庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

生活者の未来は、賢い政府を持てるかどうかに左右される。

2009-06-28 | 暮らし・健康問題
大きすぎて潰せない疲弊企業、代替の利かない官僚機構に頼る政治は、「モラルハザード」を起こして、大きな損失と負の遺産を残す可能性が大きい。
日本はその道を進んでいく瀬戸際にたっている。

いままでの進路は、ほとんどの人が「アメリカの後追い」をしてきた。
それに追いつけ、追い越せのスローガンでとにかく、アメリカの進んでいる方向が自分たちの未来を豊かにすると、単純に思い込んできたからである。

ここ数年のブッシュ政権のあきれるほどの傲慢ぶりには、さすがのアメリカ追従論者も、口を閉ざす事態である。
それでも、アメリカの進む方向は、日本の未来に大きな影響をもたらすことになる。
貿易や人の交流できっても切れない関係がすでにできている。
猿まねではなく、じっくりと自分の目で見て、表面だけに流されないで深く考えて行動することが大事である。

アメリカは民主主義の仕組みで8年たつと政権が交代する。
取り繕っていた前政権の既得権構造や、予算の配分は大幅に見直しができる上に、政策の変更によって官僚機構のトップクラスを、ほとんど入れ替える。
これが腐敗を防ぎ、官僚のモラルハザードを防ぐ仕組みになっている。

一方、日本では、政権の交代は今までには皆無であった。
小泉内閣の構造改革は、一部は進んでも既得権組織の力が強くて中途半端に終わり、弱者にしわ寄せがすすんでしまった。
これを構造改革路線の誤りだとして、揺り戻そうとする勢力が息を吹き返している。

日本の衆議院総選挙も迫ってきたが、有権者の選択の目はどこを見ているであろうか?
4年前の選挙は、既得権益を象徴する郵政の「構造改革」が焦点となってしまった。
莫大な郵便貯金の使い道を、自分たちの利得にできる勢力と、それを破壊して民間銀行並みにして、自由な金融業の競争を促そうという勢力の戦いであった。
政府系の不祥事があまりにも多かったので、世論は自由化路線をえらんだが、金融の自由化の先にはアメリカのような失敗がかくされていた。
日本では金融界の行き先を示すことができないでいる。
似非専門家はどこかに隠れている。

今回の選挙での争点は、政権交代という大枠の中でしか議論が浮き彫りになっていない。
具体的な政策ではどっちつかずの「その時になってから決める」という、様子見の議員が多くて、政策判断の基準がその時の空気に流されやすく不安定である。
大きな争点をキチンと説明して、政権をとった政党が実現する方向をはっきりと示して、それを実行しなければならない。

大きな争点として必ずあげておかなければならない項目をおさらいしてみよう。
・健康的な生活を守る基本の雇用の確保、「労働分配率」「労働時間の制限」を改善する政策。
・新産業を育成するための戦略的な施策と制度。(価値を生み出す産業、企業、ひとの育成策)
・地方への権限移譲を本格的に進める意思と実行スケジュール。(総論ではなく各論の段階)
・脱化石燃料社会へ転換する施策と、再生可能エネルギーの育成政策。(環境税の創設など)
・核兵器の不拡散の戦略と、原子力発電の段階的縮小目標。(このブログでかなり説明した。)

これから4年間の政治を任される政党を選び、実行する能力と誠意をはかるのが総選挙であるから、上にあげたような重要な論点は、明確にしておくべきであろう。
多額の税金と政策の立案、実行を任せる契約書であるから、いい加減にしておいて「スローガン」だけでゴマ化すのは許されない。

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