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素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

レシャード・カレッド著「知ってほしいアフガニスタン~戦禍はなぜ止まないか~」

2010年12月28日 | 日記
 マラソンとヨットで世界一周をする“アースマラソン”に挑戦中のタレント間寛平さんが27日にユーラシア大陸を走破して、目的地の中国山東省青島市の青島五輪セーリングセンターに到着したことが報じられていた。ちょうど昨日の深夜に中国に入った間さんを訪問インタビューした様子が放映されていた。

 最後に旅を振り返って思うこと。という問いに1つは『地球はでっかい』という答え。もう1つが『世界のどこに行っても子どもはかわいい。キラキラした目をしている。なのにいつから戦争で人を殺すようになってしまうのか』という答え。サラエボを始めたくさんの紛争や戦争で荒廃した所を目の当たりにしてきた率直な思いであった。

 今日、「知ってほしいアフガニスタン~戦禍はなぜ止まないか~」を読み終えたが、何ともいえない悲しさは「戦争はだめや、平和やないと」と何度もつぶやいた寛平さんと相通じるものがある。著者のレシャード・カレッドさんは1950年にアフガニスタンのカンダハールに生まれ、1969年4月に千葉大学留学生部を経て京都大学医学部へ進み、語学の大きな壁を乗り越え、三度目のチャレンジで国家試験に合格した。結核胸部疾患を専門とし、呼吸器科の勤務医として各地の病院で献身的な医療活動をされた後静岡県島田市で医院を開設し地域医療の充実に奔走するかたわら祖国アフガニスタンの復興支援のためにNGO「カレーズの会」を設立し、現地に診療所と学校を建設し医療・教育の面で支援を続けている。

 本は 第Ⅰ章 日本で医師として生きる
     第Ⅱ章 アフガニスタンが歩んだ道
     第Ⅲ章 「カレーズの会」八年間の歩み
     第Ⅳ章 アフガニスタン人は何を望んでいるか 
の4つからなっている。理不尽なできごとに対しても冷静に、論理的に、暖かい心で書かれている。1979年のソ連軍によるアフガニスタン侵攻(1980年のモスクワオリンピックボイコットにつながる)から始まり、30年間複雑な要素がからまいあいながら戦乱状態が続き、国土は破壊されつくしている。そのあたりの動きについては無知であったが、この本のおかげでぼんやりとではあるが見えてきたものがある。
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