Eur-Asia

西洋と東洋の融合をテーマとした美術展「ユーラシア(Eur-Asia)」の開催を夢見る、キュレーター渡辺真也によるブログ。

チェルシーでの新スペース

2006-05-14 02:20:08 | Weblog
今週はとにかくハードだった。

先週末にチェルシーにホワイト・ボックス・アネックス・プラスというスペースを1ヶ月の契約で借り、そこでイーサン・コーヘン・プロジェクト名義で展示を行った。しかし、この新しい半地下のスペースは照明もなく、フロアも荒れていたので、1からの作業となった。照明の設置や、アトミック・サイン、イベント告知、全てが突貫工事だった。

水曜日はイーサンが主催したホワイト・ボックスのベネフィット・ディナ-の準備に追われ、木曜日はチェルシーの新スペースにてオープニング、金曜日はトライベッカのスペースにてオープニング。連日深夜までの作業が続き、本当にハードだった。で、今日は今からアクションペインティングのポスター張りと、ホワイトボックスのベネフィット・オークションです。もう自分の時間は皆無ですね、はい。

ちなみに今回展示したのは、ルカ・ピナテリとジョバンニ・リゾリは2人ともミラノで活動しているアーティストで、とってもチャーミングな人たちであった。イタリア人のアーティストは、なんだか憎めない人たちが多くて、それと、どこか日本人に似た人間的な癖をもっている気がする。

ルカが工場で使用されている梱包用の布地に、直接油彩にて絵画を描いているのだが、そのモチーフに何処か暗さが残っている。山の上を飛んでいる飛行機は、第二次大戦の記憶を喚起したものだ、とルカも述べていたが、確かにそんな雰囲気がある。私はヨーロッパの戦争体験という点でドイツ人と一致してしまう傾向があるが、イタリアも例外ではないと思う。

そういえば、コータさんにプレゼントする為にアマゾンにて買った、手塚治虫の「アドルフに告ぐ」英語版第一巻が売り切れている様で、アマゾンから「発送が遅れます」とのメールが入る。結局、ネット上の古本屋で購入し直したのだが、その値段を見てビックリ!希少本らしく、なんと1冊50ドル以上もするのだ。でも1巻だけ売り切れている、ということは、1巻だけ読んで断念してしまう人が多いということなのだろう。ああ、もったいない。