Soulful Bigover

「自由」と「ロマン」を求めて、creativeなアウトドアライフをめざす。

自覚すること

2010年06月25日 | outdoor&sport
僕は、及ばずながら日本体育協会の資格である山岳指導員を取得している。
これの更新にも必要な研修会が、6/20の日曜日に行なわれ、僕も受講して来た。

主催は滋賀県山岳連盟、場所は滋賀県立比良山岳センターであった。
研修は下記の内容で講義された。

 1:登山界の現状(高齢化、山岳会の衰退、未組織者の増加)
 2:遭難の実態(単独、道迷い、転滑落)
 3:リーダーの法的責任
 4:装備(GPSの活用ヘッドライト)
  5:ロープ理論について
  6:岩場(沢含む)での安全確保
  7:岩場、急斜面の下降
  8:遭難発生時の対応
  9:その他

全体的に見て、研修内容は従来よりの基本的な山岳技術の踏襲的なものであった。
しかしながら、こうした基本的な事を学び直す事は、とても大切な事である。

人と言うものは、愚かなものである。
しばしば馴れ合いや悪しき習慣から、知らぬうちに安易な方向に陥ってしまうもの。
そして無意識のうちに行動や意識が横着になり、結果小さなヒューマンエラーが少→多となっていく。

そして積み重ねたヒューマンエラーが、人命に関わるような取り返す事が出来ない時間を作ってしまう。

これを防ぐ方法は「唯一一考」であると僕はおもう。
それは「自覚する」事。

自分はリスクの高い山岳行為を行なっているんだ、という「自覚」である。
たとえ低山の近郊ハイキングであっても、登山口より2時間も山中に入れば、緊急時の搬送も含めそのリスクは俄然高くなる。
そしてそうなった時、自分自身にどれだけの準備が出来ているのか、それが現場でリアルに問われる。

その準備とは、身体的な事はもちろん、装備やそれを駆使出来る技術の取得、多種多様の事態に対応出来るノウハウであり、その心づもり(覚悟)や状況判断/決行力であったりである。
そしてこうした準備が出来ていれば、自分がたとえ困難なデンジャーな場にあっても、命ある限りそれらの不測の事態に対処出来るはずである。

過保護な現代社会に生きる人間には、生身で体を雨に濡らした状態で体温を長時間維持する能力すらないという事の「自覚」。
(動物なら本来当たり前に出来ることである)
またヒューマンエラーは、自分が人である以上これを回避する事は不可能であるという事実の「自覚」。

山登りをする前に自然に対し劣化してしまった人が、こうした謙虚な「意識」を持つ事が、長く山に親しむ為の秘訣であるような気がする。
要は山登りしたいなら、「日々の切磋琢磨ぐらい自分でせよ!」と言う事である。

この日は、この「謙虚な意識」を思い返す事が出来た、僕にとってとても意義のあるいい研修会となった。

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