Soulful Bigover

「自由」と「ロマン」を求めて、creativeなアウトドアライフをめざす。

「悦び」

2005年10月31日 | climb
本降りの雨の中、中国道を岡山に向って車を走らせる。
ブルーな気分に支配されている車中の5名。
望みは、午後から回復するという気象庁の予報。
目的の2ルンゼはおそらく濡れてるだろう。
取り留めのない話しが続き、代替えの岩場は決まらない。
そんなうっとおしい時間が続いた。

用瀬の瀧のクライミング広場に着いたのが10時過ぎ、雨が上がる。
一の壁を見る。
ほとんど濡れていない。

手早くテントを張って、準備もそこそこに皆で2ルンゼに向う。
行くと誰もいない、でも岩は申し分なく乾いている。
行ける!
さあ、ツアークライミングのスタートである。

今回の僕の目標は「5.11台3本のRP」、課題は「ツアーでどこまで自分が動けるか」だった。
結果は、5.11a RP 一本の成果のみ、塩っぱい現実を受け入れなければならない。

でも二日間通して緊張感を持続し、トライの精神を失わずに登ることは出来た。
フリークライミングのみに、本気で集中する時間を持つ。
この事は、僕にとって大きい。
こんな日が来る事を、どれだけ望んだ事か。

昨年末に椎間板ヘルニアを患って、クライミングが出来ない日が続く苦痛を経験した。
しかし今目標の達成が出来ずに、口惜しい思いを抱いて帰路に付く自分がいる。
そのことが「悦び」である。

いいツアーは、クライミングの面白さを増幅させる。
そんなパワーをくれたツアーメンバーにも感謝である。

これをステップに、これから僕の新たな「限りなき挑戦」が始まる。

記録
 日時   10月29日(sat) 曇り
 場所   備中 2ルンゼ(岡山県)
 メンバー Mさん、Yくん、Tクン、bigoverとカミさんの5名
 ルート(★はbigoverのきまぐれ評価) 
      ○ ダンゴのリズム     5.10b OS
      ○ 象の鼻         5.11a T×2、RP×1 ★
                        計 4本

 日時   10月30日(sun) 晴れ
 場所   備中 2ルンゼ(岡山県)
 メンバー Mさん、Yくん、Tクン、bigoverとカミさんの5名
 ルート(★はbigoverのきまぐれ評価) 
      ○ かぶったエイト     5.9  OS
      ○ バットマン       5.11b T×3 ★★
                        計 4本

ツアー二日目

2005年10月30日 | Portable Weblog
二日目の今日も備中は晴れ。
昨日と同じエリアに行く。
アップの後5.11bのルートに取り付く。
なかなかテクニカルなムーブが続く、面白いルートだ。
でも詰めがあまく、3便出したが結局RP出来なかった。
心残りなサービスエリアで、土産に吉備だんごを買って再来訪とリベンジを誓う。

10/30帰路車中にて

ツアー初日

2005年10月30日 | Portable Weblog
今日の早朝より滋賀を出たメンバー五人。
雨中の高速道路では、午後から回復すると言う予報を信じて備中まで車を走らせて来た。
みんなの日ごろの行いがよかったのか、着く頃には雨も止み幸いにも岩もほとんど濡れていなかった。
五人とも陽が暮れるまで登り込む。
仕上げに成羽の焼肉店で夕食を頂く。
百点の初日であった。

10/29 21:00 備中クライミング広場のテントより

一切空無我

2005年10月27日 | life
「すべては、実態なく、なに事も、無である」
とでも読むのであろうか。

先日浅井町の「近江孤蓬庵」というお寺に伺った。
ここは江戸時代初期に建築、庭園の造営に活躍した小堀遠州という方の菩提寺である。
遠州はこの湖北の出身で華道、銘物の鑑定などにも長け、日本を代表する元祖アートプロデューサーの一人である。
また遠州ゆかりのこの寺の石庭は、県の史蹟名勝にも指定されている。
造庭家の端くれとして、前からここを一度訪れてみたいと思っていた。
たまたまこの近くの「木尾」という所で仕事することになり、今回暇を見つけて行くことが出来た。

庭は枯山水で、派手さこそ無いがよく手入れされた趣のあるいい庭だった。
また拝観料300円をセルフで仏様に払うようになっていて、仏前に座って手を合わせる機会も久々に得た。

庭の観覧後本堂内を見学すると、薄暗い6畳程の座敷に写真の軸が掲げられていた。
後日意味をネットで検索すると、この言葉は釈迦仏法の基本なのだそうだ。
何となく言わんとする所はわかるような気もするが、とてもとても今の自分はその境地に至らない。
でも、枯山水の凛とした庭のある静かな山寺でこの言葉と対面すると、俗な自分にも悠久の世界観が心にしみ入るような、そんないい心持ちになることが出来た。

改めて仏法の深さに感銘する。

あとのお楽しみ

2005年10月24日 | climb
この週末は、来週備中ツアーに向けての最終調整となった。
僕は、二日間連続で登って、自分の体の状態を確認したいと思っていた。

初日は、ツアーメンバで白嵒へ出向く。
この日寒冷前線の通過があり、日本海側(滋賀を含む)は冬模様になることが予想されていた。
結果的に、前日にMさんとメールでここに行くことに決めたのは大正解となった。
彦根が寒気帯に入り時雨れたのに対して、白嵒は終日曇天ではあったが気温もそこそこ、三人貸し切りで快適なクライミングを行った。

白嵒は、ほぼ一年振り。
アップのあと、その折オンサイトした「道普請は慌てずに」を再登した。
このルートは岩の硬さ、ルートの長さ、ムーブの多彩さなど、10台とは思えない質の高さを感じる。
ロワーダウン中腕のパンプと共に、あの時判らなかったクライミングの面白さを再確認した。
それにいつもと違うホールドや岩に触れるのは、とても新鮮である。
その後やった「モア・パワー」は残念ながら宿題としてしまったが、この日はとてもいいクライミングが出来き充実した一日となった。

明けて23日、外岩が初めてのKWさんと二人で椿に出向く。
予報では午後の降水確率が0%。
クライミングは、やっぱり晴れた日がいい。
前日の疲れはあったが、内心ウキウキでエリアに向った。

しかし予報に反し、岩場に着くなり冷たい小雨が降って来るではないか。
降雨の小止みを見計らって登るのだがまた降り出す、そんなのを繰り替えす感じだ。
そのうえ、ビレイ中や待っている間も風が当ってとにかく寒い、幾人かはこの冷たい雨にめげて早々に帰ってしまった。
というか、こんな状態でもしつこく登っている連中の方がどうかしている。
さらにそんな凍え体震える状況の中で、知り合いのFくんは僕と「なによりもクライミングはおもしろい」と熱く語り合う。
きっと彼も僕も、ほんまもんの馬鹿なんだろう。

ついに岩場には、我々二人とFくんのグループのみとなる。
体も冷えきり、しだいに雨も強くなって来た。
まだ馬鹿ではないKWさんもいるし、僕達は3時過ぎに撤収。
KWさんには、少し気の毒な初岩場となってしまった。

二日間登って感じたことは、二日目の方がクライミング感が冴えて、いい動きが出来たように思う。
でも、現時点で総合的な筋力不足は否めない。
試しに登ったアトランタは、登っている間痛いようなパンプ感があり、ホントギリギリのRPだった。
でも、もうじたばたしてもしょうがない。
いよいよ来週はツアーだ、これまでの成果がどう出るのか楽しみである。

心配は天気のみ、家で照るテル坊主吊ってツアーに備えよう。

記録
 日時   10月22日(sat) 曇り
 場所   白嵒(三重県)
 メンバー Mさん、Yくん、bigoverの3名
 ルート(★はbigoverのきまぐれ評価) 
      ○ まっ黒クロスケ     5.10a RP×1
      ○ 道普請は慌てずに    5.10c RP×1 ★★
      ○ モア・パワー      5.11b T×2  ★
                        計 4本

 日時   10月23日(sun) 雨
 場所   椿岩(三重県)
 メンバー KWさん、bigoverの2名
 ルート(★はbigoverのきまぐれ評価) 
      ○ アスレチッククラブ   5.9  RP×1
      ○ モンキー・ジャスティス 5.10b RP×1 ★
      ○ アトランタ       5.11a RP×1 ★★
                        計 3本

11. キンモクセイ(金木犀)

2005年10月18日 | Portable Weblog

モクセイ科・モクセイ属

葉腋に2〜4個の芽が縦に並ぶ。
先の大きいのが主芽、他は副芽。
晩秋、葉腋に多数の小花を束生して開花、濃い黄金色で強い芳香を放ち、低温・多湿のとき一層よくにおう。

中国原産で雌雄異株の常緑小高木、高さ4〜5m。
葉は対生、長楕円形、革質で細鋸歯がある。
花は10月、日本では雄の木ばかりで結実しない。
香りのよい花と整った樹形を愛でて、世界各国の庭園で植えられている。
近縁種にギンモクセイがある。
中国原産で雌雄異株。
花は白色で香気があり花冠は4深裂、葉縁に通常粗い細鋸歯がある。
この種も日本では雄の木ばかりで結実しない。
ウスギモクセイは、キンモクセイに似て花は少し大きく黄白色、花柄も少し長い。
葉はやや幅広く、ギンモクセイよりはやや小型。
この種類は結実する。

                「街の樹木」八田洋明著 栃の葉書房より

今夏作庭した、Tさんの前庭に植えたキンモクセイ
  厳しい夏を乗り越えて、この秋に甘い香りを出す花も咲いてくれた。
  「香り」というものは、記憶に残るもの。
  いい思い出と共にこの香りの記憶が、Tさんに残りますように。

レスト

2005年10月16日 | Portable Weblog
昨日は、雨がかなり本格的に降った。
予定していた芹谷はあきらめて、仲間と申し合わせてKO-WALLで登る事ととした。
ジムではいつものように、自分で課題を設定して登る。
約4時間ほどみっちり登り込んだところで、体が終わった。

今日は、地元で毎年開催される市民運動会。
カミさんはいくつかエントリーしていて、僕はひなたぼっこしながら応援している。
天気を思うともったいない気もするが、いいレストになったと思うようにして、のんびりな休日を過ごす。
(10/16 T小学校 運動場より)

10 . ミヤギノハギ(宮城野萩)

2005年10月13日 | Portable Weblog
マメ科・ハギ属

宮城県を代表する花、県花である。
ハギ類の中で最も美しいとされる。
毎冬根元まで枯死してしまい、翌春また地際から1.5m程伸びる。
冬芽を地上で越冬しないから樹木ともいいがたく、しかし茎は充分木化して硬いから多年草ともいいきれない。
半低木という言葉をあてるのがよいようだ。

毎年地際から1年生の枝を多数出し、高さ1〜1.8m。
公園などに最も普通に植栽されるハギ。
葉は互生して3出複葉、小葉は楕円形、両端とも尖ることが多い。
花は6〜9月、年に2回咲くこともあり、紅紫色で13〜15mm。
果実はほとんど結実しない。
本州の日本海側地方に生育するケハギから園芸化された。
シラハギは朝鮮原産の草本状低木。
古くから人家に植えられ、ミヤギノハギより大型で、特に旗弁が大きく見える。

                     「街の樹木」八田洋明著 栃の葉書房より

爽やかな秋の日に、高島市の公園で撮影。
  盛りは過ぎたようだが、それでも紅紫色の花が風に揺られてきれいだった。
  僕の作庭でも、よく植えている。
  秋の彩りには、欠かせない植物のひとつである。

「命」危機一髪

2005年10月11日 | climb
クライマーが、自分のクライミングに集中する。
その登る姿はいつ見ても、とても美しい。
クライマーは、その時の内なる自分や、外部的な環境を受け入れてクライミングする。
そして、己の生身の体だけで岩に向う、それこそが「フリークライミング」の醍醐味である。

しかし、それは決して「無防備」と言うことでは無い。
クライマーはアウトドアに出る場合、各人がそのエリアの情報を収集し、装備を揃えシステムを研究・習得し、己を鍛えスキルアップし、取付き点に立たねばならないはずである。

僕も、腰の故障が大分よくなり、最近アウトドアでのクライミングも、多く出来るようになってきた。
そのことは、とてもうれしいことで毎回計画した日が晴れるようにと、気を揉む日々が続いている。
しかしその反面、今日も無事帰るれるか、怪我がまたぶり返さないか不安で仕方ないことも事実である。
いくら準備しても、あらゆることに警戒しても、そこがアウトドアである限り、すべての危険を排除することは出来ない。
それ以上に僕は、その行為自体がハイリスクなクライミングを行っている。
今日の命の保障なんて、どこにも無いのだ。

昨日、芹谷でいくつかの「命の危機」を見た。
1. 岩場を移動中、足場として乗った岩が崩壊して、そのまま斜面を20mほど滑落。
2. ルートトライ中、2本めのクリップが出来ず、グランドフォールに近い形で着地。
3. トライ中のルートのランニングビレーセットで、ゲートの向きが逆のものや
  ひっくり返っているもの、ベントゲートカラビナがハンガーに掛っているのやら、
  とにかく無造作にヌンチャクぶら下げて、次のトライを伺っている。

幸いすべての事項で怪我人はなく、事故にならなかった。
でもいつも、なにも無ければ「よかったよかった」で済まし、あるいは事故となった場合に「あれは仕方なかったんだ」で、はたして良いのだろうか。

現に「1」に関しては、僕らはその岩が明らかに浮いているのを目視で確認出来ていた。
危険箇所通過の認識あれば、浮き石踏むことなく滑落せずに済んだはずである。(FIX張ってあるが、持っていなかった)

「2」は、ルートの形状やボルト間隔を観察し、その失敗は絶対許されないんだと、クライマーはオブザベーションすべきである。
またビレーヤーも、如何なる場合もグランドさせないビレーが出来ていたのか疑問である。
(ちなみにそのビレーヤー、リードクライミングをその後も座り込んでビレーをしていた)

「3」は、クライミングシステムをまったく理解していないと言わざるをえない。
誰でもリード中に、ゲートが逆向いたり誤ってセットすることはある。
本来なら、そうなったらその場でクライミングを中止し、そのミスを修正するべきであろう。
百歩譲ってそれが出来ない状況であったなら、せめてロワーダウン中にそれを直すことは出来たはずである。
クライミングシステムはシンプルがゆえに、一つの欠落やミスがシステム全体の崩壊になることを、肝に命ずるべきである。

最初にあげたような、登りに集中したクライミングを行うには、クライミングに対し無神経であってはならない。
繊細かつ細心の注意を払い、ルートに対峙することは、クライマーの義務であるはず。
すべてのクライマーは、「フリークライミング」という概念を、今一度見つめ直す必要があるのではないだろうか?

そんな「気掛かり」がした、インパクトのある一日だった。

記録
  日程   2005.10/10(mon) 曇時々雨
  場所   芹谷 屏風岩
  メンバー Mさん、かみさんと二人 計3名
  ルート 
       ○ ラ・バンバ  5.11a T×1
       ○ ムササビ小僧 5.11c T×1、RP×1
       ○ 舞姫     5.11b T×1、RP×1
                    計 5本   

そろそろっと

2005年10月06日 | essay
我が家で飼っているイシガメである。
こんなのが3匹いる。
こいつの名は「タマニ」。
「・・ニ」がいると言うことは、「・・イチ」も「・・サン」もいる。

我が家に来てから足掛4年、すっかりここの生活に馴染んでいる。
朝ゲージの前に行くと、餌を求めてガサガサ寄ってくるし、仕事から帰宅するといつもカメライトの下でリラックス姿勢で温もっている。
そんな様子はなかなか愛嬌が合って、は虫類とは思えないあったかさがある。

今は秋だが、もうすぐさむい冬もやってくる。
でも水温を25℃に保ってやるので、こいつらは冬眠しない。
そのためにサーモ付きの温水ヒーターを付けているのだが、これが電力を意外に消費する。
これからの時期、カメを飼うのにも余分な経費が掛かる。

こんなこと考えながら、暮らしがそろそろっと冬仕様に変わっていく。