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sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ

2021-01-09 | 映画


前の週に見た「凱里ブルース」がすごく良かったので、
宝塚の映画館で次の週に始まった同じ監督の映画を見ました。
上映期間が短いし、上映回数も少ないので仕事や約束の予定をかなり考えて
なんとかしないといけないんだけど、これは無理しても観たかった、

観たあとしばらく、好みとしてはこっちの方がさらに好きかなと思ってたけど
何週間か経って今それぞれの予告編を見て思い返してみると
「凱里ブルース」の方が好きかもしれないという気がしてきた。
二つの映画は記憶の中で混じり合って、話がわからなくなってはいるんだけど。

「ロングデイズジャーニー」は前作よりさらに夢と現が細かく入り組んで重層的な見応え。
あーもーこれ全部夢ってことでいい?って感じでしたが、
母親と女を追うというテーマは最後まであったので、前作よりわかりやすい気がしました。
でもなにしろ情報量多いので思い出しきれない。
映像の情報量も、詩情の量も、夢もうつつもとにかくみっちりと厚く深い。
まだ20代の監督ということで、これからこの監督の映画をもっと観ていけると思うと
すごくうれしくなります。

そしてこの映画では、彼独特の長回しが60分!「凱里ブルース」よりさらに長い!
これが前はリアルな街だったけど、さらに幻想的な夜の祭りや遊び場を巡って
長回しの、映画と時間を共有するくらくらするような効果がさらに面白かった。

話は、父親の死で郷里の凱里(監督の故郷だそうです)に戻った主人公の数日。
自分を捨てて養蜂家と駆け落ちした母親への思いや、
そこで出会ったファムファタルっぽい女との関係が中心になっているけど
母か女か、あるいは詩のイメージを求めて彷徨う男を追う映像は
どこかとめどなく、デビッドリンチ的な夢のような感じもあった気がします。
この日映画館でばったり会った友だちは「インド夜想曲」の映画みたいと言ってたけど
ほんとそれ!ポールオースターの小説のような感じも少しあったかな。
そしてばったり友だちに会う地元の映画館っていいなとも思う。

監督のビー・ガンはウォン・カーウァイ、タルコフスキー、デビッドリンチなども
引き合いに出され、中国第8世代の新進映画監督として期待されてるそうです。
中国の映画に詳しくないので第8世代というのがどういう流れの中なのか知らないけど
中国はこういう監督がたまに出るよねぇとは思う。
世界にいろんな国があっていろんな人がいていろんな映画ができて本当によかった。
そしてこの監督の詩集が2016年に台湾で出版されているようで
翻訳があればぜひ読みたいなぁ。

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