それ以前シアルダーの仕事の後にシスターニルマラの姿を見れればと思い、私は何度かセント・ジョン教会に行ったがそのチャンスはなく、いつも教会内にある墓地に眠っているシスターアグネス{マザーの仕事に一番最初に参加したシスター}やシスターデイミア{アフリカに初めてMCを作った時の責任者のシスター。私はこの二人のシスターの葬式のミサに参加した}、他のMCシスターのお墓参りをしてからチャペルで心を整えるように少し祈り帰宅することがあった。
疲れ切った身体と心をこの場所は外部の雑踏から切り離し、しばしの非現実の空間のようにあり、安らぎの沈黙を私に与えてくれた。
帰国をまじかになった時、私はミスを犯した。
私の判断の甘さ、いや、まったくの愛の無さで路上で患者を亡くしてしまった。
それはその前日に麻薬中毒者からある患者を助けてほしいと言われたが、私はその患者がすぐに亡くならないだろうと判断した。
国の病院から何らかの理由で出された患者であった。
そうした患者の場合、MCの施設には運ぶことが出来ないケースである、喉元にあったガーゼには膿があったが過度の悪臭はなく、患者は激しく苦しんでいたが歩くことも可能であった、まだ危険な状態ではないだろう、と私は思った。
私たちは駅の仕事を終えてディスペンサリーで集まった時に何度かアイルランドのNGO「Hope」の病院のケースワーカーに電話もしたが日曜日だったこともあり出なかったので時間を置いて連絡を付け、翌日その患者を病院に搬送することを決めた。
{つづく}