『憧れの景』
これ以上にキミはなにを望む
(初秋の北ア西鎌尾根にて)
登山やクライミング、決して楽な”あそび’ではない。
知り合いから「なにが面白いのか?」とよく尋ねられる。
その質問に、たいがいはうまく応えられない。
でも今回の双六岳縦走は、自分の中のそんな不透明な思いが少し晴れたような山行だった。
我が”チ~ム Bigover”(現在カミさんと二人の少数精鋭?のチーム)は、今年のはじめに「双六岳に行こう」という目標をたてた。
まず時期を二人で検討する。
そして今回は、春スキー偵察もかねて夏に縦走しようと言う事になった。
夏が近づくとその準備をかねて何度かトレーニング山行を重ね、モチベーションをあげる。
そしてお盆の休暇にこの計画を実行する。
しかし、山行中にカミさんが体調不良を起こす。
で、双六への縦走を断念する。
「山は逃げる」(一度敗退した山行はその後たいがい行けなくなる、の意)
これは四半世紀に及ぶ山での経験から得た僕の持論だ。
でも僕たちはシブとく当初の目標を思いつづけた。
幸い今年は9月に大型連休があって、夏と同じ行程で再計画する。
そして暑いさなかの低山ハイクトレーニングを行ったりして準備した。
しかし出発の前週、天気予報が怪しい予報を出す。
大型の台風がシルバーウィーク中に日本に接近するという。
この時期、北アルプスの稜線での天気判断は難しい。
一旦荒れだすと吹雪いたりして、中途半端な装備では生命が保たない事がある。
当初の計画を破棄して、違う山域でのサブプランも考える。
あるいは10月の三連休に順延するか・・・。
カミさんも前回のトラウマと重装備での縦走経験の少なさから不安を訴える。
やはり「山は逃げる」か?
幸い土壇場になって台風が逸れた。
カミさんに「大丈夫だ!」と根拠のない励ましを送り、計画を元に戻す。
日程は、19~20日は台風の吹き返し風が強いと予想されたので20日入山とした。
山登りは入山してしまえば、後は淡々と歩みを進めるのみである。
苦しければ我慢し、じっくり登下降する。
テント山行では可能な限り充実した食事をとり、安眠を得る努力を惜しまない。
状況に応じて快適な環境を自らが創っていく。
これがなんとも面白い。
メインの西鎌尾根は幸い無風快晴となる。
暑くもなく寒くもない、最高の縦走日和だ。
絶景となった西鎌尾根越しの槍が岳眺望は、これまでがんばって来たチームへのご褒美だ。
この後、21日夕方より22日に掛けてやや天候がくずれたが、許容範囲で苦にならない。
目的の双六岳にも静かな登頂を果たし、計画通り3日間の縦走を無事終える。
”達成感”に満たされた山行となった。
この”達成感”は、ただ単に登頂出来たからではない。
期間を通して目標を立て、それに向けて心つもりや体つくり、またそれに伴う時間や装備・お金など準備を進めてきた。
そうした充実した日々があってこその念いであるといま認識する。
連休がとれた事(仕事が暇?)天候回復などいろんな幸運が重なって、「逃げる山」をなんとか捕まえる事が出来た今回の山行。
さて、次回はどんな目標を立てて計画立案しようか?
満たされる”達成感”を得る為に・・・!
myテントと滝谷遠望 夏以来の来訪に気持がおどる
(槍平幕営地にて)
西鎌尾根全貌 赤茶けた硫黄尾根の向こうに目指す双六方面を望む
(千丈乗越付近にて)
北アルプスの秋の始まり 草紅葉が美しい
(飛騨沢にて)
ウラシマツツジ紅葉
(千丈乗越付近にて)
西鎌尾根と主峰「槍ケ岳」
(左俣岳付近にて)
重荷を背負った長い縦走もいよいよ終盤、ガスの切れ目から双六小屋の赤い屋根望む
(樅沢岳の尾根より)
目標だった双六岳の幻想的な尾根を行く、達成感に満たされた穏やかな心持ちでここを歩いた
(双六岳主稜線にて)
トレース概要図
記録
山域・目的 北アルプス/双六岳 縦走登山
日程 2009年9月20~22日 テント泊
メンバー カミさんと二人
データ 標高差1770m 距離 35km
行程 9/20(日)晴れ
10:00 自宅発→高山IC→鍋平高原無料駐車場 (2:30着)
→新穂高ロープウェイ駅(200円+100円)
08:05 新穂高温泉駅(1090m)入山
09:00 穂高平小屋(1340m)~白出沢
12:10 滝谷出合レリーフ前(1730m)
13:30 槍平小屋(1990m)(幕営泊)
9/21(月)快晴
02:00 起床
04:20 出発(1990m)~飛騨沢道
06:40 大食西尾根末端付近(2500m)~飛騨沢道分岐
08:00 千丈沢乗越(2734m)~西鎌尾根(鎖場通過~左俣岳)
10:00 硫黄尾根手前(2600m)~西鎌尾根(硫黄乗越~前樅沢岳)
13:00 樅沢岳(2755m)登頂
13:30 双六小屋(2550m)BC設営
14:30 双六岳へ
15:30 双六岳(2860m)登頂~同ルート下降
16:40 BC着(2550m)
9/22(火)曇り/雨
03:00 起床~BC撤収
05:45 BC発(2550m)~主稜線~弓折岳手前分岐
08:00 鏡平(2290m)~小池新道(シシウドケ原~秩父沢)
11:15 わさび平小屋(1402m)~林道
12:45 新穂高ロープウェイ駅(1090m)下山
14:30 ロープウェイ→鍋平高原駅→駐車場発→「道の駅」奥飛騨温泉郷上宝にて食事
→割石温泉(神岡市)入浴→富山IC→帰宅(22:30着)
これ以上にキミはなにを望む
(初秋の北ア西鎌尾根にて)
登山やクライミング、決して楽な”あそび’ではない。
知り合いから「なにが面白いのか?」とよく尋ねられる。
その質問に、たいがいはうまく応えられない。
でも今回の双六岳縦走は、自分の中のそんな不透明な思いが少し晴れたような山行だった。
我が”チ~ム Bigover”(現在カミさんと二人の少数精鋭?のチーム)は、今年のはじめに「双六岳に行こう」という目標をたてた。
まず時期を二人で検討する。
そして今回は、春スキー偵察もかねて夏に縦走しようと言う事になった。
夏が近づくとその準備をかねて何度かトレーニング山行を重ね、モチベーションをあげる。
そしてお盆の休暇にこの計画を実行する。
しかし、山行中にカミさんが体調不良を起こす。
で、双六への縦走を断念する。
「山は逃げる」(一度敗退した山行はその後たいがい行けなくなる、の意)
これは四半世紀に及ぶ山での経験から得た僕の持論だ。
でも僕たちはシブとく当初の目標を思いつづけた。
幸い今年は9月に大型連休があって、夏と同じ行程で再計画する。
そして暑いさなかの低山ハイクトレーニングを行ったりして準備した。
しかし出発の前週、天気予報が怪しい予報を出す。
大型の台風がシルバーウィーク中に日本に接近するという。
この時期、北アルプスの稜線での天気判断は難しい。
一旦荒れだすと吹雪いたりして、中途半端な装備では生命が保たない事がある。
当初の計画を破棄して、違う山域でのサブプランも考える。
あるいは10月の三連休に順延するか・・・。
カミさんも前回のトラウマと重装備での縦走経験の少なさから不安を訴える。
やはり「山は逃げる」か?
幸い土壇場になって台風が逸れた。
カミさんに「大丈夫だ!」と根拠のない励ましを送り、計画を元に戻す。
日程は、19~20日は台風の吹き返し風が強いと予想されたので20日入山とした。
山登りは入山してしまえば、後は淡々と歩みを進めるのみである。
苦しければ我慢し、じっくり登下降する。
テント山行では可能な限り充実した食事をとり、安眠を得る努力を惜しまない。
状況に応じて快適な環境を自らが創っていく。
これがなんとも面白い。
メインの西鎌尾根は幸い無風快晴となる。
暑くもなく寒くもない、最高の縦走日和だ。
絶景となった西鎌尾根越しの槍が岳眺望は、これまでがんばって来たチームへのご褒美だ。
この後、21日夕方より22日に掛けてやや天候がくずれたが、許容範囲で苦にならない。
目的の双六岳にも静かな登頂を果たし、計画通り3日間の縦走を無事終える。
”達成感”に満たされた山行となった。
この”達成感”は、ただ単に登頂出来たからではない。
期間を通して目標を立て、それに向けて心つもりや体つくり、またそれに伴う時間や装備・お金など準備を進めてきた。
そうした充実した日々があってこその念いであるといま認識する。
連休がとれた事(仕事が暇?)天候回復などいろんな幸運が重なって、「逃げる山」をなんとか捕まえる事が出来た今回の山行。
さて、次回はどんな目標を立てて計画立案しようか?
満たされる”達成感”を得る為に・・・!
myテントと滝谷遠望 夏以来の来訪に気持がおどる
(槍平幕営地にて)
西鎌尾根全貌 赤茶けた硫黄尾根の向こうに目指す双六方面を望む
(千丈乗越付近にて)
北アルプスの秋の始まり 草紅葉が美しい
(飛騨沢にて)
ウラシマツツジ紅葉
(千丈乗越付近にて)
西鎌尾根と主峰「槍ケ岳」
(左俣岳付近にて)
重荷を背負った長い縦走もいよいよ終盤、ガスの切れ目から双六小屋の赤い屋根望む
(樅沢岳の尾根より)
目標だった双六岳の幻想的な尾根を行く、達成感に満たされた穏やかな心持ちでここを歩いた
(双六岳主稜線にて)
トレース概要図
記録
山域・目的 北アルプス/双六岳 縦走登山
日程 2009年9月20~22日 テント泊
メンバー カミさんと二人
データ 標高差1770m 距離 35km
行程 9/20(日)晴れ
10:00 自宅発→高山IC→鍋平高原無料駐車場 (2:30着)
→新穂高ロープウェイ駅(200円+100円)
08:05 新穂高温泉駅(1090m)入山
09:00 穂高平小屋(1340m)~白出沢
12:10 滝谷出合レリーフ前(1730m)
13:30 槍平小屋(1990m)(幕営泊)
9/21(月)快晴
02:00 起床
04:20 出発(1990m)~飛騨沢道
06:40 大食西尾根末端付近(2500m)~飛騨沢道分岐
08:00 千丈沢乗越(2734m)~西鎌尾根(鎖場通過~左俣岳)
10:00 硫黄尾根手前(2600m)~西鎌尾根(硫黄乗越~前樅沢岳)
13:00 樅沢岳(2755m)登頂
13:30 双六小屋(2550m)BC設営
14:30 双六岳へ
15:30 双六岳(2860m)登頂~同ルート下降
16:40 BC着(2550m)
9/22(火)曇り/雨
03:00 起床~BC撤収
05:45 BC発(2550m)~主稜線~弓折岳手前分岐
08:00 鏡平(2290m)~小池新道(シシウドケ原~秩父沢)
11:15 わさび平小屋(1402m)~林道
12:45 新穂高ロープウェイ駅(1090m)下山
14:30 ロープウェイ→鍋平高原駅→駐車場発→「道の駅」奥飛騨温泉郷上宝にて食事
→割石温泉(神岡市)入浴→富山IC→帰宅(22:30着)