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sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

「1982年生まれキム・ジヨン」

2020-11-11 | 本とか
こんな話読まなくてもわかるし今更だし別に〜としばらく買わずにいたのですが、
とうとう買って読んだのは昨年末頃。
そして、わかってて知ってることしか書いてないのに、30ページ目ですでに涙ぼろぼろでした。

キム・ジヨンという女性が心を病むまで、子供時代から学生時代、就職、結婚と
彼女の人生に何が起こってきたのかを精神科医が書き取っているという体裁なのですが
彼女が傷ついたいろいろなことはどれも、すごくリアルに現実的で
日本の女性でも誰でも、うんうん、そういうのあったあった、と思うようなこと。
でもあまりに当たり前になっていて傷ついていいとさえ思えない人も多いと思う。
キム・ジヨン自身も心のモヤモヤを抱えながら大きな声で泣くのではなく、
世の中ってこんなもん、よくあること、となんとか折り合って生きてきたのです。
いや、そうやって生きてきたように見えて、実際はしっかり傷ついていて
とうとう心を病んでしまったのですが。

これ、男性が読んで少しでもわかるんだろうか。
わたしがわかることを、弟が読んでわかるんだろうか。わからない人も多いだろうなー。
生まれた時から特別扱いされてたら、それが特別扱いだということさえ気づかないからね、
悪気などなくても。
夜に泣くと翌朝の目が腫れるので、もう読めない。
淡々と、よく知ってる事実が書かれてあるだけなんだけど。

読んでてずっとつらい本でした。
大学から就職するあたりなどは、子ども時代の共感のつらさではなく、
ここに描かれているまだまだひどい男尊女卑社会が、それでも自分の時より遥かにマシなので、
自分がかわいそうになってつらい、というつまらない自己憐憫。

どちらかというと、主人公の母親がわたしには近いと思う。世代的にも。
主人公を守ろうとするととてもいい母親なのですが、
男尊女卑社会のシステムを自分では破れなくて、でも
その中にずっといながらも、娘たちが破るのは積極的に応援して励まし守ろうとする。
その世代にわたしは近いです。
若い時ほんとつらかったなー。すぐ忘れるけどたまに思い出すと今でもつらいしきついし
思い出したくないけど、頑張って読みました。
ああつらい。つらい。いろいろ思い出してつらい。つらいしか言えない。
伊東順子さんの解説でもまた泣ける。ほんとみんな読むといい。どこの日本?って話だから。
こまごまと言いたいことはたくさんあるけどつらいのでしばらく寝かせてからまた感想を書こう。

男の人も、社会の中でこれだけの差別を受けているのが自分の娘だったらと思うと
つらいみたいなことを言う人は多いようだけど、自分だったらとは考えないのねぇ…と思う。
女性はみんな自分のこととして読み共感するわけだけど。そこよね・・・。

この本で読書会をしたら、それぞれの女性の個人的体験で話がすごく長引くだろう。
それを有意義と思うかどうかは人によるかもしれないけど、
そういう語りたいつらい体験を持ち寄る人たちにとってはきっと有意義だと思って
やろうとしたけど、新型コロナで中止になりました。
いつかやりたいけど。