今夜も本をまくらに。

山歩きが好き、落語が好き、おいしい物が好き、中島みゆきが好き、
でもやっぱり活字がなければ生きていけない私。

孤宿の人 上・下

2012年03月27日 | 「本」のひきだし
  
ブクログより


「苦しい時の神頼み」ならぬ「困ったときの宮部みゆき」なのだ。
なにを困るのかというと、さしあたって読みたい本がないとき、図書館の棚をジグザグに2往復ほどしても読みたい本が見つからなかった時など。そんなときは迷わず「み」の棚へ向かい宮部さんに助けていただく。新刊などもちろんあるはずはなく、隙間ができて斜めに寄りかかっている、発行されてしばらくたってちょっと一息ついている本達の中から物色させていただく。
まあだいたい時代小説なら外すことはありませぬ。
そういうわけで、宮部さんに限って新刊が出たといってとびつくということはしない、ということになっている。
閑話休題

風光明媚な四国のさる藩に、勘定奉行の幕臣が罪を受けて永預かりとなる。罪人であってもお偉い方なので粗末にはできず、降って湧いたような大椿事に、振り回される人々。
どこからそんな話を思いつくのかと思ったら、これは本当にあったことらしい。
その事実に、昔から伝わる雷や妖怪の話、不思議なはやり病などをおりこんで、不幸な生い立ちの少女をとりまく魅力的な人々で物語は成り立っている。
舞台はめずらしく江戸ではなく、四国のある地方(限りなく丸亀藩)だが違和感なくいつもながらすっと話に引き込まれていった。くすっと笑えてほろりとさせられる・・・ 
敢えて言えば、人が死にすぎなんじゃないかなぁ。良い人が。

孤宿の人(上) / 宮部みゆき
★★★★☆

孤宿の人(下) / 宮部みゆき
★★★★★

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