カルカッタより愛を込めて・・・。

次のアピア40のライブは9月13日(金)です。また生配信があるので良かったら見てください。

それぞれ。

2024-09-03 11:26:14 | Weblog

 私は愛犬あんを亡くし、未だ哀しみに暮れている。

 いつまでこの哀しみが続くのか、いつかこの哀しみが晴れのか、私には到底分からない。

 私にとっては人生最大のピンチを過ごしている。

 私のこの意味を知る必要があるのだろうと思う。


 先週の山谷のことを少し書こう。


 炊き出しの二回目のカレーを配っている時だった。

 最後の一つになった時、目の前のおじさんを追い抜いて、その後ろにいたおじさんが何食わぬ顔をしてカレーに手を差し伸べた。

 カレーを配っていたボランティアは横入りに気づき、一瞬迷っていたが手を差し出したおじさんにカレーを渡した。

 私もその一部始終をみていたが、あえて何も言わなかった。

 横入りをされ、二個目のカレーをもらえなかったおじさんは何も言わなかった。

 私は見て見ぬふりをした罪悪感からか、彼に声を掛けずにはいられず、カレーを食べていた彼のそばに行き、隣に座った。

 「ごめんね、横入りされて、カレーもらえなくて・・・」

 彼は何も言わなかった。

 嫌悪を見せるでもなく、愚痴や嫌味を何も言わず、ただカレーを食べていた。

 台風で大変だったかを聞くと、普通に答えてくれた。

 彼と少し会話をして、その場を離れた。

 カレーの列に並ぶすべての者は空腹を知っている。

 横入りすることが悪いことだと誰もが知っている。

 時にそれがとても危険なことになることさえあることを知っている。

 カレーを最後にもらう人が、もらえなかった人の空腹のため息を一番感じる。

 それは天国と地獄の境かのようにすら思える。

 彼は自ら主張すれば、カレーはもらえた。

 だが、それをしなかった。

 悪いことをした人に譲った。

 そして、そのことに愚痴をこぼしたりはしなかった。

 私は内心彼を「すごいな、すごいな」と眺めた。


 山谷の帰り道、おじさんが私に声を掛けてきてくれた。

 私は彼が持っていたカレーを見て、「暑いから、なるべく早く食べてね」と言った。

 彼は「がんになったよ。大腸がんにさ。ステージ4だった」と苦笑いを見せながら言った。

 「いつ診断されたの?」

 「二月・・・」

 「そうか、半年生きれたんだね」

 「うん、半年たったよ」少し笑みを浮かべて言った。

 この暑さのなか、30分くらい歩いて、彼はカレーをもらいに来ている。

 死の恐怖を乗り越えて来ている。

 「すごいな、すごいな・・・」
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正しいこととは。

2024-07-12 14:00:00 | Weblog
 先週の土曜日の炊き出しではちょっとした傷害事件が起きた。

 白髭橋にカレーを配りに行っている間に事件はMC{マザーテレサの修道会の略}の施設の前で起きた。

 カレーを配り終え、Mさんの車に乗って帰ってくると、数台のパトカーと警官たちがMCの施設近くにいた。

 何が起きたのだろうかと、私たちには分からなかったが、まだ規制線がはられおらず、私たちはパトカーの間をすり抜け、MCの前まで来れた。

 MCの施設の前の道路には居らるところ、かなり量の血痕があった。

 植木鉢も転がり、割れていた。

 火曜日のボランティアをしているKさんが警察官と救急隊の人に落ち着くようになだめられていた。

 Kさんは興奮状態だった。

 だが、すぐに担架に乗せられ、救急車で搬送された。

 私はカレーをもらいに来ていた女性に何があったかを聞いた。
 
 彼女も実際にしっかりと見たのではないが、この辺であまり見たことがない男性がKさんと喧嘩になり殴って逃げたとのことだった。

 どんなことで喧嘩になったか、私は推測ができた。

 これは私の勝手な想像ではあるが、たぶん、Kさんは「ここ{MCの施設の前}ではカレーを配らない、白髭橋に行っている奴らがかわいそうだ。歩けるんだったら白髭橋に行け」と、そのようなことを言ったんではないかと思った。

 事実、私は何度も彼がそう言うのを聞いた。

 その言い方に切れた男性がKさんと喧嘩となったんではないかと思った。

 このことはいつも問題になった。

 MCの施設の前でカレーを配ると、年寄りの足では歩いて30分くらいは掛かる白髭橋に行くのは億劫であろうし、事実辛いだろう。

 そのなかで年寄りではない人もカレーをもらいに来る。

 以前、こんな看板を書いて置き、その前でカレーを配った。

 看板にはこのようなことが書いてあった。

 「ここでカレーを配るのは足の不自由な人だけです」と。

 私はこれを読み、胸を痛めていた。

 看板は人に見せるためにそこにあるが、それを分かっていても、どうも出来なかった足の不自由ではない人を傷付けるのではないかと思ったからだった。

 その看板は正しいことを書いている。

 そうせざるを得ないことを伝えようとしている。

 だが、愛情はない。

 普段からうまく生きれない不器用な人を、空腹で困っている人を、誰からも優しくしてもらっていない人を傷付けている。

 ただ時間帯など関係なく、玄関のチャイムを押し、食べるものがないかと来る人も居るのも事実である。

 ルールは必要ではあるが、そこには愛情を添えて欲しいと私は思う。

 {つづく}

 
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静かな朝。その2。

2024-06-28 18:11:29 | Weblog

 愛犬あんが亡くなってから、もうすぐ二か月になる。

 時の経つのはほんとうに早い、否応なしに流れていく、その時が癒しとなり、慰めとなり、悲しみを深めしていく。

 約14年半、一緒に過ごした日々が無くなると、すべてはガラッと変わった。

 もう二度とベッドにいる私をあんは起こしに来ない。

 そのことがあんが亡くなった当初は目が覚める度に悲しくて悲しくてしょうがなかった。

 夜の晩酌も同じように、あんの写真に「あん、晩酌だよ」と声を掛けた途端に涙が溢れ出すことを何度も繰り返した。

 きっとこの悲しみは拭えないのだろう。

 でも、私が愛したあんとの時間は消えないのである。

 この記憶が私はいつか慰め、温めもすることだろう。

 いまでも強く心に残るあんの記憶がある。

 私が仕事に来ていくジャンバーを知らない間にテーブルから引きずり落とし、知らん顔して、そのジャンバーの上に寝ていた。

 私を仕事に行かせないようにしていた、あんの反抗であった。

 その姿が愛らしくてたまらなかった。

 こんなことを書いていると、鼻の奥からジンとして、涙が頬を伝っていく。

 私はいまじっと悲しみに耐えている。

 どうにかなってしまいそうだが、どうにか耐えている。

 この悲しみもありがとう、あん。
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静かな朝。

2024-05-09 11:37:28 | Weblog

 この写真は一か月ほど前、私の部屋で最後に撮った愛犬あんの写真である。

 一か月ほどの介護を経て、先週末、あんは天国へと旅立った。

 介護中から現在も私は泣いてばかりいる。

 あんは大切な家族であり、私にとっては娘のような存在だった。

 家からあんの存在が無くなると、こんなにも空虚な空間になるものなのかを私は行き場を無くし、立ちすくむこともあった。

 愛犬との別れの辛さを分かっていたつもりであることが分かった。

 とてつもない悲しみを分かっていたつもりであることを感じている。

 愚かな私はあんとの別れなんか来ないと妄想していたことを目の当たりしている。

 それでも、「ありがとう、あん」と呪文のように何度も口にしている、風の中に空に向かって言い放っている。

 静かな朝と題したのは、あんが亡くなった翌日、耳の悪くなった母親が毎朝大きな声であんに話しかける声が聞こえない静かな朝に二階の部屋のベッドにいながら哀しくなったからである。

 そして、私の家にあんの喪に服し、静かで哀しみに満ちている。

 {つづく}
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筋肉痛。

2024-03-18 00:04:56 | Weblog

 金曜日、馬鹿みたいに力いっぱいに歌ったから、それに歳も重なり、筋肉痛がディレイしてきて、今日、ライブの筋肉痛がマックスだ。

 普段使わない筋肉を使っていたようで、普段、筋トレで味わう筋肉痛ではない筋肉痛を味わっている。

 だが、これとも明日にはお別れしよう。

 今、お風呂にゆっくりと入り、その準備を整え、そして、明日は新たな筋肉痛を作るべく、筋トレをするのである。

 これで筋肉痛が上書きされるのである。

 ただやはりライブの緊張からの解放はとても心地よい。

 これでしばらくは釣りに全集中出来るのである。

 釣りに行ける金曜日の天気予報ばかりに気にしている。

 そうそう、実は最近ノートパソコンを買ったので、これからはまた少しずつ何か書いていこうと思っている。

 古いパソコンはWindows8だったので現在はいろんなサービスがなくなり、使うのをやめていたのである。

 まぁ、だからと言って、たくさん書くこともしないと思うが、にもかかわらず、少し書こうと思っているところである。

 なぜなら、もうすぐ春だから。

 もうすぐ桜が咲くからだと。

 
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20:40から!

2024-03-15 18:40:02 | Weblog

 歌いますよー!

 今夜もアピア40です。

 一番最後の出番です。

 生配信、無料で見れるので、良かったら見て下さい!

 http://www.youtube.com/user/APIA40
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友人が亡くなりました。

2024-02-28 10:05:28 | Weblog

 昨年10月にすい臓がんの多発性転移で余命半年と言われた友人女性が一昨日の夕方亡くなりました。

 彼女はコルカタにボランティアに行ったことのあり、日本では山谷のボランティアをしていました。

 コルカタにまた行く夢は散りました。

 散る前に諦めざるを得ないことを否応なしに受け入れました。

 今朝インドにいるMCファーザーの高塚神父もミサをあげてくれています。

 どうか祈ってください。

 彼女の余命を知ってからの毎日は日々の重みが違いました。

 誰かとの約束の重みも違いました。

 それを痛いほど、感じながら祈りました。

 今日は誰かが生きたくてしょうがなかった今日です。

 
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やりました!

2024-02-05 10:27:02 | Weblog
 
 昨年の12月9日に山谷に向かう電車のなかで途中まで書いていたものを書き終えました。

 「やりました!」

 狙いに狙い続け、一度は目の前で引き上げる時に落下して、悲鳴をあげたり、自分には釣れないのてみはないかと落ち込んだり、にもかかわらず、釣りに行く前はいつもたくさん釣れる妄想に取り憑かれたりしながら、日々が否応なしに流れて行ったが、やっと昨日、私はタチウオを釣った!

 スーパーで買った5%引きの処理済みサンマを餌にした。

 釣り始め、うんともすんとも言わないウキを見ていると、釣れる妄想が北風に一瞬にして持っていかれ、跡形もなく消え去り、悲しさだけを残して行った。

 でも、しばらくすると水面はザワザワしていた。

 カタクチイワシが回ってきた。  

 今度は一瞬にして希望が湧いてきた。

 胸躍らせながら、水面に全集中していると、電気ウキが滲んで見えた。

 それは水中に吸い込まれ、滲んで見えたのだった。

 タチウオは捕食が上手くない魚と言われ、いったん加えたとして、それを持ち直し、食べ始めるとのこと。

 焦って引き上げることはNGなのである。

 そんなことは百も承知なのであるが、竿を思いっきり、もうあげたくてあげたくて堪らなくなっていた。

 すると、滲んでいたウキが水面に上がってきた。

 あっ、もしかして、吐き出しのか、とどん底に落ちたが、もちろん、諦めては居なかった。

 次にウキが沈んだら、竿を引き上げようと思った。

 私の願いが天に届いたのか、またウキが滲んで見えた。

 そう、水中にウキが沈んで行ったのであった。

 思いっきりと、竿を引いた。

 しっかりと魚の感触が竿から両手に伝わった。

 そこから幸せが全身に伝わった。

 バラさないように、ドキドキしながらも、丁寧にやり取りを終えると、銀色の太刀がくねりながら、私の目の前に現れてくれた。

 歓喜の声を上げ、心が躍り出していた。

 綺麗なタチウオを前に大感動だった。

 しばらく放心状態だった。

 その時を十分に味わい、タチウオの血抜きをした。

 ただの一匹のタチウオであるが、私にこの上ない感動を与えてくれた。

 釣りはやはり楽しいのである。
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昨日は。

2023-12-17 19:12:40 | Weblog

 昨日はどうにか無事に歌い終えることが出来た。

 とてもホッとしている。

 緊張した分の安堵感は何とも言えない。

 これでまたどうにか歳を越えられそうです。

 有り難いことです。

 今日、友達が撮ったマザーハウスのマザーの言葉が、私がコルカタ滞在中にメモノートに書いていた大好きなマザーの言葉だったので、写真を載せておく。
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これから歌います!

2023-12-16 17:47:51 | Weblog

 いまリハーサルが終わり、一番搾りを飲み、ゆったりとしています。

 19:00から始まり、自分の出番は20:40くらいからになります。

 アピア40の公式YouTubeチャンネルから、無料で見れるので、良かったら見て下さい!

 http://www.youtube.com/user/APIA40
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