隙間時間の埋め草に幼年時代に読んだ司馬遼太郎の「燃えよ剣」を読み始めた。幼年時代の記憶だからあてにもならないが、面白かったというかすかな印象が残っていた。
しかし、今回多少は退屈しのぎになるかと読み始めてその幼稚さに目をみはったのであった。読み進むこと能わずとなった。
ま、紙芝居作家としてのテクニックは認める。しかし彼は一時、いまでもそうかもしれないが、霞が関のヘナチョコ官僚(別名エリート官僚)の愛読書第一位であったのである。いまでもそうかもしれない。もっとも、これは「燃えよ、新選組もの」ではなくて幕末明治の志士もの「竜馬が行く」とかね、のほうだろうが。ま、とんだ食わせものだね。
どうも読書範囲が広いので驚かせたかもしれない。アインシュタインから司馬遼太郎までね。自分でも驚いている。
燃えよ剣はいまでも若い読者が多いらしい。沖田総司なんていうのが人気らしいね。司馬遼太郎は彼をトリックスターに仕立てたのだが、紋切型なところがいい。トリックスターというのは紋切型でなくてはいけない。土方歳三と沖田総司ね、工夫ではある。