2年くらい寝かせてた本をお風呂で2週間くらいかけてやっと読んだ。
小川洋子と堀江敏幸が交互に書く書簡集の形を取る小説で、
この中のぼくとわたしはそれぞれの作家に重なる。
小川洋子はいつもの小川洋子だけど堀江敏幸は結構小川洋子に寄せてる感じがした。
とても文字の小さい本を読んだ気になる情報量とイメージの広さ深さだけど濃厚な感じはなくて、
ほんの少し靄のかかったような透明感のある小説でした。
ラストに向かって謎が深まるところも面白かった。
これが打ち合わせなしのリレー小説だと聞いてすごいなぁと驚き。
愛し合いながら離れて暮らしている男女のやりとりなんだけど
毎回思わぬ要素が含みのある形で登場し、
次の手紙の人はそれに合わせて含みの部分を解きほぐしたり、
さらに謎を潜ませたりしていって、話がどんどんねじれたり隠れたり現れたりする。
ええっ!今それ言うの不自然じゃない?って感じの無理っぽい展開も結構あって
部分部分微妙なところはあるけど、物語としての整合性は保たれてるし、
最後にはなんとかきれいにまとめ上げながら、美しさも気品も詩情も失わない、
やっぱり神業。
お二人の想像力と教養と、技術には参りました。
でも好きか嫌いかと言われると微妙。
切手好きのわたしにはたまらないきれいな本だけど、
そもそも書簡集の形を取ったフィクションというのがちょっと苦手だから。
どうしても説明的になるでしょ。お互い知ってるはずのことを手紙に細かく書くわけで、
あの時あなたはこうこう言いましたね、みたいな書簡文体がどうもだめなんですよねぇ。
わざとらしいというか、その説明調が気になって気になって。
しかも前半は淡々としたやり取りなのにどんどん話が広がってイメージが広がって
ついて行くのが大変だったし。でも最後まで読んで良かったと思います。
14通の手紙を毎晩お風呂で一通ずつ読んだんだけど、いくつもの湖の湖面や
スーパーカミオカンデの水面のイメージがじっと本を読むお風呂の水面と重なって良い2週間でした。
小川洋子と堀江敏幸が交互に書く書簡集の形を取る小説で、
この中のぼくとわたしはそれぞれの作家に重なる。
小川洋子はいつもの小川洋子だけど堀江敏幸は結構小川洋子に寄せてる感じがした。
とても文字の小さい本を読んだ気になる情報量とイメージの広さ深さだけど濃厚な感じはなくて、
ほんの少し靄のかかったような透明感のある小説でした。
ラストに向かって謎が深まるところも面白かった。
これが打ち合わせなしのリレー小説だと聞いてすごいなぁと驚き。
愛し合いながら離れて暮らしている男女のやりとりなんだけど
毎回思わぬ要素が含みのある形で登場し、
次の手紙の人はそれに合わせて含みの部分を解きほぐしたり、
さらに謎を潜ませたりしていって、話がどんどんねじれたり隠れたり現れたりする。
ええっ!今それ言うの不自然じゃない?って感じの無理っぽい展開も結構あって
部分部分微妙なところはあるけど、物語としての整合性は保たれてるし、
最後にはなんとかきれいにまとめ上げながら、美しさも気品も詩情も失わない、
やっぱり神業。
お二人の想像力と教養と、技術には参りました。
でも好きか嫌いかと言われると微妙。
切手好きのわたしにはたまらないきれいな本だけど、
そもそも書簡集の形を取ったフィクションというのがちょっと苦手だから。
どうしても説明的になるでしょ。お互い知ってるはずのことを手紙に細かく書くわけで、
あの時あなたはこうこう言いましたね、みたいな書簡文体がどうもだめなんですよねぇ。
わざとらしいというか、その説明調が気になって気になって。
しかも前半は淡々としたやり取りなのにどんどん話が広がってイメージが広がって
ついて行くのが大変だったし。でも最後まで読んで良かったと思います。
14通の手紙を毎晩お風呂で一通ずつ読んだんだけど、いくつもの湖の湖面や
スーパーカミオカンデの水面のイメージがじっと本を読むお風呂の水面と重なって良い2週間でした。