に惑わされることがないようでありたいと思います。
そして、患者さんが不純物に対して不安を抱えているようであれば、
だから「ジェネリックって先発品と品質が違うんでしょ」というのであれば、
微量成分に違いはあっても、グローバルな基準をクリアしたうえでの違い
に過ぎず、問題のないことを説明さるとよいと考えます。
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薬剤師のかたで、ジェネリックを勧めた患者さんから、
微量成分が違うことで安全性が懸念されるといった意見を聞かされた
ご経験はありませんでしょうか。
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