“二つ以上の物事が、食い違っていたり、調和していなかったりするさま”をいう時に「ちぐはぐ」と言う言葉をよく遣いますが、その語源は?と聞かれれば、先ずすんなりとは答えられないでしょう。
◆世田谷自然食品の<せたがや日和>というホームページによると、その語源として下記のような説明がありました。
・「ちぐ」は金づちを意味する「鎮具」、そして「はぐ」は釘抜きを意味する「破具」と書きます。つまり、どちらも大工用具が語源となっています。
・金づちは釘を打つ時に使い、釘抜きはその名の通り釘を抜く時に使う道具で、それぞれ相反する動作を行うもの。そんな二つの道具を交互に使っていたり、使いどころを誤っていたりすると、なかなか仕事は進みません。そんな様子を食い違っている様子に例えたのが、「ちぐはぐ」です
「なるほど!そう言うことだったのか」と妙に合点したのですが、どうやらこんな見事な説明には裏があるようです
◆いつもお世話になっている<語源由来辞典>によると、
・上記の説は紹介されているものの、“これらの道具は鎌倉時代に使用されていたといわれるが、そのような言葉が見当たらないので俗説”と、バッサリです。
・そして、この<語源由来辞典>や<団塊オヤジの短編小説>では
ちぐはぐの「ちぐ」は「一具(いちぐ)」で、特に器具・衣服・甲冑(かっちゅう)などの一組、ひとそろい、一式など「装束一具」一揃えを意味する言葉で、「はぐ」は「逸れる(はぐれる)」の語根だとする説があり、つまり、一式のものが揃わないこと「一具逸(ちぐはぐ)」が語源だとする説です。
とありました。
いずれにせよ、意味的には全く変わりませんし、ここ数年の国会答弁を聞いていると、“野党の質問を「チグ」だとすれば、これに対する首相・大臣/官僚の答弁が「ハグ」で、全く噛み合っていない状態をいう”と言う説明に換えた方が判り易いかも知れませんね。
馬鹿らしくて、今日あったという2年ぶりとかいう党首討論は見る気も起きませんでしたが、きっと「チグハグ」な応答だったことでしょう…(まさ)