何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

ゴーストタブレット

2008-02-26 22:15:43 | くすり雑感
 スローケー錠をジェネリックに変更したら、ゴーストタブレットが前にも増して気になるので、変えてもらえないかという事例があった。

 ゴーストタブレットなんて、久々に聞いた(ほとんど忘れかけていた)。徐放性カリウム剤の添付文書には、すべてゴーストタブレットに関する記載があるが、この患者さんの訴えによると、どうも形状というか残存状態が異なるらしい。スローケー錠の添付文書では、ゴーストタブレットについて「有効成分放出後の殻錠」と説明されている。

 先発品のスローケー錠(1976年2月発売)にゴーストタブレットの記載がなされたのが、1993年6月改訂の時からだという(ノバルティス社による)。不活性なWax Matrix基質に塩化カリウムを含有させ、消化管内を通過中に徐々に塩化カリウムを放出させる。そして残ったスポンジ様基質として崩壊したワックスが、ゴーストタブレットの正体だという(ノバルティス社内資料)。ちなみにスローフィー錠も同様の徐放性の仕組みだそうであるが、ゴーストタブレットの記載はないという(調べたら、確かにない)。

 ゴーストタブレットのことを知らないと、溶けずにそのまま便中に排泄されてしまったかのように誤解するだろう。溶けずに出てきたという不安の訴えについて、探してみると以前から指摘もされていることもわかった。

 昨今、ジェネリックにおいて「溶けずにそのまま排泄される錠剤がある」との批判がなされることがあったが、その一部はゴーストタブレットによるものも含まれている可能性がある。

 pmdaのデータベースでゴーストタブレットについて検索すると、その単語ではカリウムの徐放性製剤しか引っかかってこなかった。どうもゴーストタブレットの話題は徐放性カリウム製剤において特筆すべき話題なのかもしれない。

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1 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
他にもある (お疲れ)
2008-02-27 17:22:25
 ゴーストタブレットは、まだ他にもあった。
「糞便中に残渣が排泄される薬剤」
http://www.minc.ne.jp/kasiihp/busyo/yakuzaibu/kusurihitokuchi/pdf/H17-10.pdf

 デパケンR錠、セレニカR顆粒、テオドール顆粒、ペンタサ錠、オキシコンチン錠
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