日曜日はあんとハイキングに行った。
どこに行こうかと考えた末、近場でまだあんが行っていない場所に向かった。
菅村の山の上にあるフルーツパークの駐車場にミニを止め、そこから風吹き抜ける葉桜のソメイヨシノの並木を下り、右に曲がって、日テレの生田スタジオの前を通り、多摩美台公園に行った。
この多摩美台公園は私も実は初めてでどんな所だろうと期待しながら、動物病院のアヤコ先生に言われた通りあんのリードを短くして一緒に向かった。
そこに向かう自然遊歩道に入ると途端に新緑が一際輝き、その香りが森中を包むように風に舞い上がっていた。
思わず、「あぁ~」っと言葉にしてしまうほど、気持ちの良い空気に微笑み、ここに来て良かったと一目惚れしてしまった。
あんに「自由行動です」と言ってリードを自由にしてあげた。
あんも嬉しそうにして、好奇心たっぷりに辺りをクンクンしていた。
「ようこそ」と言われているかのようにウグイスの美しい声を聞こえてくる。
こんなに気持ち良く美しい場所が近くにあったとは今まで知らず、もったいないことをしたと思ったほどである。
森林浴は私に良いようにあんにも間違えなく良いだろう、泥の上、草の上、枯葉の上をあんは喜びトコトコ歩く。
私はこの美しさを丸ごと平らげることなど不可能なのだろうが、可能な限り、私のこの内に取り込もうと深く呼吸するとともに辺りをゆっくりと見回し、それを感じれようとした。
多摩美台公園の中を一回り終えてから、今度小田急線のよみうりランド駅に向かう自然遊歩道を歩いた。
この道は一キロほどであるが、途中には竹林もあり、ここも何とも気持ちが良い。
途中すれ違う人たちは挨拶を交わし、その中には、あれは何と言う名前のものであろうか、スキーに使う道具のようなものを両手に杖代わりに持って歩く集団にも出会った。
そのようなものを使って歩くとやはり楽なのであろうか、私はビーサンにあんである。
まぁ、人はどのような形でそれを楽しむのかは自由であり、何より「楽しい」とそれを喜ぶ形が良いのである。
この道にはカメラや双眼鏡を持った老夫婦が居たり、これからよみうりランドに向かう親子が居たり、皆楽しそうに歩いていた。
私とあんも全身で喜び楽しみながら歩いた。
それはこの森から、この季節から、この世界からの恵みを素直に受けていた証しであろう。
「ありがとう」と多摩美の森にちゃんと言って、「さよなら」をしてきた。