いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

酒 (29編)

2005年07月29日 18時12分58秒 | 娘のエッセイ
 ビジネスと切っても切り離せないもの、それが「酒」である。
親睦を深めるための酒、商談などの付き合いの酒、ストレス解消

の酒、色々な飲み方があるが、親睦を深めるための酒というのが、
結構やっかいなものなのである。

 私の勤務している会社は、社員25名のうち、女性は4名とい
う完全な男性優位の会社なので、お酒を飲む機会が多い。なにか
というと、すぐに飲み会、ということになる。

 それでも、社内でテーブルをくっけて、皆で飲む時は、まだいい。
皆、比較的おとなしく飲んでいる。

しかし、外で飲むと、少々様子が違ってくる。とりわけ遠慮した
いのは、泊りでの飲み会である。

 先月も、年に一度行っている「安全大会」と称する一泊宴会が
あった。行けば、宴会の時、女性の社員はホステス役をさせられ
るのがわかっていたので、行きたくなかったが、渋々出席した。 

出席している下請けさんや、協力業者の方々とは、顔見知りで
ある。いやだ、といいながらも、さしつさされつ、結構楽しく過
ごしていた。

そのうち男性群の顔も赤くなってきたころ、私と仲の良い職人の
kさんが私に「キスをしたい」と言い出した。しかも、それを誰
かに写真をとってもらおう、というのである。「ほっぺですょー」

と言いながら私が頬を人差し指でさすと、「リハーサルしようョ」
と言い出し、結局二度も頬にキスされてしまった。

 ここに入社してから、ほっぺにキスはもう三人目である。同じ
社員なのに、男性はいい気分で楽しみ、女性はサービス役のホス
テス。完全な男女差別の世界ですね。ほんとに。

 などと、お気に入りのピアノバーのカウンターで、好きな男相
手に、話をするのってわるくない。

静かなバーにきれいなカクテル、渋いマスターと心地よいジャズ
ピアノ、隣にいい男、これだけ揃えば、例えノンアルコール派で
も、ほんのり酔ってしまいそう。

 そういう状況で飲むお酒が、私は一番好き。

 
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薬のよしあし

2005年07月29日 09時00分41秒 | 心に留めた言葉
  
   《薬を売るのは両眼、薬を用いるのは一眼、

                 薬を服する者は無眼》


 薬のよしあしを知っている者の順番を言った古いことわざ。


     平成8年4月15日読売新聞(よみうり寸評)から       
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守護霊はご先祖サマ(第28編)

2005年07月29日 08時45分43秒 | 娘のエッセイ
 誰にでも、守護霊はついているそうだ。そして、その霊はほと
んどの場合、自分の先祖の霊だという話である。

テレビを見ていると、芸能人が有名な霊能者に、守護霊を見て
もらっている場面がよくある。けれど私達一般ピープルの場合、
守護霊を知りたいと思っても、有名な霊能者に見て貰える機会

はほとんど無い。そんな時、自分の守護霊が簡単に判る方法と
いうのが、ある雑誌に紹介されていた。

 その方法とは、実に簡単であった。

まず部屋に独りで座り、心を静かに落ち着けて、自分の父方・
母方の亡くなった方達の顔をひとりずつ思い浮かべ、心の中で
その相手に向かい『あなたは、私の守護霊ですか』と聞いてゆく。

もし、自分の守護霊だった場合には、なんとも言えぬ感情が体に
走り、じーんと涙がでてくるのだそうである。

 さっそく、私はこの方法を実行してみた。知っている限りの亡
くなった祖父や祖母その他の顔を思い浮かべていった。

そして、母方の祖母に、問いかけた時、前述のような現象が、私
の身に起きたのである。ボロボロと流れる涙は止まらなかった。
その時、私は思った。(やっぱり)と。

 三人兄弟の長女である私は、完璧なおばあちゃんっ子であっ
た。私の幼少の頃の思い出の中にいるのは、いつも母ではなく
祖母だった。

 母が育児で忙しい時、私は祖母と一緒に縁側に座り、梅干に砂
糖をまぶしたものをお茶受けにして、大人びた時間を過ごしてい
たのだった。ある時、母に言われた。

 「口をすぼめる癖、おばあちゃんにそっくり」そう、私はいつ
の間にか祖母の癖まで、自分のものにしてしまっていたのだった。

 法事の際、お寺でお経を聞いているとき、故人を思い、一番たくさ
んの涙が滲んでくるのは、祖母に対してである。もう20年経ってい

るというのに、だから、私は今でも時々祖母を思い出しながら、
ひとり、梅干に砂糖をまぶして、食べている。
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