四輪クドウの独り言

見えたまま、聴こえたまま、感じたまま…

聴いて「衝撃」受けた“誰もが受益者になる社会”の講師井手英策氏のインタビュー記事毎日新聞に。

2016-04-30 20:13:48 | 日記

●ゴールデンウィークです。交通機関は混雑し、高速道も渋滞しています。年末年始の冬休み、旧盆の夏休み、そして5月のゴールデンウィークと何十年も見慣れた光景です。朝は早起きして「工藤日出夫議会レポート」のポスティング、日中は本を読んだりしています。去年の今頃は、選挙が終わり、事務所等の後始末でした。それに比べたら時間的余裕があり、しっかりと勉強しようと思います。

●今朝の毎日新聞に、28日浦和の市民センターで、県庁職員の勉強会が主催するセミナーがあり参加しました。その時の講師であった慶応大学教授の井手英策氏へのインタビュー記事が載っていました。先日の講演内容を復習する意味で、大変いい記事です。是非読んでください。財政社会学の見地から、格差・分断社会の改善に、負担と供給の関係を、現金給付型から「現物」支給で皆が受益者という考えは衝撃的であり、目からうろこでした。

 

●演題は「国民に信頼される財政のあり方=誰もが受益者の社会=」です。1972年生まれですから、自分が「生涯教育」と巡り合ったときに生まれています。生涯教育に巡り合った時も衝撃でしたが、この日の講演で聞いた内容も衝撃的であり、まさに未知との遭遇でした。財政は危機だ!危機だ!という人はたくさんいますが、明快に説明できる人はいない。何より「恫喝」に慣れた日本人が問題だ。とのっけから「恫喝」だ。そして格差問題へと進み、次のように問うた。「みなさんは所得格差が広がっていることをどう思っていますか? 『かわいそうだ』『何とかしたい』『不公平だ』…そんな言葉が聞こえてくる、誰だってそう思いたいですよね。でも、みなさんの生きている社会は、必ずしもそんな思いやりに満ち溢れた社会ではありません。」と。

●2009年の調査にある「格差の是正は政府の責任である」という質問に対し、「強く同意する」「同意する」と答えた日本人の割合は54%でした。OECD加盟国の平均値は69%です。私たちは、他国と比べて、明らかに格差を是正しようという気持ちが弱いことがわかります。日本の社会は自己責任であるとか、自己努力を強調するが、それだけでは解決しないと。自分もそう思っていたので、妙にすとんと落ちた。財政は、社会のメンバー「全員」の命や暮らしのためにある。失業した時に所得を補ったり、ゴミを集めたり、医療を提供したり、教育を与えたり…財政は、みなさんの払った税を財源として、私たちの命や暮らしを支えています。という考えは、そうなんだよなーと改めて確認できました。

●消費税5%引き上げ、社会保障費に1%は少な過ぎ。こんなことやっているから皆が反対する。2.5%を社会保障費等受益者(国民・市民)の命と暮らしを支えるために使ったら、もっと理解できるのに。大学や幼稚園・保育園は無料、介護の自己負担ゼロ、全国の公立病院は黒字化、医療費自己負担も少なくできる。そうだ、これだけ実現できれば、消費税を払っても払い涯があると思います。数年前、石津前市長が、都市計画税を総額で1億円引き下げました。10年で10億円減らします。当然政策経費(財源)を失っています。私は反対しました。納税者が納得できる行政事業で返すことが本道であろうと…。

●税金負担を上げる提案は、政治家はなかなか出ないでしょうが、安易な現金給付や減税には慎重であるべきです。そのためには、人間同士の信頼感がある社会、すなわち政治を信頼できる社会の構築が必要だと強く感じました。先生のご本を書店に頼みました。こういう時間は至福の時間です。添付した新聞を読んでください。

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