sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:パリ・ブレスト

2024-04-02 | 映画


主人公の友達が「ロッキー」が好きだという場面があって、この映画自体もそういう映画だなと思ったら
チラシにもパティシエ版ロッキーと書いてあった。笑

だらしなく自分勝手で子供を利用することしかしない母親の愛に飢えながら
暖かい里親家族の家で食べる手作りのスイーツに癒され、
いつか最高のパティシエになりたいと夢見る子供時代の主人公。
青年となって養護施設で暮らす中、施設を抜け出し高級レストランに見習いとして潜り込み、
やがて南仏でシェフとしてパティシエの世界大会優勝を目指すけど・・・というお話。

里親家族が暖かくてホッとするけど、養子ではないので母親の気分で連れていかれたり
連れ戻されたりと振り回される少年時代はかわいそうだけど、
青年になると、けっこう傲慢で反抗的な感じになって、子供時代がかわいそうでも
こんな風に歪んで悪くなるとあまり同情できない気が少ししてきた。
無闇に自信満々で大きな口をきく傍若無人な感じが、いくら天才でもなぁと。
でも南仏に移った後、倉庫に荷物とたくさんの調理器具だけ預け、自分は浜辺で寝てる主人公の
真面目な頑張りが見えてくると同時に、笑顔のシーンが見られるようになると
この笑顔がとてもチャーミングで段々主人公が好きになります。

南仏で、主人公が浜辺で寝てることを知った親友が
「お前は運がいいな、10億星ホテルだ」というシーンもよかった。
満天の星の下は世界一のホテル・・・かもしれませんね。

子供時代のつらさを描くためにやや冗長になってるのでその辺少し刈り込んで欲しかったけど
養護施設の仲の悪かったルームメイトが案外いいやつだったエピソードはおかしかった。
この年頃の男の子らしいエピソードが微笑ましくて良いです。

あと何かが降りてくるような、何かに気づくようなシーンのたびに、
人の顔のアップを映すタイプの演出はちょっとイージー。
それと、予告編にはたくさんあるように見える美味しいケーキのシーン、
映画がやや長めなので、全然足りない感じがした。
あのチョコレートをぱりんと割った下からとろりとクリームが出るところ、
ああいうのをもっとたくさんじっくりと見たかったよ〜!

この主人公のヤジッド君の自伝を元にした映画だそうです。
今はルイ・ヴィトンやショーメとのコラボなどされてる人気パティシエさんで、
出てくるスイーツの慣習も、その本人がされてるそう。ああおいしそう。

映画としてはごく普通の映画だけど、美味しいものの映画はやっぱり見てしまう。
もっといい映画にも厳しいことを言うくせに、
こういう映画は美味しそう〜!と思うだけで元が取れると思う食いしん坊なわたし。笑

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