老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

巨大ITの問題点と「データ主権」 その② ~GAFAやPFの高収益の陰で~

2021年06月17日 19時10分29秒 | その他

◆私たちの生活は豊かになっているか?
 コロナ禍の中で外出自粛を余儀なくされていますが、“ウ―バ―イ―ツや色々な宅配サービスで食事を楽しめているし、グーグルやアマゾンなどGAFA(※1)に代表されるPF(プラットフォーマー、※2)を通じたり、或いは近くのコンビニで色々な買い物ができるし、知りたい情報は入手できる。

 更にSNSや会議機能などを通じて友人との連絡や仕事にも不自由なく対応できている。本当に便利で豊かな生活になった”と喜々として現在の生活への満足感を表される方がおられますが、果してそうでしょうか?

※1 GAFA:
 アメリカの大手企業であるグーグル/アマゾン/フェイスブック/アップルの4社の頭文字を並べたもので、何れもITを活用したサービスを展開するためのインフラを提供しています。
 これに、マイクロソフトを加えた情報技術産業における最大かつ最も支配的な企業をビッグ・テック (Big Tech)又はビッグ・ファイブ (Big Five)と呼ぶこともあります。

※2 PF(プラットフォーマー):
 インターネット上で、モノ・サービスの売り手と買い手や、企業と求職者などが出会う「場所(プラットフォーム)」を提供する業者のこと。
 仲介手数料や広告料が主な収入で、利用者が増えるほど利便性が増し、市場支配力も高まる。国内ではヤフーや楽天などが当てはまりますが、コロナ禍での自宅こもり増加に伴いウ―バ―イ―ツなどの業者も急成長しています。

GAFA/PFなどが急成長の陰で
 なるほど、一見便利な生活を享受されている方もおられるでしょうが、チョット考えて見ましょう。
・利用者の拡大で、GAFAやPFは軒並み高利益を上げているようですが、この収益を享受しているのは創業者や一部のエンジニアなどだけで、従業員の多くや、これらのGAFAやPFの下請け業者や物品/サービス提供者は低賃金での過酷な労働や、過当競争を余儀なくされているのは紛れもない事実でしょう。

 私たちが目にする風景としても
・グーグルやアマゾンなどの通販物品の配送員は殆どが駆け足で動いていて、労働に誇りを持って楽しんでいる様には感じられない。
・コンビニなどの従業員も多くが主婦や海外からの留学生のパートのように見受けられますし、フランチャイズのオーナー達は人手不足をカバーするために深夜勤務などを担当している例も多く、何れも社会保障制度が行き亘っているのか常に疑問に感じる。
と共に、これらの労働者の大部分は、労働契約も締結せずに、実際の雇用者が誰かも把握しないまま、自分達の権利を擁護する労働組合の組織も無い状態で働いているのが実情ではないでしょうか。

◆GAFA/PFなどの提供サービスは本当に安いのか?
 また、一方便利で割安だと考えられているGAFAやPFは本当に、割安なのでしょうか?
資本主義社会である以上、これらのGAFAやPFは顧客に利便性を提供することよりも、利益計上や拡大が最大の目的でしょう。

 即ち、“彼らの収入は仲介手数料や広告収入で、便利なサービスは何の見返りもなく無料か格安で提供される”そんな甘い話があるわけがないでしょう。

 当然、彼らはそれでビジネスをしているわけですから表面上の仲介手数料や広告収入だけでなく、上記で見たように従業員(というか、下受け形式の別組織の従業員でしょうが)や、下請け業者の過酷な労働や過当競争で多くの利益を上げていますが、それと共に見逃しては行けない事があります。

 それは、私たちPFのサービス利用者が何かを購入したり、検索したり、他の人のSNSに「いいね」したり、或いはどういう写真をアップしたとか、そういうデータをどんどん吸い上げていくというものです。

 当然に彼らはサービス提供に当り、利用者の氏名・年齢・住所・性別・メールアドレスなどの個別情報を把握していますし、場合に拠ったら口座番号や家族構成なども掴んでいます。
即ち、利用者は色々な個人情報をPFに提供しているといえるでしょう。(まさ)