何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

日本でいちばん大切にしたい会社4

2014-01-29 22:17:38 | Book Reviews
「日本でいちばん大切にしたい会社4」 坂本光司・著、あさ出版、2013年11月28日

p.17-8 あえて言えば、5人目の「株主・出資者・支援者」の幸せは、経営者も社員も、直接的に追求する必要はまったくない、と言っても過言ではありません。
 というのは、株主や出資者等にとって関心の高い企業の業績や成長、株価などは、前述の4人の満足度が高ければ、結果として実現することだからです。私は、株主第一主義経営はもちろんのこと、現在でも多くの企業が信奉している顧客第一主義経営も、今や時代遅れの経営学だと思います。
 株主を満足させるために罪のない社員をリストラしたり、仕入先や協力工場等の社外社員に大幅なコストダウンを強要する経営が正しい経営だ、などと考える人はまずいないからです。

p.19-20 企業の経営者が何よりも、誰よりも幸せづくりに力を注がなければならない人は「社員とその家族」と言いましたが、その理由は大きく2つあります。
 1つは、景気にぶれない企業の変わらない特長がそこにあるからです。愚直一途に「社員第一主義経営」「大家族的経営」を貫いている企業で、おかしくなった企業は、大げさに言えば歴史上存在しなかったのです。
 「社員第一主義経営」が正しい2つ目の理由は、私たちの日常の仕事への取組み姿勢を考えれば、簡単にわかることです。常日頃、自分が所属している組織や上司に不平や不満、不信感をもっている人々が、組織や上司の業績を高めてあげたいと思うわけがないからです。

p.25-6 企業経営にとって、いちばん大切なこととは何でしょうか。それは企業の業績でも勝敗でも、技術、シェア、ランクなどでもありません。それらは、経営活動の結果としての現象なのです。企業経営にとって、大切にすべきことは、企業に関りのあるすべての人々の幸せづくりです。そしてとりわけ幸せにすべき人とは、『社員とその家族』『仕入先等の社外社員とその家族』『顧客』そして『地域住民、特に障がい者など社会的弱者』です。企業をはじめあらゆる組織体がそうですが、その安定的な成長発展は、いちばん大切にすべきことを、いちばん大切にし続けることしか、他に方法がありません。

p.40 不況は有効需要の不足によって発生するのではなく、有効供給の不足によって、もっと言えば、有効供給を創造・提案できなかった企業企業にだけ発生するものだということがわかります。

p.56 「人の優しさは涙の量に比例する」

p.96 私はいつも講義や講演会の折、元気のない会社は必ず5つの言い訳をする、そしてこの5つを口実に自身の保身をはかろうとする、と言っています。5つの言い訳とは、1つ目は「景気・政策」、2つ目は「業種・業態」、3つ目は「規模」、4つ目は「立地場所・商圏人口」、そして5つ目は「大企業・大型店」です。つまり、問題はすべて外的要因にあり、自分たちは被害者といった考えです。

p.119-20 電話を受けた営業窓口の助成は、常日頃、上司から「ユーランドセルに関しては、お客さまのどんな要求も断るな」と言われていました。「今まで依頼を1件もお断りしたことがありません」と、その女性は私の前で誇らしげに胸を張りました。「お客さまからのどんな要求にも応えてみせる」というのが、協和の社員、職人たちに共通するプライドであり、優しさだったのです。

p.143 この会社は、カバンをつくっているのではありません。幸せをつくっているのです。

p.163 人は、お金や休みさえ与えておけば満足するわけではありません。では何が必要か? それは、自分が属している会社に誇りが持てること。そして自分が生み出す製品やサービス、仕事を通して確実に成長しているという喜びが感じられることです。さらにその喜びが家族にしっかり伝わっていることが、何よりの社員満足につながるのではないでしょうか。

p.166 「ここがダメだから他へ行くという奴は、どこに行っても使い物になりまへん。よそに行っても絶対大丈夫、というレベルまで達したら辞めさせたるからな、と言って、とことん説得しますわ」

p.191 「幸せとは人に愛されること、ほめられること、人の役に立つこと、人に必要とされることです。このうち最初の『愛されること』を除けば、すべて働かなければ得られないことなんです」
 幸せは、働くことによってしか得られません。


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