とぎれとぎれの物語

瀬本あきらのHP「風の言葉」をここで復活させました。小説・エッセイをとぎれとぎれに連載します。

新しき神話の創生

2013-10-15 15:28:04 | 日記
新しき神話の創生




 WATTEAU, Jean-Antoine (1684-1721 French Painter Rococo style)「Summer」

 この絵はヴァトーの友人にしてパトロンでもあったフランス財務長官ピエール・クロザの邸を飾っていたことから「クロザの四季」と呼ばれている四季連作の1枚です。
  夏の収穫物である麦を司るところから、夏の寓意像として頻繁に描かれる農耕の女神ケレス。穀物の冠を戴き鋭い鎌を手にした女神は、その手で刈り取った麦の束にもたれて悠然と雲に座しています。
  女神の周りには、伝統的に夏の星座と見なされてきた蟹座(陰になっているのでわかりにくいですが画面左下にかすかに見える黒いザリガニのことです)・獅子座・乙女座が描き込まれ、寓意を強める働きをしています。
  「クロザの四季」にはこの他にも《春》と《秋》があったことが知られていますが、このうち花の女神フローラと西風の神ゼフュロスを描いた《春》は1966年に火災で焼失してしまいました。《秋》は小さな鎌を手にして果物を収穫する若い娘(おそらく果実の女神ポモナ)とキューピッドを描いた作品で、現在ルーヴル美術館に収蔵されています。
(HP「テオポリス」http://www.h6.dion.ne.jp/~em-em/index.html より引用)


 ご縁劇場の整備事業に続いて、ご縁美術館の整備が行われました。校舎の美術館の部分だけ屋根を高くして天井を上げ、間取りも教室を繋げて広いスペースが確保されました。
館長は元学芸員の坂本竜太郎が選ばれ、他に2名の女性スタッフが採用されました。これに合わせて、ギャラリー・スペースも作られ、地元ばかりではなく全国の作家の美術活動の援助をすることになりました。他の販売事業等のスペースも大幅にセンスアップしました。こういう一連の作業は本部から派遣された経営顧問根上康夫の構想に基づくものでした。・・・かくして第1期のハード面での作業は終了し、人事面での配置も完了したので、事実上公益社団法人ご縁市場が誕生しました。残る絵画、陶芸部門についても将来的には法人組織に繰り入れする方針だと聞きました。
 秋の晴天に恵まれたある日、新ご縁市場の開所式が開かれました。参列者はご縁市場の所長とそれぞれの部門の代表者、従業員、それに新阿国座の幹部、市関係者でした。私と長柄さんも一般の参列者に混じって後ろの方に座っていました。セレモニーでは最初に出雲市地域振興部長の祝辞とご縁市場代表の古賀所長の謝辞が述べられ、最後に根上顧問の挨拶がありました。

 皆さんご多忙の中、多数ご出席いただきましてありがとうございます。皆さんのご支援、ご協力によりまして、新しいご縁市場が誕生しました。この出雲の地に産声をあげたご縁市場は新しい地域興しの拠点として今まですばらしい活動をなさっています。この度衣替えしたご縁市場もその趣旨を受け継いでいきたいと思っています。
 ハード面では出来るだけ親しみを持っていただけるように工夫しました。組織的には普通の会社ではなく、公益法人の形をとりました。ですから新阿国座の傘下に入ったものの利益を私たちが吸い上げる訳ではありません。効率よく経営し、生まれた利益はすべて地元地域にいろいろな形で還元したいと思います。
 中央の劇団と地方の地域興しの施設が協力するというケースは初めてだと思います。両者が最善の形で溶け合い、ここ出雲の地に新しい神話を作り出したいと思います。芸術、文化をベースにして人的な面での大きな流れを生み、物流の面でも一層大きな規模に膨らませ、全国から注目される。・・・これが新しい神話の創出です。近く完成する新阿国座のメイン劇場の活動とあいまって出雲の土地から全国に羽ばたく大きなうねりを作り出しましょう。私たちはそのために最善を尽くします。・・・ご清聴ありがとうございました。

 続いて舞台で記念のアトラクションが始まりました。雪月花の3組のすべてのメンバーが息の合った総踊りを披露しました。勿論、出し物は阿国踊りです。華やかな新しい風が観客を魅了しました。

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