min-minの読書メモ

冒険小説を主体に読書してますがその他ジャンルでも読んだ本を紹介します。最近、気に入った映画やDVDの感想も載せてます。

百田尚樹著『影法師』

2012-11-06 10:53:30 | 時代小説
百田尚樹著『影法師』講談社 2010.5.30 第1刷 
1,600円+tax

おススメ度:★★★★☆

本作は百田尚樹氏初の時代小説である。本作のメインテーマは男の友情。真の友はどこまでその友のために尽くすことが出来るか!?本作は友情の究極を描いたもの、と言っても過言ではない。
二人の生きた時代は江戸という封建社会。多くの矛盾に満ちた社会の中で二人の友情は育まれた。
二人の少年は異例の出世を遂げた。だが一人は武士としてあるまじき破廉恥行為をしでかし藩から蓄電し、果てに非業の最期をとげた。ひとりは下級武士から国家家老まで出世を遂げたのだが、江戸より二十年ぶりに故郷の藩邸に戻った彼は蓄電した亡き友の真実の姿を知ることとなる。
「永遠の0」同様、作者の仕掛けた罠?に嵌った読者は、主人公が慟哭する様を思い浮かべ涙を共に流すことになる。
物語はドラマティック過ぎ、そのあまりの完成された構成に身を震わせられる。
作りごととはわきまえていながら、百田尚樹氏のストーリーテリングの上手さに引き込まれてしまう秀作。

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