今夜も本をまくらに。

山歩きが好き、落語が好き、おいしい物が好き、中島みゆきが好き、
でもやっぱり活字がなければ生きていけない私。

セカンドチャンス

2024年06月09日 | 「本」のひきだし

ブクログより




主人公の麻里は51歳、長い介護の末母親を見送った。
気がつけば婚期は過ぎ、不摂生で健康診断は医者も見放すほどのひどい数値。

このままずるずると一生を終えるのかと思っていた矢先、友人に背中を押され、水泳教室に入会、水に浮かぶところから始めて、うまくならないと落ち込んだり、人間関係にめげたりしながら、水泳の楽しさに目覚め、仲間と泳ぐ楽しさを知り、気がつけば数値は医者も驚くほど正常化し、体形も変化。まだまだ人生も捨てたもんじゃない、これからが第二の人生だ、と前を向く。

まぁ、麻里にしてみたらきっかけは水泳でなくても良かったわけだが、多分作者の体験が投入されているんだろうなと思わされる、かなり具体的な練習方法などが出てきたり、泳法についてもかなり専門的に描かれている。
ちょっと水泳をする人なら、あぁそういうことか、それね、という風にわかりやすい。

少し前、高橋秀実の「はい、泳げません」が映画化され見たが、だいぶん原作とは違う方向に脚本化されておりがっかりした。
これも十分に映像化できる話だが、小説だけでいいかな。

人生ちょっと立ち止まった人の背中を押してくれる一冊だ。



セカンドチャンス / 篠田節子

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子宝船きたきた捕物帳二

2024年05月26日 | 「本」のひきだし

ブクログより


きたきたきたぁ~捕物帖、第二弾。

亡き親分から引き継いだ「朱房の文庫」の振り売りをしている北一。
爺さん婆さんが切り盛りする長命湯の釜焚きの喜多次。
北一と喜多次できたきたコンビ。

宝船の絵の中の弁才天だけが抜けている、あるいは背中を向けているという不思議な絵が出回って。
それと共に幼い子供が不審死するという「子宝船」
親子3人が毒殺されるという「おでこの中身」ほか。

政五郎親分に目をかけてもらって、岡っ引きの下の下ぐらいの身分で動き回り、事件を解決していく。
前回に比べて、なんだか北一がすごく成長したな、頼もしくなったなという感じがする。
そして喜多次もちょっと口数が増えてきて、北一との意思疎通ができている。
そしてそして、第二話に出てくるおでこ、こんなところでまた出会えるとは・・・
どこで出てきたお人であったか・・・
失念したが、達者であったことは喜ばしい。
ますます続きが楽しみだ。


子宝船きたきた捕物帳二 / 宮部みゆき

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六畳間のピアノマン

2024年05月18日 | 「本」のひきだし

ブクログより



投資用マンションの営業として入社した、大友、夏野、村沢。厳しいノルマ、GPS付き携帯で終始見張られ、早朝深夜を問わずの飛び込み営業、家へ帰る時間が惜しく、事務所の床で寝るような生活。

超ブラック企業のパワハラ上司による洗脳で、もはや人間であることを忘れたかのような三人。
やがて締め付けはエスカレートし、洗脳から解き放たれ、こっち側に戻った者と、追い詰められあっち側に行ってしまったものと。

人間、働かなくてはいけないが、命を懸けてまでする仕事なんてない。
自分の居場所など、探せばどこにでもあるだろう。
そこにとどまる理由などきっとたいした理由ではない。

今こうしている時にも、理不尽な職場で、理不尽な仕事に追われている人がいるかもしれない。
少しその手を止めて、周りを見渡してほしい。
自分のことを見つめてほしい。

NHKのドラマを最初に見ました。
ビリー・ジョエルの「ピアノマン」を主人公のひとりが動画投稿サイトで歌う場面がしばしば登場する。
ドラマの内容とこの曲の旋律がリンクして、殊更切なくさせました。



六畳間のピアノマン / 安藤祐介

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47都道府県女ひとりで行ってみよう

2024年05月06日 | 「本」のひきだし

ブクログより




自由にあちこち行けないとついこんな本を手に取ってしまいます(2020年の感想です)。いや国内ならもう出かけてもいいと思うんですが、なんというか臆病になったというか、二の足を踏むというか、う~ん面倒くさいだけかもしれませんが。

で、人の紀行文を読んで楽しむ自分がいる・・・
一人というのは、身軽で、気をつかう必要がなく、好きにできていいのですが、行った先々で色々気をつかうんですね。
ファミリーやカップルで賑わうなか、一人でも十分楽しんでいるんですが、周りからはどう思われているんだろうとか、まだまだおひとりさまお断りの旅館があったり、気苦労はあるようです。

だんだん慣れてきてそれなりに楽しまれていますが、後の方になると、毎月月末(毎月一県という決まり)に出かけられているのがおかしいです。それって義務になってますやん!!😵


47都道府県女ひとりで行ってみよう / 益田ミリ







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旅屋おかえり

2024年04月18日 | 「本」のひきだし

ブクログより


少し前、ドラマを見ました。
以前から、少しずつ原田マハさんを読んでみようかなと思っていたので、この機会に手に取りました。

熱い社長率いる芸能プロダクション、所属タレントはもとアイドル(あまり売れていない)丘えりか、ひとりだけ。
唯一、旅の番組を持っていたが、スポンサー名を間違えて言ってしまい、番組は終了。
仕事が無くなってしまったが、自分はやっぱり旅が好き、いろんな事情で旅ができなくなってしまった人に代わり、旅の依頼人の思いを背負った仕事なんだけど、それ以上に自分もその旅を思い切り楽しんでるところがいいなぁ。

ドラマのキャストも原作にぴったり!
出てきた旅館、本当にあるのかなと探してみたり(四国の喫茶旅館、本当にありました)
行ってみたいなと思わせてくれたり。
旅の番組にドラマ性を持たせることによって、より深い内容になっています。またドラマ再開してくれないかなぁ。




旅屋おかえり / 原田マハ

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