Soulful Bigover

「自由」と「ロマン」を求めて、creativeなアウトドアライフをめざす。

達成感を得る為に(北アルプス 双六岳縦走)

2009年09月29日 | Mountain summer
              『憧れの景』
                  これ以上にキミはなにを望む

                             (初秋の北ア西鎌尾根にて)

登山やクライミング、決して楽な”あそび’ではない。
知り合いから「なにが面白いのか?」とよく尋ねられる。
その質問に、たいがいはうまく応えられない。
でも今回の双六岳縦走は、自分の中のそんな不透明な思いが少し晴れたような山行だった。

我が”チ~ム Bigover”(現在カミさんと二人の少数精鋭?のチーム)は、今年のはじめに「双六岳に行こう」という目標をたてた。
まず時期を二人で検討する。
そして今回は、春スキー偵察もかねて夏に縦走しようと言う事になった。
夏が近づくとその準備をかねて何度かトレーニング山行を重ね、モチベーションをあげる。
そしてお盆の休暇にこの計画を実行する。
しかし、山行中にカミさんが体調不良を起こす。
で、双六への縦走を断念する。

「山は逃げる」(一度敗退した山行はその後たいがい行けなくなる、の意)
これは四半世紀に及ぶ山での経験から得た僕の持論だ。
でも僕たちはシブとく当初の目標を思いつづけた。
幸い今年は9月に大型連休があって、夏と同じ行程で再計画する。
そして暑いさなかの低山ハイクトレーニングを行ったりして準備した。

しかし出発の前週、天気予報が怪しい予報を出す。
大型の台風がシルバーウィーク中に日本に接近するという。
この時期、北アルプスの稜線での天気判断は難しい。
一旦荒れだすと吹雪いたりして、中途半端な装備では生命が保たない事がある。
当初の計画を破棄して、違う山域でのサブプランも考える。
あるいは10月の三連休に順延するか・・・。
カミさんも前回のトラウマと重装備での縦走経験の少なさから不安を訴える。
やはり「山は逃げる」か?

幸い土壇場になって台風が逸れた。
カミさんに「大丈夫だ!」と根拠のない励ましを送り、計画を元に戻す。
日程は、19~20日は台風の吹き返し風が強いと予想されたので20日入山とした。

山登りは入山してしまえば、後は淡々と歩みを進めるのみである。
苦しければ我慢し、じっくり登下降する。
テント山行では可能な限り充実した食事をとり、安眠を得る努力を惜しまない。
状況に応じて快適な環境を自らが創っていく。
これがなんとも面白い。

メインの西鎌尾根は幸い無風快晴となる。
暑くもなく寒くもない、最高の縦走日和だ。
絶景となった西鎌尾根越しの槍が岳眺望は、これまでがんばって来たチームへのご褒美だ。
この後、21日夕方より22日に掛けてやや天候がくずれたが、許容範囲で苦にならない。
目的の双六岳にも静かな登頂を果たし、計画通り3日間の縦走を無事終える。
”達成感”に満たされた山行となった。

この”達成感”は、ただ単に登頂出来たからではない。
期間を通して目標を立て、それに向けて心つもりや体つくり、またそれに伴う時間や装備・お金など準備を進めてきた。
そうした充実した日々があってこその念いであるといま認識する。

連休がとれた事(仕事が暇?)天候回復などいろんな幸運が重なって、「逃げる山」をなんとか捕まえる事が出来た今回の山行。
さて、次回はどんな目標を立てて計画立案しようか?

満たされる”達成感”を得る為に・・・!




myテントと滝谷遠望 夏以来の来訪に気持がおどる
(槍平幕営地にて)


西鎌尾根全貌 赤茶けた硫黄尾根の向こうに目指す双六方面を望む
(千丈乗越付近にて)


北アルプスの秋の始まり 草紅葉が美しい
(飛騨沢にて)


ウラシマツツジ紅葉
(千丈乗越付近にて)


西鎌尾根と主峰「槍ケ岳」 
(左俣岳付近にて)


重荷を背負った長い縦走もいよいよ終盤、ガスの切れ目から双六小屋の赤い屋根望む
(樅沢岳の尾根より)


目標だった双六岳の幻想的な尾根を行く、達成感に満たされた穏やかな心持ちでここを歩いた
(双六岳主稜線にて)

トレース概要図


記録
 山域・目的  北アルプス/双六岳 縦走登山
 日程     2009年9月20~22日 テント泊 
 メンバー   カミさんと二人
 データ    標高差1770m  距離 35km

 行程 9/20(日)晴れ  
      10:00 自宅発→高山IC→鍋平高原無料駐車場 (2:30着)
          →新穂高ロープウェイ駅(200円+100円)

      08:05 新穂高温泉駅(1090m)入山
      09:00 穂高平小屋(1340m)~白出沢
      12:10 滝谷出合レリーフ前(1730m)
      13:30 槍平小屋(1990m)(幕営泊)

    9/21(月)快晴  
      02:00 起床
      04:20 出発(1990m)~飛騨沢道
      06:40 大食西尾根末端付近(2500m)~飛騨沢道分岐
      08:00 千丈沢乗越(2734m)~西鎌尾根(鎖場通過~左俣岳)
      10:00 硫黄尾根手前(2600m)~西鎌尾根(硫黄乗越~前樅沢岳)
      13:00 樅沢岳(2755m)登頂
      13:30 双六小屋(2550m)BC設営
      14:30 双六岳へ
      15:30 双六岳(2860m)登頂~同ルート下降
      16:40 BC着(2550m)

    9/22(火)曇り/雨  
      03:00 起床~BC撤収
      05:45 BC発(2550m)~主稜線~弓折岳手前分岐
      08:00 鏡平(2290m)~小池新道(シシウドケ原~秩父沢)
      11:15 わさび平小屋(1402m)~林道
      12:45 新穂高ロープウェイ駅(1090m)下山
      
      14:30 ロープウェイ→鍋平高原駅→駐車場発→「道の駅」奥飛騨温泉郷上宝にて食事
          →割石温泉(神岡市)入浴→富山IC→帰宅(22:30着)

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山でユラ~っとテンカラ(’09-11)

2009年09月28日 | Mountain fishing
気がつけば、この日は9月最終の日曜日。
来月からは、渓魚が禁漁となる。
今年は結構気合いが入っていたんだが、釣果はさっぱりだった。
まぁ、こんなもんなんだろうと、この日は肩の力抜いて入渓した。

すると最初のポイントの一投目で5寸程のカワムツをゲット。
なんと幸先がいいんだろう。
いいポイントでは、川の中にたくさんの魚影も確認出来る。
毛針を放り込むと、大きめのカワムツが順調に釣り上がってくる。

そして最終の堰堤前の淵で7寸のイワナがヒット。
竿がしなるこの快感、う~ん久々である。
最後の最後でいい渓魚があがって、何とも満悦である。
これで悔い残す事なく今年のテンカラを納竿出来る。

夕食に今日の釣果をお酒とともに美味しく頂く。
自然の恵みに対して、”有り難うございました”である。

釣果の渓魚


DATA
 9/27(日)
   気象    ・晴れ ・気温  未測定 ・水温 未測定 ・風なし           
   場所    Uso川 
   入渓    10:00より 3.0時間    
   水況    ・水量 少量 ・水質 清流  ・魚影濃い
   釣果    C&K;岩魚7寸 1尾 カワムツ数尾
         C&R:カワムツ数匹

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38.山車 上澄

2009年09月18日 | Liquor collection
酒名    「山車 上澄」蔵人の酒
種類    純米酒
容量/価格  300ml 価格500円
入手    2009.8.15 「道の駅」奥飛騨温泉郷上宝にて
醸造元   有限会社 原田酒造場  
         岐阜県高山市上三之町10番地
評価    ★ フルーティ、夏が似合う (★はbigoverのきまぐれ評価)
        色   / 透明            
        香り  / ほのかな甘さ  
        口当たり/ なめらか 
        味   / さっぱりした辛口
        のどごし/ さらり感の後ぴりっとする
      
メモ    夏山山行帰りの自分土産。この山行は敗退だったのでこの連休でリベンジする。
      今度は同じ店で違う酒を購入予定

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”心構え”を整える

2009年09月14日 | outdoor&sport
               核心の岩稜で余裕のピースサインを出す登山者(カミさん) 
                                (爽快な北ア穂高 馬の背にて)        

9/13(日)は、所属する山岳会「やまっこ」の岩稜歩行講習会に参加した。
場所は、京都大原の金毘羅の岩場。
総勢11名の老々男女?が集まって、それぞれのレベルで技術講習を受ける。

我が”チ~ム Bigover”は、クライミングも嗜むチームだ。
おかげさまで、このクライミング技術が写真のような高山での岩稜帯歩行にも役立つ。
現地で岩稜を見て、ラインを読みホールドを確認してムーブしていく。
そうして爽快な岩稜帯を、フリークライミングで痛快に登下降する。
北アルプスなど高山登山の醍醐味である。

でも、これはあくまで「晴れていれば」という条件付きだ。
こうした場所で、登山者が天候など状況の変化にどう対応出来るかはまた別の話。
けっしてなめてはいけない。

この講習会の中で、システムの基本なども諸先輩方から指導も受ける。
心構えを正せた講習会だった。

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岩登り

2009年09月07日 | climb
             豪快な花崗岩を攀じるクライマー、今年の夏をここで締める 
                                  (Sengoku岩にて) 

この日の”チ~ム Bigover”は、Yちゃんを加えて3名。
大津のSengoku岩にやって来た。
3名ともフリークライミングする事自体久々だった。
こんな日は、迷わず「トップロープ」セットで”お楽しみ”に徹する。
岩の形状にムーブをはめるように登る花崗岩のクライミング、登るほどにいい感触が甦る。
合間の時間も世間話に花を咲かせて、Sengoku岩での時間を存分に楽しんだ。

記録
 日時   9月6日(日) 快晴
 場所   Sengoku岩
 メンバー Yちゃんとカミさんの3人
 ルート(★はbigoverのきまぐれ評価)
      〇  バフフェイス、クリンクリン横のルート、オダハング    

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『雲上の人』

2009年09月04日 | life
          雲海が広がる山上で、爽やかな朝を迎える
          岳人にとって至福の一時でもある

                     (白馬岳山頂付近にて撮影)

仕事から帰宅して、夕食&晩酌を終える。
そしていつものように、寝るまでのくつろぎタイムはTVである。
うちは基本的にNHKファンで、毎日の番組チェックもまずここからなされる。
ドラマなんかも民放のチャラチャラしたものより、質も良く役者も揃っていてずっといい。

例えば月曜日。
国谷裕子キャスター司会の「クローズアップ現代」~バラエティの「鶴瓶の家族に乾杯」、そして9時からは「ニュースウオッチ」とチャンネル変更なしである。
特に、「ニュースウオッチ」の田口五朗さんの横はいりコメントが意外に的を得ていて、僕は好きだ。

問題はここから。
10:00からなにを見るかだ。
朝日の「報ステ」は内容が貧弱なのと、古館の民意を誘導しようとするアナウンスが耳障りで嫌いだ。
チャンネルピコピコまわしても、他局はたいがいくだらんバラエティか薄っぺらいドラマである。
結局また元のNHKに戻る。

この時間帯はよく特集やってるので、いいのがあればそれを見ることとなる。
それでもダメならNHK教育へ。
これが結構面白いのがそろっている。

このチャンネル内で最近我が家で受けがいいのが、水曜日10:00から放送の「趣味悠々 山で元気に!田部井淳子の登山入門」。
山登りの素人がエベレストサミッターの田部井淳子に教えを請いながら、ハイキング~装備購入に始まって最後に富士山に挑むという設定のハウツー番組だ。
全10回放映で、時間とお金を掛けたなかなか’力’の入った内容である。
この中で、司会というか生徒役のルー大柴がいい味を出している。
ルー大柴と言えば、変な英語を会話に混ぜながらトークするバラエティタレントだ。
以前はちょっとキャラクターが強すぎて、僕はあまり好きでなかった。
でも、そんなキャラも最近は角が取れたようで、今はいい案配になったと思っていた。
(去年NHKでちょっとブレイクして、NHK慣れしたのかな?)
この不思議なキャラを持つ癖のあるあのルー大柴が、意外にもくそまじめに山に挑む。
田部井淳子との掛け合いは、不思議な間があって面白い。
ルーは自虐的に番組をリードし、山での注意点やノウハウもわかりやすく解説している。

そして、毎回番組終了時には司会のルーが一人登場して、あの大きな目をひんむいて薄笑いを浮かべながら、しらじらしくNHK出版のテキスト販売の宣伝をやる。
これが意外に番組を締めているようにぼくは思う。
毎回見終わった後は、いい山行を終えた後のような、そんな心持ちになる。
これは彼のうまさなのか・・・、不思議な存在である。

もう来週の放送で7回目となり、今度は燕に出向くようだ。
どんな山行になるのか、ちょっと期待も持たせてくれる。
NHKらしいうまい構成になっていると思う。

なかなかいい番組だと思う、興味ある方ぜひご覧下さいませ。

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