カルカッタより愛を込めて・・・。

次のアピア40のライブは9月13日(金)です。また生配信があるので良かったら見てください。

デリケート。

2010-05-31 12:25:56 | Weblog

 白髭橋の上で久しぶりにナンクルナイサーおじさんに会った。

 もう何ヶ月ぶりになるだろう、今年になってから会うのは初めてかもしれなかった。

 彼はカレーを食べることはせず、橋を渡ろうと歩いてきた。

 自分が近くまで行き、声を掛け、彼は顔をあげ、自分に気付くと花を開くように笑顔を見せた。

 握手をして再会を喜んだ。

 自分の丸めたばかりの頭を触って「寒くないの?」と言って笑っていた。

 久しぶりにあった彼は汚れていた。髭は伸び放題、顔はかさかさであり、つやなどはない、あるのは汚れだけ。髪の毛は何日も洗っていないようだった。

 お酒の匂いがしたので「飲んでいるの?」と聞くと「鬼ごろし{日本酒}を友達にもらって飲んだ」と言っていた。

 「カレーは食べないの?」

 「列に並ぶのが嫌なんだよ。気持ち悪くなる。オレ、デリケートだから・・・」

 そう言って照れ笑いをしていた。

 確かにデリケートなのだろう。それも極度にそうあるのだろう。だから、そうあるのだろう。

 傷付くことも多いのだろう。

 独りで下を向きながら歩くことをせずにはいられないのだろう。

 だけど、空を見て欲しかった。青空を見て欲しかった。

 あんなにも愛らしい笑顔があるのだから。

 太陽にその笑顔を見せて欲しかった。

 次にまたいつ会えるかなんて分からないけど、いつものような言葉で別れた。

 「またカレーを食べに来てね。顔を見せに来てね。身体を大事にしてね」

 「うん、うん」

 彼はしっかりと頷いた。

 そして、彼の背中を見送った。

 祈る思いで見送った。

 自分が伝えた言葉のほかに約束など何一つない先を歩き出して行った。
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命がけの散歩。

2010-05-30 12:48:00 | Weblog

 サイは目の手術を終えてから、あまり見えなくなってしまったとのことだった。

 按摩鍼灸院をしているが書類は書けないらしい。

 ハナ{雑種犬}の散歩も命がけと言っていた。

 自転車や車などは見えないから、道路を渡るのが怖い。

 散歩中などは人とすれ違う時はハナの方を見るようにし、相手を見ない。相手を見てもジロジロと見てしまい、それでも分からない場合は困るからと言っていた。

 テレビもあまり見なくなったらしい。

 ほんとうに困っていた。

 自分も一緒に困った。

 それでも、命がけでもまだ散歩が出来るのは嬉しいと彼は言う。

 ほんとうにそうなのだろう。

 いつか自分の目が必ず見え辛くなり、そして、見えなくなる。または突然見えなくなるかもしれない。

 だからこそ、いま美しいと感じるもの、愛おしいと思えるものを欲張りなほど見ていた方が良いだろう。

 命もそうなのである。

 だからこそ、愛を伝えていこう。

 病気になり、死の真際になってから、変えられない過去にしがみつき、またやり直そうとし、嘆くのではあれば、今から思う存分に愛を伝えていた方が良い。

 それが命がけで良いだろう。

 自分たちはかけがえのない、二度と戻らない時のなかに生きている。
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今日も。

2010-05-29 18:46:05 | Weblog

 今日も山谷MCの小さなチャペルのなかで一人になった。

 祈る必要性を身体で感じている。

 マザーが大好きだったこのフランチェスコの平和の祈り。

 祈れば祈るほど、彼女がどうして好きだったのかが分かるような気がしてくる。

 
 平和の祈り

 主よ、わたしをあなたの平和の道具にしてください。

 憎しみのあるところに、愛をもたらすことができますように。

 争いのあるところにゆるしを、

 分裂のあるところに一致を、

 疑いのあるところに信仰を、

 誤りのあるところに真理を、

 絶望のあるところに希望を、

 悲しみのあるところに喜びを、

 闇のあるところに光をもたらすことができますように。

 主よ、わたしに、

 慰められるよりも、慰めることを、

 理解されるよりも、理解することを、

 愛されるよりも、愛することを求めさせてください。

 与えるからこそ、与えられ、
  
 ゆるすからこそ、ゆるされ、

 死ぬからこそ、永遠の生命によみがえるのですから。
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祈ること。

2010-05-28 12:47:08 | Weblog
 先週は山谷のMCのチャペルに入った。

 小さなチャペルだが、{I thirst}と書かれたものを見れば、マザーハウスを思い出し、あの場所にいるかのような感覚に近くなる。

 呼吸を整えながら、ゆっくりと自分のthirstを感じ考え内省する。

 そして、それをあの方のthirstに重ねる。

 ゆっくりと。

 一つひとつの呼吸を大切に感じながら。

 身体で感じる。

 広がりを見せる自分の内側を一回り旅して帰ってくるかのように一つひとつの安堵感を味わう。

 大切な人を想う。

 愛していると。
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夢のなか。

2010-05-27 12:07:20 | Weblog

 今日は久しぶりに三沢川の方にあんと散歩に行った。

 久しぶりに行くのであんはなかなか歩いてくれない場所が何箇所かあった。またそこを抱っこして歩いた。

 いつかきっとどこでも歩いてくれるだろう期待は抱きながら、それを楽しみに待ちながら、あんを抱っこした。

 こうしたことですら嬉しく思える。

 それは今が夢のなかであるからだ。

 もう5・6年前だろうか。その頃から多摩川で犬を散歩させている人たちを見ては羨ましがっていた。

 ずっと夢見ていたことが今日この瞬間にあることが愛おしく思えてならない。

 昨日は多摩川で柴犬の飼い主さんたちと話していて、別れようとするとマロンが来たので、あんとマロンとおじいさんと一緒に帰ろうとした。

 そこでマロンの飼い主のおじいさんは言った。

 「良いですね。あんは友達がたくさんいて」

 「そうですね」

 「マロンはダメなんですよ。吠えちゃうから」

 「そうですか・・・」

 気が付けば、あんにはほんとうにたくさん友達がいる。

 あんは人間も犬も同じように大好きであり、また警戒して吠えたりはしない。いつものこのこと歩いて誰にでも近づいて行ってしまう。

 あんは信じているのだと思う。この世のなかのすべてを。

 小心者でぶるぶると震えることが多かったが、それでも、信じていたのだと思う。

 素晴らしいことです。これからも、そのあんの信じる心を大切にしてあげたいと心と身体を使う。

 叶った夢は想像以上に愛おしい。
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赤霧島。

2010-05-25 12:54:56 | Weblog
 鹿児島に行った時に酒屋のおじさんに赤霧島のことを聞いたことがある。

 赤霧島は年に二回だけ作られ、その数も限られているため、貴重性があり、値段も高くなった。

 そして、一本では売らず、何かと抱き合わせでしか売らないとのことだった。

 そのおじさん自身は赤霧島があまりうまいとも思わないと言っていた。ただ珍しいから人気があるだけだとも言っていた。

 おじさんはもっと芋の香りのしっかりとあり、あまりろ過されていないものが美味しいと言っていた。

 その時はとりあえず、その店で良く売れていて、おじさんが好きなものを選んで買った。

 鹿児島人に愛されている芋焼酎を買った。

 さて、話は戻るが、なんと地元の店で赤霧島を発見した。それも単品で売っていた。

 屋久島の三岳などは抱き合わせでも売っていたが、赤霧島は嬉しいことに単品で売っていた。

 少し悩んだ。

 買おうか、買うまいか?

 おじさんの言葉が過ぎった。

 「赤霧島は珍しいだけ・・・」

 それでも、飲んでみないと何も言えない・・・。

 値段{1500円}もそんなに高くはない。

 悩んだあげくビールだけを買って帰った。

 だが悩みは続く。

 気が付けば、少し悩んでいたら、大きく悩んでいて、そのなかで何だかいろいろな話し合いが楽しく行われていた・・・。

 鹿児島であれだけ探したのに時期がずれていてなかったのに{実際にあったのは三本の抱き合わせで売っていた高い物だけだった}、いま自分はこの目で赤霧島を見た。

 こんな出会いはあるのか。

 この出会いの意味はどうしたものか。

 あの値段であれば、ちょっと贅沢かな・・・。

 いや、今日は土曜日、お休みの日。

 ラベルも可愛かった。

 ちょうど今朝見たユニクロの広告に赤霧島のTシャツがあった。

 これはシンクロなのか・・・。

 さあ、どうしよう・・・。

 結局、家でビールを飲んだこともあり、勢いついでに自転車に乗って買いに行った。

 あんの散歩をして、シャワーを浴びてニコニコでスタンバイして赤霧島のキャップを開けた。

 目を閉じて、ゆっくりとたしなむと・・・。

 買ったことに何一つ後悔しない味とまた夢{遊び楽しみ}を飲んだような気がした。

 昨日は休肝日。

 今日はあと三分の一残っている赤霧島と紫芋の薩摩富士をまた飲み比べてみよう。

 日曜日は赤霧島がかなり優勢だった。

 今日はどうだろうか?

 すでに紫芋の薩摩富士は割り水して冷蔵庫で待機している。

 いまから楽しみである。
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グゥー!

2010-05-24 12:04:58 | Weblog

 あの小さな穏やかな笑顔に会えた。

 先週の約束をあの喋れないおじさんは守ってくれ、カレーを食べに来てくれていた。

 列の前の方に一人で並んでいた。先週一緒にいたおばさんとおじさんは近くに見当たらなかった。

 彼は自分が近づいていくとニコッと顔を少し明るくし微笑み、右手を差し出してきた。

 彼は嬉しそうだった。自分も嬉しかった。

 カレーがなくなり、パンを配り終えてから、掃除するために歩き出すと、満面の笑みを浮かべたあの中国人のおじさんとおばさんに会った。

 「彼はあっちにいるよ」と言う手振りを見せていた。

 「あとで行く」と答え別れた。

 しばらくして、彼らが先週居たところに行って見ると、あのおじさんも一緒に三人で何か楽しそうに話していた。

 近く行くとおばさんが立ち上がり、喋れないおじさんの横を譲ってくれ、「ここにどうぞ」と笑顔で伝えてくれた。

 すると今度はおばさんの座ろうとしていた場所にアリがたくさんいて、彼女は座れず、それをみたおじさんたちは笑い、「大丈夫!」とアリを掃っていた。

 自分はおじさんと握手してから、彼の隣に座った。

 おじさんとおばさんはとても嬉しそうに自分を向かえ、親指を上に上げ「グゥー!」と自分を指して微笑んでいた。

 そして、二人でいろいろと手振り身振りしていた。

 それは「あなたはいろいろな人と話している。それはとても良いこと!グゥー!」そんな手振り身振りの訳を付けてみたが、自分勝手な訳なので少し恥ずかしかった。

 それでも二人は満面の笑み、それは嬉しかった。

 おじさんは小さく穏やかに微笑んでいた。

 一人ひとりと握手をして別れた。

 それもみんな座っていたが立ち上がり、丁寧に握手をしてくれた。

 少しそれに照れるくらいだった。

 自分の方こそ与えられているのだと言う感じが胸のなかに在り続けた。

 それを大切に味わい、感じながら、また自分は歩き出した。
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700人以上。

2010-05-23 11:38:09 | Weblog

 昨日の山谷白髭橋の炊き出しには700人以上のおじさんたちが来た。

 カレーは630個しかなかったので足りなかった。すぐにMCに戻り、パンを持ってきたがその数も足らなかった。

 やはり、4週目になると多くなる。来週は月末、もっと多くなるだろう。

 カレーの作れる数は限界があるので、また何か食べ物を持っていかなくてはならないだろう。

 去年よりもだんだんとカレーに並ぶおじさんの数が多くなってきていることを確実に感じるようになった。

 700人以上おじさんたちが並ぶことは今までそうはなかった。

 不景気がじわじわと色濃く現れてきたのかもしれない。

 それでも、山谷という場所にたどり着くものたちは流動的であり、またどこかへ旅立っていく。

 だからこそ、出会えた一人ひとりに丁寧に声を掛けていく。

 一人ひとりです。
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ハチ。

2010-05-22 18:42:23 | Weblog

 今日は山谷に行く前、多摩川へあんと散歩に行った。

 そこでハチに会った。

 正確には女の子なのでハチではない。

 実は秋田県に初めて会った。

 この前地元飲み会で話していたばかりだった。この辺では秋田犬を飼っている人はいないって。

 自分も今まで秋田犬には一度も会ったことはなかった。

 秋田犬はほんとうに大きかった。女の子なので、一回り小さいと飼い主さんは言っていたが、体重も40キロぐらいはあるかもしれないと思った。

 その秋田犬はあんに焼きもちを焼いていた。

 飼い主さんが言うには、大人しい犬と会うと焼きもちを焼き、吠えるとのことだった。

 何度か吠えられたが、あんはお座りして静かにしていた。

 帰り道、リチャードギアのものまねをあんにしながら帰ってきた。

 「はっちぃ・・・」

 あんはただトコトコ歩いていた。
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夏。

2010-05-21 12:22:46 | Weblog

 今日はもうまったく夏の陽気。

 布団をしっかりと干してみた。時間をおいて、布団をひっくり返しもした。

 夜香木もベランダに出した。

 夜香木は大好きな作家先生宅から頂いたものだが、その前はミャンマーから来たものであるらしい。

 だから、この暑さも嬉しいに違いない。

 だが、あんはこの暑さは苦手のようだ。

 今朝多摩川で赤茶の柴と黒柴のあんを触って比べてみたが、あんの方がかなり暑かった。

 もっと早い時間に散歩に行かなくてはいけないだろう。

 今日はあんの頭を少し濡らして散歩した。

 今は家のなかの涼しいところで伸びて寝ている。

 まったく猫のように寝ている。

 獣医さんに最初の予防接種の時にこう言われた。

 「柴犬はとても臆病なので猫のように育てると良い」と。

 だから、猫のように寝ているので、それで良いのではないかと思っている。

 あと、思うことは。

 これだけ暑いからビールが飲みたいと思う。

 けど、これから仕事である。

 夜まで待とう。

 ビールを。
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