今夜も本をまくらに。

山歩きが好き、落語が好き、おいしい物が好き、中島みゆきが好き、
でもやっぱり活字がなければ生きていけない私。

徳山村写真集 2冊

2023年11月30日 | 「本」のひきだし

ブクログより



大西暢雄さんのドキュメンタリー、ホハレ峠を読んで、関連本を探していて見つけた一冊。

ホハレ峠は徳山村の門入出身のおばあちゃんを追ったもの、増山さんは徳山村の戸入出身。
徳山ダムの話が出て何十年、いよいよ村が取り壊され、着工という段になり、居ても立っても居られなくなり、それまでフイルムの出し入れもわからなかった人が、カメラを手に取り、夢中で撮りためて来た写真集。
その時増山さん61歳、「もうこれらがなくなってしまうんだなぁ」と写しても写しても限りない愛着がわいてきて、アルバムは500冊にもなった。
ビルマインパール作戦で行方不明になった夫が帰ってきたときに、せめて写真だけでも残してやりたいと。

季節季節の村の行事、田畑の仕事、何気ない日常の一コマ、そこに写る人々の底抜けに明るい笑顔。
一方、爛漫の桜の下で作業をしている重機、ワイヤーをかけて引き倒される家、首の長い怪獣が大きな口を開けてまさに獲物に食らいつこうとしているかのような写真、家を壊すときにご先祖様に申し訳ないと、石碑に晒をぐるぐる巻きつけた写真など、増山さんが涙でファインダが覗けなかったとおっしゃっていた写真たちも、ちゃんと写っている。





増山たづ子 徳山村写真全記録 / 増山たづ子
 





ブクログより


農繁期には、隣近所手伝いあい。
作物が採れたらおすそ分け。
雪に閉ざされたら、食べ物を持ちより集まり。
婦人会、老人会、盆踊り、まるで村中が家族のような付き合い方。
神社の神様もお引越し。
どんな思いで村を出て行かれただろう。

それぞれ皆さんが断腸の思いで村を去り、そして建設されたダム。
そんな用水が、大切に有効に活用されることを願うばかりです。



ありがとう徳山村 / 増山たづ子

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ホハレ峠 ダムに沈んだ徳山村 百年の軌跡

2023年11月22日 | 「本」のひきだし

ブクログより




日本最大のダムを作るために沈んでしまった岐阜県徳山村。

岐阜県の西より、滋賀県と福井県の境にある徳山村の最も奥にある門入(かどにゅう)地区が本書の舞台で、隣の坂内村や川上地区につながる峠がホハレ峠、物資の流通や交流が行われた険しい山道だ。

同じ岐阜県出身の作者は、徳山ダムの話は小学生頃から聞いていて、カメラマンを志しいつしかその記録を残したいと思うようになり、東京から徳山村まで通い詰めた。

門入は徳山村の八集落あるうちの唯一水没を免れた地域で、昭和の末頃まで34世帯約百人が暮らしていたが、ダム建設によって危険区域となり移転を余儀なくされ、集落の人々は徐々に近隣の町に引っ越していった。

そんな廃村になっ4年目(1991年)門入を訪れた著者は数人のお年寄りが暮らしていることを知った。
村には店もない、電気やガスや水道もない、通信手段もない、母屋は契約時に壊してしまったから掘っ立て小屋を建てて、そんな状態で暮らし続ける人たちがいた。

不便を感じるどころか、「こんなええとこ、独り占めしていいんかな」と大笑いしていたという。
水は川で汲んで、畑で野菜を作り、木の実や山菜をとり、まさに自然と寄り添いながら、食べるためだけに体を動かすという生活。
原始に戻るというか、自然に逆らわない生活。
 
そんな中で作者は、廣瀬ゆきえさんという一人のおばあちゃんと出会い、廣瀬さんのそれまでの足跡をたどり始める。
廣瀬ゆきえさんの一代記ともいえる物語だ。門入住人、最後となった人だ。
そんなゆきえさんに寄り添い、記録に残し続けた作者はもはや家族同然。

栃の実のあく抜きや、自然薯堀など、貴重な体験をしたり、季節季節の山菜料理をお腹いっぱい食べさせてもらったり。
そんなことばかりしていたのかというと、ちゃんと仕事もしていて、ゆきえさんの生い立ちをたどっていくうち、なんと北海道の開拓という話が出てきて、北海道にも何度も足を運び、ご先祖のルーツを調べ上げた。
徳山村の人たちは、昔、北海道の開拓のために大勢移住して今もゆかりの人たちが暮らしている。
そして徳山村を途絶えさせないための、昔からの縁組の仕方など、岐阜と遠い北海道とが、巧みにつながっているその仕組みが面白いように明かされる。
たまたまダム建設のために廃村に追いやられてしまった住人の一人であった廣瀬ゆきえさん、その波乱万丈の一生は、作者によって見事に記録された。

実は、この徳山ダムを見ながら、福井の県境に向かうと、冠山とか、金草山があり、その山に登るため、徳山ダムは知っていました。
そのダムにこんな物語があったとは・・・
今でも、門入を訪れる人たちがいます。山歩きの延長だったり、探検と称して。
機会があれば行ってみたいです。



ホハレ峠 ダムに沈んだ徳山村 百年の軌跡 / 大西暢夫

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

久しぶりです! 夏道の綿向山

2023年11月21日 | 「山」のひきだし
夏道どころか、季節を通して久しぶりの綿向山です。
今回は近場の山ということで。


三合目の小屋


五合目の小屋


小屋の前からの展望。
えらく樹木が生い茂って、こんなでしたっけ?
冬は雪が積もって、立ち位置がもっと高いんじゃないの?と。なるほど。




このあたりセンブリがたくさんありました。






七合目。行者コバ。


雪の時期は直進しますが、今はまだ止められています。


右に巻くように進みます。
久しぶりぃ。


いい感じです。




お~これこれ、最後のこの階段、地味にツライ。


頂上から雨乞方面。





冬には樹氷びっしりであろう樹木たち。


本日もお世話になりました。





下山後振り返る。

終日良い天気で、紅葉もまずまず。登山者も結構おられました。
秋の静かな綿向山もいいもんだなぁ。





2023年11月1日(水)晴れ
綿向山 1110m

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小説8050

2023年11月12日 | 「本」のひきだし

ブクログより




あまりにも現実味にあふれ身につまされる。
実際、年老いた父親が手に負えなくなった長男【年齢は忘れたが成人)を殺害してしまったという痛ましい事件も記憶に新しい。
何か事件が起こると表面化するが、息をひそめてひっそりと暮らしているという家庭は現実にたくさんあるのではないだろうか。

本作の主人公は、せっかく進学校の中学校に入ったのにいじめが原因で学校をやめて引きこもってしまう。
親は最初いじめに気が付かず、いろいろ手をつくして元の生活に戻そうとするが、やがて暴力を振るうようになり、姉の結婚話をきっかけに、姉との対立などで過激化していく。

親も真剣に向き合う時が来た、というより向き合わざるを得ないようになり、事態は方向転換、良いほうに行くのか、悪くなるのか。
本当にどこにでもありそうな話で、いつでも起きていそうで、誰でも当事者になりうるということが恐ろしい。

誰でも子供を思わない親はいなくて、たとえその思いが的外れでも空回りでも、全力で向き合っているはずなのだが、それが子供に届かないもどかしさと悲しさ。
どこでボタンを掛け違えたのか、戻れるものならそこまで戻ってやり直したい、誰もがそう思うに違いない。



小説8050 / 林真理子

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

観光気分で蓬莱山

2023年11月06日 | 「山」のひきだし
良いお天気が続きました。なのにいろいろ用事があり・・・
でも思い切って一日山に行ってきました。
行先は比良の蓬莱山。


栗原という集落奥から入山、登山口です。






長~い林道を歩いて、やっと山の中に入ると

紅葉もちらほら。







季節外れのイワカガミも


権現山


紅葉というか薄っすら色づく。奥の琵琶湖は少しかすんでいる。





ホッケ山


振りかえる


もう少し、建物があるところが蓬莱山。


蓬莱山、


遠足の幼稚園児。小女郎池に行ってお昼を食べて帰ってくるんですって。
結構な距離と、アップダウンがありますよ。へ~~


ここからは観光です。


琵琶湖に向かっていろいろあります。


スキー場のゲレンデをいったん下って、また登ると打見山。山って・・・
アスファルトの道に看板があるだけで、えっと思ってしまいますが。
ゴンドラの山頂駅です。

あたりは修学旅行生や、家族連れや中国語が聞こえてきたり、結構な賑わいで、大きなザックをしょった私たちは少し浮いているかな?


そんなことはお構いなしで


しっかり観光。


相称して琵琶湖テラスとよばれています。


私も初めて来ました。

ランチにはテラスカレーパンなども食しまして、大満足です。

いっぱいのお腹を抱えて、またゲレンデを登って帰ります。

ゲレンデは飽きないようにいろいろ遊べたり、工夫しています。


あっ! 幼稚園児が帰ってきました。早いなぁ。
みんな元気でした。


予報通り雷が鳴ってきて、怖いけど小女郎池にも寄る。


でも琵琶湖はきれいに見えてきた。




少しぽつぽつ来ましたが、大したこともなく無事下山。
しかし帰路の林道歩きは長かった~~


2023年10月23日(水)晴れ/小雨

栗原集落~権現山~ホッケ山~小女郎峠~蓬莱山1174m~打見山ピストン

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする