Soulful Bigover

「自由」と「ロマン」を求めて、creativeなアウトドアライフをめざす。

年の暮れに

2012年12月26日 | essay
『こいのぼり』

蝸牛会アート展でカミさんが描いた作品(2012.5撮影)


何だか、バタバタと落ち着きのない一年だった。
今年より岳連の役員を仰せつかって、その事業や行事に、
僕自身が振り回されていたのかもしれない。
地に足を着けた仕事や山での活動が、思うように出来なかった。
そして、何だかフワフワとした感じを残したまま、2012年が終わろうとしている。

来年は、年齢的にも節目となる年である。
でも、これからの日々をどんな心持ちで過ごしていけばいいのか、
まだ暗中模索である。

パタゴニア社の社訓的な言葉を綴った「パタゴニアン100ヶ条」を読み返してみた。
その中の41条に
「50歳を過ぎてから信念と確信に満ちた仕事をはじめる」
とあった。

大きなキャンバスに描かれたこの気持のいい鯉にも、気持を新たにするきっかけをもらう。
大きく泳ぎだすのは、これからかもしれない。

己の気持次第だ。


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パタゴニアン100ヶ条

1.ルールは盲目的に従うものではなく、自分たちで創るものである。
2.過ぎ去りし時代の栄光、成功をひきずらない。
3.夢中になり悪戦苦闘することが仕事であり、それは決して苦労ではない。
4.我を忘れることが遊びである。
5.何事も閃いたり、思ったら、まずアクションをひとりでも起こす。
6.お金のかからない自分なりの贅沢を知っている。
7.ムダな生活用品よりも趣味に関するモノの方が家に多い。
8.業界づきあいは必要最低限にとどめる。
9.神出鬼没。
10.単純なくりかえしの作業に神経を集中することが出来る。
11.神は決して人の姿をしていないと思う。
12.利害関係ではない人間関係に恵まれている。
13.プロの物書きではないが文章を書くのは好きである。
14.投機的なることにはいっさい興味がない。
15.寝食忘れて物事を追求してしまう。
16.太陽系の中のひとつの惑星に自分は生きていると感じることがあり、神秘を知る。
17.生きることはユーモラスなことだと笑うときもある。
18.ハードなときでも人生や仕事を楽しむコツを知っている。
19.大人の常識よりも子供の奔放さに本来の姿を見る。そして感心する。
20.生活習慣のひとつに日記やスケッチがある。
21.インスピレーションやテレパシーに満ちた生活を送っている。
22.およそ営利目的だけで作られた新製品には興味がない。
23.名コックの料理もいいが、山の上で渇きを潤おす一個の果実の至上の美味を愛す。
24.美術館の中の高価な美より日常生活の中に在るさりげない美を愛す。
25.人は誰しもがアーティストだし、そうあるべきだ。
26.クリエイティブな作業に没頭しているときに生きる悦びさえ感じる。
27.歩いて行ける所ならば、車には乗らない。
28.子供の頃から好きで、ずっとやりつづけていることがある。それがあるから自分だと思う。
29.モノの名称よりも、自然に関する名称をよく知っている。
30.動物との共生感が人には絶対に必要な感覚であると信じている。動物は魂の友である。
31.山や海は聖書以上の偉大なるバイブルであると感じたことがある。
32.喜びや富は多くの人と共有すべきものである。
33.悲しみは自分だけのうちにひっそりと秘め大事にすべきもののひとつである。
34.文明ということでいえば、先進国より未開社会に真価をみる。
35.マス・メディアを信用しない。観ない、読まない。
36.都市での流行現象に無関心のうえ、他人を意識したファッションを着ない。
37.どんな問題も頭で解決するものではなく手と足を使い解決する。
38.過ち、失敗からは逃げず真剣に取り組む。
39.手になじんだ道具を使い、創造する趣味がある。
40.コレクターではないが、愛着のあるモノがたくさんあり、大事にとってある。
41.50歳を過ぎてから信念と確信に満ちた仕事をはじめる。
42.生涯一職人的なスピリットを持った自由人であろうとする。
43.人は誰しも何らかの使命を持って生きるべきだと思い、それを実践している。
44.仲間たちとの仕事、遊びであれば思い切りエンジョイできる。
45.原点が何であるかを知り、そこに戻らず、よりよい方向へと前進する。
46.人と能力を競いあうことよりも高めあうことに興味がある。
47.いくつになっても自然に対する驚きを忘れない。
48.ネクタイ、スーツが仕事着だとは思わない。働きやすいスタイルが一番。
49.テキパキと仕事をこなしてしまったら、勤務時間中でもあとは勝手。
50.知的な好奇心と体のはたらきがひとつである。
51.人と人との出会いからすべてがはじまり、そこに未来が開かれていった。
52.誰も歩まなかった道を先人たちの残した英知をムダにせずに歩む。
53.組織はシステムではなく個人が解放されるサークルであるべきだ。
54.何よりも自己の健康の管理が大切である。と同時にメンタリティの自己コントロールも。
55.フラストレーションを決して他者にぶつけない。
56.音楽の響きの奥に感情の源を知る。
57.エゴがある限り、それをのぞむ限り、人は何も得ることができない。
58.町内の人々と親しく長いつきあいがある。街にも通じている。
59.酒場で決して社会、会社、家庭の自慢や愚痴をいわない。
60.よきライバルである親友たちに恵まれている。仕事でも遊びでも。
61.超自然、非科学的世界におけるフォースを信じる。強い関心があり、調べたりもする。
62.何事も決断が早い。
63.体験したことのないことを知ったかぶりをして批判的に語らない。
64.年少者であれ年輩者であれ年の差を超えて、よき人生の友となれる。
65.道具とは社会の中のルールではなく、地球そのものに対する愛であると思う。
66.前例のないことでも、正しいと思えばやってしまう。
67.他人の意見を尊重するが、自分の意見は曲げない。
68.大自然を前に神を感じたことがある。
69.飛行機では行くことのできない旅先に憧れ、何度も実際に行ったことがある。
70.心の通った握手のやり方を心得ている。
71.天体に関する忘れ難き思い出がある。
72.旅行以外のときは手ぶらで暮らすのが性に合っている。
73.昼と夜の過ごし方のメリハリがハッキリしている。
74.いくつになっても、たえず何か学ぼうとする。
75.鍵の数だけ人は不幸であり、賞なるものも、その鍵と同じである。
76.シンプルな生活ほど人の強さをあらわしている。
77.テレビを観ることは、ほんの気晴らしである。観ないにこしたことはない。
78.家族内での断絶はない。
79.自分独自の人生経験にのっとった暦がある。
80.ひとり暮らしの不自由さは感じない。
81.休日に退屈をおぼえることはない。気の向くままに行動している。
82.カルチャー・ショックにより自分自身を強くすることができる。
83.いつも太陽と月が気になる。
84.計算よりも偶然のなりゆきに事の本質があることを知る。
85.自分が心安らげる場所が何処かよく知っている。
86.盛り場よりも"外れ"のちっぽけな町を愛する。
87.マネー・ゲームのために結束し、抗争はしない。そんなゲームからはおりる。
88.古き佳き時代の音楽やアート・オブ・リヴィング、詩、人を愛する。
89.女子供という見方、扱い方をしたことがない ― 男ならば。
90.他人のプライバシーをのぞきみしたり、干渉したりするようなことも、気もない。
91.肩書きで相手をみない、そんなものに惑わされない。
92.東洋的、日本的な文化や精神世界への関心がある。
93.何であれ、他人をうらやましいと思ったことがない。
94.どんなに忙しくても、本を読む時間はつくる。
95.遊び友だちとの笑いに満ちた長く自然のつきあいがある。
96.ネイティブ・ピープル、カルチャーに尊敬の念を抱く。
97.臨機応変の生き方をしている。
98.それを欲しているうちには、それは本当に手に入らないことを知っている。
99.海と山で、この地球のことを学び、街で、人生のことを学んだ。
100.はじまりは終わり、終わりははじまり・・・であると知る。

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リズム

2012年12月17日 | climb
『リズム』

(転記掲載)

16日、”チ~ム Bigover” は、三重の白嵒の岩場でクライミングする。
山の会の友人達四名で、暖地のエリアに出向きフリークライミングを楽しんだ。。
一年ぶりの石灰岩でのクライミングは、いろんな意味で思いを巡らす事が出来き、
意義のある一日となった。

記録                          
 日時    12月16日(日) 快晴
 場所    白嵒の岩場(三重県)
 メンバー  ”チ~ム Bigover”とSくん、Mさん
 ルート   try ×3
        内RP(グレード/★数はbigoverのきまぐれ)
        〇 まっ黒クロスケ     5.10a RP×1

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山に入るとき、心がけている事がある。
ローインパクトである事。
自然に対しても、社会に対しても、人に対しても。
己を消し自然と同化し、そこにある草や木、岩と同じ存在になるよう心持つ。

でも、これを実現する事はかなり難しい。
フリークライミングは、この事の糸口を僕に教えてくれる。
自然の造形である岩を登るとき、それが持つリズムに乗れた時だけ、
納得出来る登りとなる。
”クライミングを唄う”ことが出来る。

今回、久々にフリークライミングのエリアに出向いた。
時たま、ちょろっと行って唄えるほど、クライミングは甘くない。
当然、この日唄えるはずはない。
でも、ここち良い、岩のリズムを感じた。

自然のリズムの中で山と同化する、
そんなクライミングを、これからも目指す。


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山屋の集まり

2012年12月13日 | Mountaineer
尾形事務局長の演説

(南小松白汀苑にて 2012.12撮影)


12月8~9日にかけて、大津市南小松の民宿で開催された
近畿ブロックの山岳連盟役員会議に出席した。

この会議は、各県の岳連主要役員が年に一度一同に会して、
岳連の山岳活動について相互的な立場で話し合う場である。
僕は、今年度より滋賀岳連の指導委員長となったので、この会議の末席についた。

記録
12/8~9(土日)晴れ
 会議 近畿地区山岳連盟総合会議
 場所 白汀苑(大津市南小松)
 出席 日山協/各岳連役員 40名
 日程 8日PM 全体会議~分科会~懇親会
     9日AM 分科会~全体会議(まとめ)

○ ○ ○ ○ ○ ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ○ ○ ○ ○ ○

日本の山岳組織はピラミッド型ではない。
各都道府県の山岳連盟は日本山岳協会の下部組織ではあるが、
それぞれが独立した組織である。
また日本山岳会や都岳連はこの日本山岳協会に属しているのだが、
実はこれらの団体は日本山岳協会の前身である、というちょっと複雑な形態をとる。
なので一般の人には非常に分かりにくい人の力関係や組織形態を内包している。
過去には、山という舞台を離れて政治的にあるいはメンツのために
離合集散を繰り返したという負の経緯もあるようだ。

しかしながら、来年度より「社)日本山岳協会」は「公益法人)日本山岳協会」となる。
これまでは、自分たち向け(内向け)での組織運営で良かったが、
今後はそうしたエゴ丸出しの活動は許されなくなった。

そうした事もあって、協会内でいま組織/体質改革が成されている。
その説明もあって、この会議に東京から尾形好男事務局長も来県され、
会議の冒頭に現状説明と今後の運営について力説された。

尾形さんと言えば日本を代表するアルピニストである。
そんな本物の山屋が、このような政治駆け引きを必要とする仕事に
携わっておられるのを見て少し気の毒に思えた。

会議は2日間、僕は指導/遭対/技術委員会の分科会に出席する。
何せ初めての出席でもあったので、この二日間はおとなしくしていようと思っていた。
しかしその委員の中に、山登りの大先輩であり旧知の岳友でもある方が2名おられ、
その気安さもあって僕も議論に中に加えて頂き、他の皆さんにも受け入れて頂いた。
夕食時の懇親会では夜遅くまで山談義に花を咲かせ、
今まで以上に親交を深めるいい時間を持った。

古い組織にはこれまでのしがらみや対面、個々の意地が存在する。
これらを改編しようとする事は決して容易な事ではない。
ままならぬ事である。
理屈では通らぬそうした障壁を自助に寄って改善していく事は、
相当な覚悟が皆に必要である。

でも、この日会った岳人達のやる気に、すこしではあるが
光明を見た気がした。

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冬の音

2012年12月04日 | Mountain winter
山道を行く

(竜ケ岳にて 2012.12撮影)
 

”チ~ム Bigover” は12月初めの週末は、所属する山の会の山行と岳連事業の【岳連山塾】に参加した。
1日は、仲間の7名で雪降る鈴鹿の竜ヶ岳をピークハントする。
2日は、京都のコンピラの岩場で岩稜歩き(アイゼン装着)のトレーニングを行なう。

両日とも今季の冬山への準備的な山行だ。
心技体をウインターモードに切り替える二日間となった。

山行記録
 12/1(土)
  山域     鈴鹿 竜ケ岳    
  目的     ピークハント(岳連やまっこ例会山行)
  日程     2012年12月1日 
  メンバー   ”チ~ム Bigover” +5名 計7名
  登山口    石槫峠登山口(689m)  
  ルート概況 
       ・累積標高(上り): 390m  ・累積標高(下り): 390m  ・総歩行距離  3.5km        
       ・行程時間 3時間 ・ルート状況 降雪期・一般ルート
       ・山行形態   日帰り(ビバーク装備有り)   トレック登山

  行程(トレース地図
   一日目 雨~雪
   7:30自宅発→8:30旧永源寺町役場跡集合~石槫峠P
    9:40石槫峠登山口(689m)~重ね岩(830m)~11:20竜ケ岳(1099m)~
     往路下降~12:20登山口(689m)下山→自宅着(13:30)

 ヤマレコ記録はこちら(写真/行程詳細記載)

 12/2(日) 【岳連山塾】4をスタッフとして主管する
  目的   実際に岩稜を登り降りして、安定した歩行技術を習得する
        (登山靴の方・アイゼンピッケル装着の方)
  主催主管   滋賀県山岳連盟 指導委員会
  日時   2012年12月2日(日曜日)
  場所   京都市大原 金比羅岩場周辺
  対象   ・岩稜登山初級者
       ・アイゼン歩行の基礎を習得したい方及び再確認したい方
       ・久しく岩稜登山から遠ざかっていて岩登りしたい方
       ・初冬の金比羅の岩に触れて楽しみたい方
       ・この研修をお手伝い頂ける方・等々
  山行内容 
       ・金比羅の岩場Y懸尾根周辺の岩場での登下降
       ・トップロープで岩稜帯の登下降・等々
  山行時間  7時間
  参加    スタッフ 4名  塾生 9名  計13名

 滋賀岳連HP【岳連山塾】4報告

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アイゼンと岩が擦れるギョリッ、ピッケルが岩に当るクゥロォン、
季節風が尾根にぶつかってグゥォー・・・。
僕にとっては、どれも冬をイメージする音だ。
こんな音らを耳にすると気持が締まる。
いい緊張感だ。
本当の意味で、自然と正面から対峙できる冬山。
リスクと背中合わせの冬の山行は、今の己が試されているようで面白い。
そんな心持ちを思い出させてくれるいい音が聞けた、
冬シーズン初めのこの週末だった。

       
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