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sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:コロンバス

2020-04-11 | 映画


小津ファンの監督ということですが、そんなに意識しないで見ていいような。
思わせぶりな雰囲気映画だったら嫌だなぁと見る前は思ってたけど、
わりと落ち着いて作ってある佳作。
インディアナ州コロンバスの景色と建築がとても美しくて、
むしろ「もしも建物が話せたら」というドキュメンタリー映画を思い出しました。
「もしも建物が話せたら」はドキュメンタリー映画ですが、結構長くて、寝落ちしてしまい
二度見に行ったというわたしにとって珍しい映画。
好きな映画だったのでもう一回見たいけど、
長くて、動きが少なくて大きなひとつの物語のないドキュメンタリーなのでつい寝てしまう。
でも今トレーラーを改めてみたら、やっぱりもう一度見たいな。
建物のまわりの人間たち一人一人の、映画には描かれていない物語の余韻が深く美しい。

さて「コロンバス」ですが、アメリカにコロンバスという地名はいくつかあって
有名なのはオレゴン州のコロンバスのようだけど、こちらはインディアナ州の小さな町。
インディアナ州については何も知らないけど、ちょうど、
ソウルの大学で働いてた韓国系アメリカ人の友達が、この夏からインディアナ州の大学に
勤めると聞いたところだったので、少し親しみがわきました。
彼女はこういうところに住むのね、きれいな街。
小さな街だけど、美しいモダニズム建築が有名で観光客も来るところのようです。

エーロ・サーリネン、エリエル・サーリネン、IMペイ、リチャード・マイヤー、アレキサンダー・ジラルド…、
舞台はモダニズム建築の宝庫として知られるインディアナ州コロンバス。
建築学者の父が倒れたという報を受け、韓国に移住していた息子のジンはコロンバスを訪れる。父との確執もありこの街に留まることを厭うジンが出会ったのは、夢を諦め母の看病を理由にこの街に留まる図書館員のケイシー。どこまでも対照的な二人の運命が交錯し、建築を巡り、語ることで、それぞれの新しい人生に向かって歩き出す…。(公式サイトより)

ジンとケイシーの関係は、すぐに好意を持つ恋愛関係が深まるようなものではなく、
あくまでも建築を介しての会話が中心で、結構辛辣なことを言い合うのではらはらするけど
淡い付き合いは壊れることなく、少しずつ理解と友情を積み上げていく感じです。
部分的には、確かにロマンチックなところもあって、パンフレットに
美しい建物について平易な説明ではなく「君が感動した理由が聞きたい」と言ってくれる
ロマンチックなシーンがある、というようなことが書かれていたけど
言葉の中身はロマンチックだけど、実際に交わす言葉はわりと棘のある感じで、
字幕のせいではなく全編そういう感じ、棘まではいかないか、
ぎりぎりの予定調和でない感じがずっとあったのに、
そうして積み上げてきた理解や思いやりで、最後の方になると優しさしかなくなってくる。
ジンの好きな大人の女性にケイシーを紹介して親しくなるまでのシーンは結構省略されてて
急に話が進んでてそこに飛ぶのか?と思ったけど、それも悪くはないのです。
少しずつ状況や気持ちも変わっていくけど、あくまでジンとケイシーの会話を中心に撮られてて
それはそれでいい感じの余韻を与えていますね。

図書館でアルバイト?するケイシーの同僚の司書男子の
優しいけど一線は超えないちょっと不思議な距離感の友情もいい味でした。

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