今日はボランティアディーがあったので、たかしくん、クレア、アイリーンたちは、それに参加した。
マリオはバーニーが良く行っていたダイナアシュラムに黙想に行った。
マリオとは今朝が最後の別れになった。
マザーハウスで会うと、彼は自分の手を引き、マザーのお墓の前に連れて行き、そこで二人で祈った。
彼が自分の手をつかんだ瞬間から分かった。
一緒にマザーに祈りたいと言うことが。
昨日から、いや、その前からずっと彼は自分とそうしたいと思っていたに違いなかった。
何度も、今日自分がマザーハウスに来ることを彼は自分に聞いていた。
彼の隣で祈りながら、彼との思い出が走馬灯のように溢れ出してきた。
自分は知らぬ間に微笑んでいた。
マザーへの祈りが終わると、今度はマリア様のところに自分を連れて行き、繋いだ手は離さないままで片方の手をマリア様の銅像に手をあて、スペイン語で祈りだした。
自分も片方の手をマリア様にあて、祈りだした。
それと同時に彼の声を耳を済ませた。
彼は間違えなく自分のために祈りを捧げてくれていた。
自分のうちはあたたかなもので満たされていることを知った。
そして、祈りが終わると長いハグをした。
嬉しすぎた。
その表現では到底足りぬ感謝の思いが溢れてきた。
今朝のセントメリーのミサにはハビィとアイリーンが来てくれた。
きっといつも自分がどんなところで祈っているのかを知りたかったことと、自分との時間を少しでも保ちたかったのではないかと思ったりもした。
マザーハウスの方が彼らが住んでいるところから近いのに、わざわざ来てくれたことがほんとうに嬉しかった。
ミサの間、彼らの後ろ姿を見ては、ずっと微笑んでいた。
たかしくんたちがボランティアディーに行ったあと、マリオは一人でタクシーを拾っていた。
それもダイナアシュラムまでだったが、どのタクシードライバーも、その場所を知らず、ただマリオは住所の書いてある紙を見せていた。
そして、仕舞いにはバスでシアルダーまでのバスに乗った。
無謀とも言えるその行動にハビィとずっと笑っていた。
駅で彼を見たら、パンとバナナとゆで卵をあげようと言って笑い、たぶん、たどり着けず、夕方のアドレーションには居るのではないかとまた笑った。
ほんとうに彼はたどり着けたのだろうか・・・。
そんなマリオも神父になることを考えたりするとても祈る人である。
彼が大好きなった。
今日はハビィを病院に連れて行った。
彼はほんとうに患者たちの痛み苦しみをしっかりと感じていた。
そして、心から彼らに祈りを捧げていた。
病院を終えてから、彼といろいろと話した。
病院の訪問は明日でお終い、と言うと、どうしてお終いにするの?と彼は聞いた。
そこではほんとうにいろいろなことに気を付けなければならないし、また言葉も大切、そして、とても苦しいことを目にするだろうし、またそれに耐えられなければ、患者たちに良くないと伝えると深く考え込んでいた。
そして、あなたがNOと言うなら、自分がそれに従うと言ってくれた。
このことはまた日本でゆっくりと時間があるときに書きたいと思う。
ハビィはほんとうに心の優しく、また貧しい人々を深く思いやる心の持ち主である。
そんな彼にも出会えたことが嬉しくてたまらない。
今日は二人で駅を回った。
暑さもあり、持つ荷物{食べ物}の多さもあって、少したいへんではあったが、自分の心は喜びに満ちえていた。
それから、二日前に約束していた患者がディスペンサリーに来ていたので、その彼を病院に連れていった。
彼の全身の皮膚はあかくただれ剥けきっていたその痛ましい状態だった。
皮膚科の専門医に会いに行った。
その途中、インド人の女性が患者がいると言い、自分を呼んだ。
付いていくと、一瞬見た目にはほんとうに死にそうな患者だった。
脈をとってみると、わりとしっかりとしていたので、すぐには亡くなりそうではなかったが、これが木曜日でなければ、間違えなく運ぶ患者でもあった。
このつづきは日本で書こう。
アドレーションに行く時間になった。
ゆっくりと祈りたい。