何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

失敗は予測できる

2007-08-20 18:58:34 | Book Reviews
『失敗は予測できる』 中尾政之・著、光文社新書、2007年8月。

 エキスポランドのコースター事故に関連して、

 驚くべきことに、この遊園地の遊具はエレベータと同じようにビルの付属物とみなされ、建築基準法の工作物に則って検査されていた。つまり、ジェットコースターは「建築物」とみなされ、動く機械に必要なメンテナンスが不十分だったのである。建築基準法が公布された1950年当時は、遊園地にこのような過激な遊具がなかったのだろう。

 幼稚園の子供が見ても、ジェットコースターはビルよりも電車に似ていると感じるだろう。しかも時速75キロで走るのだから、電車そのものである。それなのに、検査は畑違いのエレベータの検査員や一級建築士がチェックしていたのである。この事故は、金属疲労によるものであることには違いないが、人為的な制度疲労という要因も大きい。  (p.18)


 いくら点検しているといっても、足場や視点をどこに置いているかで、実態は全く異なったものになる好例だろう。本書は、失敗について全く新規なものは(まず)ないと繰り返し述べている。一見異なるような失敗もいくつかのパターンに分類でき、ということは過去の失敗に真摯に向き合い、反省していれば繰り返し起こることは避けられるのではないか、というのだ。

 それにつけても中華航空の炎上はどうなっているのだろう。

 薬局はこれまで「株式会社」として扱われてきた。中には上場しているところもある。しかし、いつも言うように薬局は「医療提供施設」である。どちらに立脚しているかによって、運営の仕方や力の入れ方が大きく異なるのは言うまでもない。

 端的に言えば、利益優先で体制整備を図るのか、患者志向で体制整備が図られるのか、ともいえる。効率優先か、顧客志向か。プロダクトアウトか、マーケットインか。

 リスクマネジメントもそうだろう。すべて違うように見える事例も、原因を考えてみれば類似するものが少なくないだろう。それに気づくことができるか、類似するものとして向き合えるではないか。他人のミスも、自分だって起こしかねないと、取り入れることができるかどうかだろう。

 それに学ばない反省は、反省していないも同様なのかもしれない 

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