空港から新宿までバスを帰ってくる途中、桜を見ながら、心を癒してみました。
カルカッタのあの活気はどこに当たらず、あまりにも静かすぎるように感じてしまう、それは意識せずにどこかにあの街を探していると証拠であり、いまだ私の脳裏は簡単には整わない、その優しい寂しさを春先の風に交じっているかのように感じてしまう。
ただ少し寒い、気温40度湿度90%以上のところから帰ってきたのだから、それも当たり前に感じてしまう。
三年前、家に帰ってくると、とても、とても残念なことに、愛犬あんは逃げ出したけれども、今回あんは私の顔を見るなり、ペロペロしっぱなしで大歓迎してくれた、それは心から嬉しいことである。
今もあんは私の傍で寝そべっている。
カルカッタで何が見るのが辛いと言えば、病気した犬、怪我をした犬、痩せ細った子犬などを見ると、もうすぐにあんのことを思い出してのことだろう、ほんとうに辛くなるのであった、こうしたこともまったく書けなかった、書けば、間違えなくそれ以上にあんのことを思い出してしまうからである。
シアルダーの仕事に向かう前、祈る場所には子犬三匹いて、とっても可愛かった。
三人兄弟でみんな珍しく太っている子犬たちだった、私は一番上の子犬にジョンと名前を付けた。
大人になるまで育ってくれると嬉しいのだが、カルカッタの路上の犬は、それはほんとうに難しい。
シアルダーの南の駅では八匹生まれたが、食べるものがなく、全員亡くなってしまったと以前バーニーが教えてくれた。
だが、ジョンの母親はただ三匹を大きく生んでくれたので、もしかすると三匹とも大人になるまで育ってくれるかもしれないと願うのである。
ただそれも簡単ではないだろう、真ん中の子の嘔吐物の中にはサナダ虫がいて、それがあまりに気持ち悪いと思ったジャニィやメギンたちは病院を終えた私に伝えた。
マリオは「パスタ!パスタ!」と騒いでいた。
路上の犬たちは人の残したスパイシーなものなどを口にせざるをえないことが多いので、ほんとうに大変だと常々思っていたのである。
明日は今日より寒くなるようである、風邪を引かないように、あなたも気を付けてください。