文学かぶれのベレー帽のあんちゃん、ねえちゃんの護符である。サルトルの言葉という。断っておくが私はサルトルを一冊はおろか一字も読んだことがない。将来も読むことがないだろう。これだけ無数に本があると、読む前の値踏みというのが大切になる。
これは読んでもしょうがないな、時間の無駄だなというカンを働かせなければならない。このカンを馬鹿にしてはいけない。このカンを大切にしないと諸君は本の海に溺れてしまう。
サルトルの考えは全然新しくない。これは実在論の一種である。プラトンであれば別だが、本質というのはホモサピエンスの知能が行った普遍化作業の結果である。したがって存在(実存)が本質に先立つのは当たり前である。詐欺書によれば(よらなくても)人間の認知革命後の産物である。人間の言語能力獲得後の「フィクション」である。
もっとも、ボーボワール・バージョンについては多少の注釈が必要だろう。以下略