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営利優先の組織で社会的責任は果たせるか

2008-09-01 23:08:16 | 薬局経営
 民間企業で営利優先を掲げている企業、そんな組織で社会的責任は果たせるのか。

 社会的責任を果たすということは、社会の中でその業種の持つ使命、責務を果たし、社会からその存在意義が評価されることだろう。

 自分たちが何をすべきかという部分において、したいこともあるだろうが、社会に存在する意義を理解し、それを果たすことが経営理念に示されているか。社会のために尽くして、それが組織の喜びや目的、方針と合致しているかが重要だ。
 理念や方針において、自身がこうします、そうしますというのは、すべきことを自分たちで決めているにすぎない。社会的責任を果たすうえでは、何をすべきかは既に社会が要請している。自身で決めている段階で、できているかどうかも自身で判断するのだろうから、自画自賛もありうる中で社会的責任を果たせているかどうか評価することなど不可能だろう。

 社会に対して存在して機能することで貢献するといっても、自社だけで存在できるわけではなく、そこには多種の利害関係者がいる。自社の利益は、関係者の利益とは必ずしもならない。顧客など、会社が儲かるのは顧客が金を支払うからであって、それは得るものに対する対価といえども、相対する立場にいる。

 支払いに見合う対価かどうかも、ただちにわからない。社会的責任を果たすということは、そうしようと考えるのは組織でも、自組織が評価することではなくて社会が評価することだ。

 営利最優先を掲げている会社が、利害関係者と向き合ったとき、社会の利益と自社の利益を天秤にかけて、営利優先だとばかり、自社の都合を考えたときから、もはや社会の利益や社会に対する責任は後回しにされている。社会的責任の前に、自社の利益ありである。

 社会的責任を果たそうと、大義名分は立派なことを言っていても、組織が営利優先である以上、それは単なるきれいごとにすぎない。営利と社会的責任の整合性はとれるのか。それらがたいして影響し合わない程度に済んでいるうちはよいが、真っ向から向き合わざるをえないときに、営利優先で方針が出され、行動が指示されていれば、自己矛盾以外の何者でもない。

 営利優先の組織で社会的責任は果たせるのか。組織の目標や方針に社会的責任を果たすことが最優先と明記され、そのような行動がとられた中で、経営も考える思考がとられていればよいが、まずは利益、売上あってこその組織や存続であるとするならば、求めるほうが無理というものではないか。

 だからこそ、外見はともかく、営利優先が色濃く出た結果が、いわゆる有名企業の不祥事ではないのだろうか。優等生の顔をしていながら、社会を裏切るような事態を引き起こすのは、まさに社会的責任と営利との関係性を理解できていなかった証左であるのはそういうことではないだろうか。

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